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色んな話

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翌日

 目が覚めた。

 昨日のキングレッドドラゴンを使ったヤキトリは本当に美味しかった。

 けれど、

「……」

 今日の僕はアランとの決闘を控えている。

 最弱平民の僕とCランク級の魔法使いである貴族のアラン。

 不安になった。

 まるで、綺麗な水に黒いインクを落としたように、この不安は早い速度で広がってゆく。
 
 だけど、

 この不安が僕の気を狂わせる前に、左胸に伝わる柔らかい感触が僕に安らぎを与える。

「ぷるんくん……」
「ん……」

 すやすやと寝息を立てながら赤ちゃんのように寝ているぷるんくん。

 僕はそんなぷるんくんの頭をしばしなでなでした。

 僕は一人じゃないんだ。

 立ち上がった僕は出かける支度をする。

 まだヤキトリがたくさん残っている。

 今日はこれで凌ぐとしよう。

 キッチンにいる僕は収納で作り置きのヤキトリを収納ボックスに入れる。

 すると、眠りから目を覚めたぷるんくんが部屋からこっちに這ってきた。

「あ、ぷるんくん、おはよう」
「ぷりゅん……」
 
 まだ眠いようだ。

「朝ごはん食べる?ヤキトリしかないけど」

 と、ヤキトリ一本を握り込んで腰をかがめぷるんくんに差し出すと、ぷるんくんはヤキトリをじっと見つめてから、急にドヤ顔をしたのち、ヤキトリをぱくついた

「ぷりゅん!!」

 その様子がかわいくて、僕は微笑んだ。

「ははは!気に入ったんだね」
「ぷるるん!」

 ぷるんくんは目を『^^』にして僕を見上げる。

 そんなぷるんくんに僕はまた頭をなでなでしながら

「いっぱい食っておけよ。今日は決闘があるんだ」
「ん!」

 鳥の囀り、差し込む朝日、光を放つ埃の粒々、古い木造住宅の幽玄な匂い。

 全てがいつもの光景だが、

 全てが色鮮やかだ。

 僕はヤキトリを美味しく食べているぷるんくんに鑑定をかける。


ーーーー

名前:ぷるんくん
レベル:777
HP:300,000/300,000
MP:700,000/700,000
属性:全属性(水、力、土、火、風、雷、闇、光、無、治癒)

スキル
攻撃系:溶かし(最上)、スライム弾丸、大砲(最上)、荒れ狂う裁きの稲妻、乾いた大地のマグマ、超音波カッティング、死神の恐怖……(もっと見る)
防御系:防御膜(最上)、クッション(最上)、防御力増加(最上)、ミスリル化……(もっと見る)
その他:自己修復(最上)、スキル封印(最上)、魔力封印(最上)、魔力吸収(最上)……(もっと見る)

称号
最強スライム、スライムの王、女神・ノルンの加護を授かりしもの、ダンジョン破壊者、生きる伝説、人間との約束を守ったもの、もっと見る……

ーーーー

 ぷるんくんが食事を終えると、僕はぷるんくんに今回の決闘について色々話した。


X X X

 放課後
 
 闘技場
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