なりたい自分が自分

ミーンミンミンミンミン

俺は森戸幸。

築22年のアパートで一人暮らし

をしている大学3年の男だ。



ある日。バイトから帰宅して

一息ついていると、

ピンポーン

電子音が響いた。

(誰だこんな時間に。。)

「はい、どちら様?」(ガチャ)

ドアを開けた途端、

「アタシアタシ!」と言って

見覚えのない女性が

駆け込んできた。

(どこかで会ったっけな?)

そんなことを考えている暇ではない。

「いやいや、ちょっと待って下さい!」

制止するようなジェスチャーをすると、

「入っちゃダメ?」

瞳を潤ませた彼女を見て、

見事に俺の良心は痛んだ。

それに、彼女は怪我をしていた。

よく見ると膝を擦り剥いていて、

見た目はとても痛々しい。

偶然、俺も転んだばかりで

他人事とは思えなかった。

という訳で、手当のために

一時的に家に上げることにした。
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