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第三は試験と謎解き

結果発表

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「綺麗事…ですか?」

「そうよ。
校長にも悪いところがあるから許そうと言う綺麗事も、揉み消すのは悪いことだから処分を下すべきという綺麗事も。」



もし、こんなことが公になってごらんなさい

ある人は校長をこう言うわ、手違いで回ってきたそれを気に入ったからもらったと言う事実には目もくれず『ルネ家から形見を奪った極悪卑劣な人物だ』と。

ある人はこうこう言うわ、形見を返してもらえないと言う事実には目もくれず『あのカリズ・ルネの子孫が、アカデミーの備品を盗んだ』と。

そして、ある人はこう言うのよ…他の生徒や教師に問題がないことには目もくれず『あのアカデミーの生徒は盗みを働き、校長は人格不適合者、あのアカデミーに子供を入れるべきではない』とね。

こんなこと…誰が望む?誰も望まないわ。


「…どんなに理不尽なことでも、そうなったのには必ず理由があるわ。
下手に事件を公開してアカデミーと関係者、ルネ家に余計な印象を持たれないようにこのような処置になったのでしょう?
こんなこと公表して…誰が得するの?誰も得しないわ。」


お金を掠め取ったわけじゃない。
普段の学校運営に問題があるわけでもない。
ただただ悲しい誤解から生まれた、個人間のトラブルでこのままにすれば二者以外被害は出ておりません。


「個人的には遺憾を感じますけれど、あくまで個人間の話。
隠蔽したところで差し支えはありませんわ。」


つまり、私の答えは当時の結論と同じ。
絵画が無事で、校長に絵画を返すなら…この事件は無かったことにする。
生徒の罪も問わない。

彼は、その事件の後も絵画を返してほしいと思っているのに何もしない。
どれだけ悔しいかは理解できる、それでも行動に起こしていないと言うことは…これは彼なりの誠意だ。

なら…何もしない限り不問にするのが正しいと私は思ったのです。

その答えを聞いたハロルドは、にやにやとした笑顔を消し、でも怒ったような表情を浮かべるわけでもなく
意外だとでも言うような少し驚いた表情を私にむけた。


「そう思うのであれば、余計なことは言わなければよかったのに」

「思いついたことはその時に言わないと、後で後悔したくはありませんから。」

「…」


しばらく何か考えを巡らせたのか、ハロルドは目を閉じてしばらく黙った。
そして、数分時間が経つと


「結果は追ってご連絡します。」


と私に言いました。


「最初に謎を解いた人が勝ちなんじゃなくて?」

「そうですよ、しかし最初の一人以外の回答を待たないと言った覚えもありません。」


そう言われてしまっては言うことに従わざるを得ないので、静かに馬車を降りました。

やはり余計なことを言ったのが良く無かったのか、
もしくは何か回答に間違いがあったのか、心配になりましたが…
それから一週間後、邸宅に届いた手紙でその心配はすぐに消えました。


三次試験は、私の勝利で終わったと。


そして、手紙の最後にはこう書かれておりました。



三次試験課題
 
リリー・ライレイニ … 棄権
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