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ぷるんくんが消えた!?

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「あああああっ!」

 男は巨大なぷるんクッションに落ちた。

 やがて地面に落ちたぷるんクッションから男が降りてきた。

「はあ……僕、生きているのか……よかった……ていうか、さっき天国にいるかのような柔らかさを感じたが……」

 と、髪の毛が長い男は安堵のため息をついた。

「大丈夫ですか!?」

 僕は心配になりその男に近づいて話しかけた。

 ところどころ穴が空いているジーンズに汚れた白いシャツ。

「ありがとう……」

 ぷるんくんはいつしか小さくなり、僕の頭に登ってきた。

 僕はそんなぷるんくんを優しく撫で撫でする。

「ぷるるるるる」

 ぷるんくんは気持ちよさそうにゴロゴロ言いながらぶるぶる震える。

「そのスライムって、君のものか?」
「はい!ぷるんくんは僕の家族です!無事でよかったですね!」
「ああ……」
「ところで、なぜ木の上にいたんですか?危ないでしょ?」

 僕の問いに男は困ったように後ろ髪をガシガシ引っ掻くが、やがて恥ずかしそうに笑顔を浮かべて口を開いた。

「俺、ずっとニートしてて、わざと人が来ない時間帯を狙ってここにきたんだ。あの大木の上には魔石があるから、売ればお金になる……まあ、上級マナ草よりは買い取り価格は低いけどな。ちなみに他に人には言わないでくれ。これは僕しか知らないトップシークレットだから。君は僕を救ってくれたから魔石、取っていいぞ」
「ま、まあ……他に人に言うつもりはないんですけど……ところでなんで上級マナー草じゃなくて魔石を採取してるんですか?」
「ん……そうだね。最近は上級マナ草の需要が上がってるんでね。他の探索者たちが結構狙ってて数が少ないよ」
「なるほど……少ないか……いっぱい採るつもりだったのに」

 だから鑑定を使っても一個しか見つからなかったわけか。

 僕が少しガッカリしていると、ニートお兄さんは何かを思い出したような表情でハッと目を見開いた。

「そういえば、Bランクの探索者パーティーの人たちが未知の場所にある洞窟に行けば上級マナ草がいっぱいあるって言ってことを小耳に挟んでたな」
「お、本当ですか!?」
「あ、でも、すっごく強いモンスターが見張ってて、全然歯が立たないって言ってたから、行かない方がいいぞ」

 ニートお兄さんは僕とぷるんくんに心配の視線を向けてくる。

 すると、

 ぷるんくんが僕の頭から降りて、ものすごい勢いでこの茂みの外へと移動する。

「ちょっ!ぷるんくん!どこ行く!?」
「ぷるるるるるるん!!!!!」

 ぷるんくんは興奮した様子のまま消えてしまった。

 僕がぷるんくんの後を追おうとしたが、

 地面が少し揺れた。

「「ん?」」
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