精霊王の契約者

布良

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5章

魔導具作成の余談

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あれからすぐに少女3人は戻ってきた。
首についていた首輪はなくなっており、3人とも笑顔だったのが印象深い。
3人についてだが、全員それぞれの故郷に帰れるということになった。
チェルシーとローズリーの故郷は比較的ルーシャーに近いため、明日の朝にでも馬車で向かうとノエルは話していた。
それをきいてチェルシーとローズリーは手を合わせて喜びを分かち合っていた。
そして残ったコニーについては、故郷の村までルーシャーからひと月以上かかるらしく、定期便も一応あるのだが出るのは10日後なのでその間はノエルが責任をもって世話をすると言っている。
コニー自身は「ルナ様と精霊王様達についていきます!」と言っているらしい・・・もちろん連れていく気はないが。
ただ、目が本気だったから何をしでかすかわからない・・・、警戒しておかないとな。
で、その後は食事をして各自割り振られた部屋に戻った。
そこから祭りが始まるまでは城内を見学させてもらったり、俺とエド、カーティスは騎士団の訓練に、女性陣は宮廷魔法士による魔導具作成を見学しに工房へ向かっていった。
ステラとアルマも工房に向かったのだが、2人が工房へ行くと言った時のノエルの顔はしばらく忘れられないくらいいい笑顔をしていた。
しかし、ステラとアルマからしてみれば自分たちにはるかに劣る技術や完成品を見て飽きてしまったのか、部屋に戻ると言ってすぐに戻ったと聞いた。
まあ、2人が作るマジックアイテムって物によっては国宝レベルを超えるものだってあるからな、目新しいものがない限り興味も出るわけじゃないか。
そう考えると、アステリーナ王国で作り出されたダメージ変換をする魔導具はかなり優秀だったということがわかる。
余談だが2人が部屋に戻るといった時、ノエルはもちろん宮廷魔法士の人たちも落ち込んでいたらしい。
ステラのマジックアイテムの作り方を教わり、魔導具作成にどうにか生かして能力向上をはかろうとしていたらしいがそれができなかったためだろう。
その後も何度か作り方を教えてもらおうとしていていたがステラが教えることはなく、作り方だけでもと作業工程を見学しようとしていたが、それすら一度も叶わず祭りの日となったのだ。
それでもノエルはマジックアイテムが手に入れば・・・と考えているみたいだが、ステラが作ったマジックアイテムは、一般的な魔導具より少し性能がいい程度のものしか作っていない。
そういうのを作ってくれとも作り方を教えちゃいけないとも言っていないので、これらは完全にステラの考えだけで行ったものだ。
ステラ・・・恐ろしい子。

「そういえばノエル。マジックアイテムの売り上げについてはこっちがもらっていいんだよな?」

「もちろんじゃ。・・・主殿、ステラに何か指示をしての行動か?」

「いや、俺はなんも言ってないよ」

「そうか、うむむ・・・・」

目論見が外れたノエルは悔しそうに俺のことを見つめる。
今回は本当に何もしてないから何とも言えないな。
いや、こっちとしては変なことになるのを防いでくれていいんだけどさ。

そんな余談がありながら、今日から祭りが始まるのだった・・・、

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