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まずはデートをしませんか?

トライデート2

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連れてこられたのは、城下町で行われている市だった。

城下町では、月に一度くらいのペースで市が開かれ、
民が自分の店の自慢の商品を持ち込み販売する機会が設けられている。

これがそれぞれの地域活性につながるので、王室も積極的に行っている一つの催し物だ。

出店みたいな感じなので、民も貴族もとても気軽にショップングが楽しめる。


「話には聞いておりましたが、見るの初めてですわ。」


城下町には何度か訪れておりましたが、
いつも微妙に時期がずれてしまってこの市がやっている時に訪れることがなかなかできないでおりました。


「高級な店はもう行き慣れてて目新しくはないんじゃないかな?って思って。
それにずっと人がつきっきりで落ち着かないし、親睦を深めるような話もできないから、たまにはこういうのもどうかなって」

確かに、チラッとみただけでも少し買い物したらそれ以上に接してこられることはなさそうですし、
少し離れた場所には買ったものを食べるために設置されたベンチが設置されていた。


なるほど、これなら買い物しながらでも親睦を深めるには十分そうですわね。


「それともローズは、こういうところは、あまりお気に召さないかな?」

「いいえ、私興味がございますわ!ぜひ、回ってみたいです」

そういうと私は早速出店のある方に歩いて行った。


出店の品は、確かに今までみてきた高級なお店のように高価なもの…というわけではなかった。
でも、行ったこともない地域の料理や、見たことのない装飾品、斬新な形の骨董品。

全てが物珍しくてテンションが上がりました。

これはこれで高級品とは別の価値がある。

庶民だけでなく貴族にも人気がある理由がよくわかった。


「何かお気に召すものは?」

「うーん…そうですわね。」

私はキョロキョロとあたりを見回すと、とある雑貨を出しているお店が目についた。

そのお店は木工製品を主に販売していて、木で作られたアクセサリーなども売られていた。


木の枝で組まれ、磨かれた石が嵌め込まれたブローチや腕輪などがずらっと並べられていた。


結構目移りして困ってしまう。
実は前世では雑貨が好きで、木製製品のアクセサリーとか雑貨が結構好きで、
よく買い集めていたのを思い出す。。

ローズに転生して以降は、煌びやかな宝石やアクセサリーしか見る機会はなかったから、
久しぶりにこういうのを見ることができると結構胸が躍る。

「意外ですね、こういったものがお好みだなんて。」

皇太子殿下が私の背後からそう声を掛ける。
私は振り返ることなく返事をする。

「えぇ、こういった素朴なものもとても可愛らしくて好きですわ。
しかもこの木の組まれ方、かなり綿密に組まれていてデザインも凝っていますわ。
このブローチの木の枠や石の彫刻なんで、かなりのこだわりを感じます」

旅行のお土産品とかにしたら、民には人気が出て売れるだろう


「じゃあ、これを買うかい?」

皇太子殿下がそういうと、お店のおばさまは「安くしとくよ」とニコニコと話しかけてきたけれど、


そう言われると私はちょっと悩んでしまった。

とても欲しいものではあるけれど、
残念なことに、これをつけてパーティーには出られない。
デザインは可愛いけれど、派手なドレスと組み合わせると、どんなに可愛らしいアクセサリーもどうも見劣りをしてしまうのだ。

庶民の服になら似合うだろうけど。

アクセサリー以外にも食器や肖像画の枠組みなどもあったけれど
食事で木製のものを使う機会がなければ、肖像画だってレフレイム家に飾るのであればそれなりのものを使わないと浮いてしまう。


木工製品は可愛いのだけれど、可愛ければ使えるかということとはまた別問題だ。



「欲しいけれど、ひとまずは検討するわ。
ちょっとあっちの珍しい食べ物も気になるし」


私はそういうとお店のおばさまに「また来ます」と声をかけ、美味しそうな食べ物を売っている出店に向かった。


皇太子殿下は私より少し遅れて私の後を追ってきた。


食べ物の出店も面白いものばかりで、
普段のディナーやパーティーで見る機会のない食べ物がたくさんあった。

お肉が串に刺さった串焼きや、可愛らしいハート型の果物
野菜がたっぷりなスープ、可愛い形をした子供に人気な菓子パン

それぞれの料理の匂いがそのあたりを充満していてお腹が空いてきた。

とりあえず、串焼きを売っているで店へ向かう。


「へいらっしゃい!なんにします?」

「すごく美味しそうね、これはなんの肉なの?」


それ次第ではちょっと食べてみたいと思ったのだ。

「へい!モナケメモです。」

「?」

「モナケメモです!」

聞いたことのない生き物だ。

そんな肉、この世界に来てから食べたことはおろか、
みたことも聞いたこともない。

確かに、前世と違う名前の生き物や、みたこともない生物…もといモンスターはいる。
でもその名前の生き物は聞いたことがなかった。

「あぁ、民の中ではメジャーな肉ですね、大量に撮れるので重宝しているんですよ。
貴族社会では料理として出されることはまずないので食べる機会がないですし、
清掃も行き届いているので見る機会もないかもしれませんね」

へー掃除が行き渡っていると見る機会がないのね…
なんか…既視感あるわね

「訓練や戦争とかで軍が動くとき、食料ストックがなくなると、
捕まえて食べることもあるのですが、意外にもいけるよ
小動物だから捕まえやすいし。」


……へー…そんなに簡単に捕まえられるのね。


「そのモナケメモって、どんな特徴なの?」

「一度に大量に子供を生んで、20日くらいで死ぬ小動物です。」


あぁ、つまりハツカネズミか。


「買う?」

「いらない。」
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