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一部 4話 見聞するは知りたがり
4ー7 不思議な火災を追う二人
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放課後
なるちゃんについて放課後にやってきたのは図書室だった。
「なんで図書館?」
確かに図書館は情報の宝庫だけど、
最新の情報があるとは思えないし...
「誰が最新の情報を探すって言ったのよ」
「え?」
「まあ付いてきなさいって」
なるちゃんの後をついて図書室に入ると、やってきたのは歴史やら逸話がまとめら れてるコーナーだった。
「ねぇ、もしかしてこの中から探すつもり?」
「そう、最新じゃなくて似たような現象について記載されてる本を探すのよ。
例えばこの辺りとか。」
そう言ってなるちゃんが本棚から取り出したのは妖怪図鑑
適当にペラペラと本をめくると、探していた項目が見つかったのか、
その手を止めて
「この前のあの小動物は...差し詰めこれじゃないかしら」
と私に指をさしながら見せた。
私は指された項目をみる
「えーっと、鎌鼬...?」
その項目にはこのように書かれていた
ー鎌鼬とは、イタチのようなその姿に鎌のような爪を持つ妖怪、つむじ風に乗って 刃物で切ったような鋭い切り傷を人につける。痛みは伴わず血も流れない、一体と して伝えられるものと三位一体として伝えられているものと様々あるー
と。
言われてみればあてはまる部分は多い。
「つまり...黄泉は妖怪を送り込んでる?
だから火の妖怪を調べれば対処方法がわかるかもしれないってこと?」
だとすれば、今後はこの図鑑を制覇すればある程度の対策は取れるかもしれない。
でも妖怪を送り込んでるとは限らないんじゃないだろうか。
だって、黄泉の国って死者の国って言ってたし、妖怪に当てはまるのはこの件だけ...
この前の行方不明は悪霊だって光星くん言ってたし...最初に至っては...あぁでもあ れは夢だったし...どうなんだろう...
「まぁ、違うかもしれないけど、やることないし暇つぶしになるじゃない。
それに 解決策見つかればwinwinだし、調べる価値はあるんじゃないかしら」
「そうだけど、火を出す妖怪ってそこそこいるんじゃない?絞り込める?」
いくつか妖怪はカテゴリに分かれていたけど、火の妖怪はいくつか目につく。
どうやってその中から絞り込むのか...まだ当てはまるのが多いのは素掘り込めばい いだけだけど、どれも当てはまらなかったら...
「どっちにしろ私たちじゃわかんないでしょ、その話光星君に先に話した方がいいんじゃない?」
「そうしたいけどまだ帰ってないんでしょ?
いつ会えるかわかんないし、それに見えたって言ってた人物探しも忙しいだろうし、こっちはこっちでできることしましょう」
そう言うと無言で新しい図鑑を私に渡す。
探せという無言の圧力なのだろう。
仕方ない...確か何もしないのも気持ち悪いし...手伝うか。
私はペラペラと本をめくる。
しかし何十分か調べても、「これだ!」という決定打は見つからない。
妖怪ってわけじゃないんだろうか、もっと広げてみる?
そんなことを考えてると、扉が開く音が聞こえた。
ここは図書室なので、人が来るのは当然で、特に気にも留めなかった。
でもそのあとの声で少しハッとする。
「あい、やっと見つけた!本当にいい加減にしなって。 まだ続けるつもり!?」
水長さんの声だった。
私たちはその声に驚いて、足音のした方に視線を送る。
水長さんに声をかけられたのは土屋さんだった。
自分たちは本棚で死角になってたから気がつかなかったけど、土屋さんの周りには 何冊か本がおいてある、それから察するに私たちより前からここにいたようだ。
「あらやだ、なぁに?喧嘩?」
私達は本棚の隙間から二人の様子を覗き見る
土屋さんが机に地図を広げ、水長さんがなにか怒っていた
「最近あの2人よく一緒にいるよね」
「よくあんなこと一緒にいれるわよね...ちょっと尊敬するわ...」
とりあえずなんの話をしているのかが気になる私たちは、少し休憩も兼ねて人間観 察をしばらく行うことにした。
土屋さんは少しイライラしている様子だ。
「ことちんには関係ないでしょ」
「今までみたいに、学校内で起こったことなら私だってとやかく言わない! でも、あんた最近危険な事件まで首突っ込んで...警察の真似事でもしてるつもり!?」
私はチラッと隣にいる人物を見る。
つい最近似たようなことをしていたからだ。 まぁもっともこっちの場合は安全圏からの操作してる分、自分の足で行動してる彼 女よりは身の危険はないからそういう意味での不安はないけど、まぁ犯罪者になる 可能性はあるから別の意味で怖いけどね、身内の私にも被害及ぶだろうし。
「でもそんな情報でも欲しがる人いたじゃん。なんか間違ってる?」
土屋さんはしれっとそういうと、水長さんは焦っているのか少しきつめの声で訴える
「今回はたまたまそういうのに興味を持った人がいただけ、今後も欲しがる人がい るなんて限らないでしょ、今回みたいな偶然のために...」
「どんな些細な情報も握ってれば利益につながるよ。 みんな物やお金みたいな、目に見える利益にしか注目しないけど、目に見えない情報はすごく価値があるし、危険であればあるほど価値は高い」
「危険と天秤にかけるほど価値!?バカじゃないの!?」
「言っとくけど情報提供はただの副産物、私はただ知りたいだけだよ、情報集めて見えてくる真実に興味があるの」
「その真実が知れたとして、あんたの人生には何にもかわんないでしょ!?」
どんなに相手を心配する言葉を並べても、強い好奇心の前には太刀打ちできない、
土屋さんは調べ物が終わったのか、地図帳を閉じると出口へ向かう
「ちょ!あい!待ちなさいって!」
水長さんは必死に止めようとするけど
「うるさい!ことちんのお節介者!!」
というと扉をバンって閉めて出て行ってしまった。
落胆して肩を落としている水長 さんのその姿は少し痛々しかった。
「...」
その様子を見て、自分たちが声をかけても何か言えることはないだろうと思い、どちらともなくバレないように忍足で元の場所に戻ろうとした。
しかしここでベタな展開。
しゃがんで様子を見ていたなるちゃんは足が痺れてたらしくよろけて本棚にぶつかってしまった。
そんなに大きい音ではなかったけど、シーンと静まった室内ではそれなりに響いた。
音がすると人間気になってしまうものである。
水長さんもそうだったんだろう、音が聞こえたであろう場所、すなわちここに向かって歩いてきた。
「あれ?木下さんと杉野さん?何してるの?」
見つかるまで数秒しかかからなかった、いや別にバレて困るようなことは何もして ないんだけど。
「もしかして...立聞き?」
少し疑いの目を向けられる。
まぁ疑いも何も立ち聞きしちゃった事実に変わりはないんだけど
「ご、ごめん!そういうつもりじゃ... たまたま調べ物があってきてたの。」
「あはは、気にしないでよ、大した話してないし。」
大したはなしじゃない割りにはそれなりの大声だったけど、
「なんかあぶないことにてをだしてるみたいねぇ」
しれっとなるちゃんが同情したようなことを言うけど、警察を盗聴しているあなた がいうべきセリフではない。
「まぁね、そろそろ行きすぎな気がして注意してたの。」
「大変ねぇ...昨日もこんなことしてたわよね?ほっときなさいよ」
「そうなんだけどさ、ほっとけないじゃん。そんでも友達だし」
「...」
言っても聞いてくれない人は世の中にたくさんいる。
そういう人たちに出会った時、人は離れるか、いうこと聞いてるフリをするか、という選択をすることがある。
少なくとも私はそうだし、周りも私に対してそういう対応をしてるだろう。
そしてそう言う対応してる人は、注意することを諦めてる。
でも、この子はちゃんと友達に鬱陶しがられてもちゃんというんだなぁ...命に関わることだからかもしれないけど
「そのお友達あんた振り切ってどっか行っちゃったわよ?放っとくの危険じゃない?」
「そうなんだよね...どうしよっかな。
あそこまで言われたからやめようかなと思って追いかけなかったんだけど」
たしかに、あそこまで言われたらちょっと考えるよね。
「でも、やっぱ追いかけよっかな...行き先だいたいわかるし。
ありがとね、じゃあまた。」
そう言って水長さんは図書室から出て行った、おそらくこのまま土屋さんのところ に行くのだろう。
「自分に危険が及ぶかもしれないのに、健気ねぇ」
水長さんに対して感心しているなるちゃんが、その後ろの机に土屋さんが片付けずに残して行った地図帳が後ろに広がっていることに気がつくのはもう少し後のこと。
なるちゃんについて放課後にやってきたのは図書室だった。
「なんで図書館?」
確かに図書館は情報の宝庫だけど、
最新の情報があるとは思えないし...
「誰が最新の情報を探すって言ったのよ」
「え?」
「まあ付いてきなさいって」
なるちゃんの後をついて図書室に入ると、やってきたのは歴史やら逸話がまとめら れてるコーナーだった。
「ねぇ、もしかしてこの中から探すつもり?」
「そう、最新じゃなくて似たような現象について記載されてる本を探すのよ。
例えばこの辺りとか。」
そう言ってなるちゃんが本棚から取り出したのは妖怪図鑑
適当にペラペラと本をめくると、探していた項目が見つかったのか、
その手を止めて
「この前のあの小動物は...差し詰めこれじゃないかしら」
と私に指をさしながら見せた。
私は指された項目をみる
「えーっと、鎌鼬...?」
その項目にはこのように書かれていた
ー鎌鼬とは、イタチのようなその姿に鎌のような爪を持つ妖怪、つむじ風に乗って 刃物で切ったような鋭い切り傷を人につける。痛みは伴わず血も流れない、一体と して伝えられるものと三位一体として伝えられているものと様々あるー
と。
言われてみればあてはまる部分は多い。
「つまり...黄泉は妖怪を送り込んでる?
だから火の妖怪を調べれば対処方法がわかるかもしれないってこと?」
だとすれば、今後はこの図鑑を制覇すればある程度の対策は取れるかもしれない。
でも妖怪を送り込んでるとは限らないんじゃないだろうか。
だって、黄泉の国って死者の国って言ってたし、妖怪に当てはまるのはこの件だけ...
この前の行方不明は悪霊だって光星くん言ってたし...最初に至っては...あぁでもあ れは夢だったし...どうなんだろう...
「まぁ、違うかもしれないけど、やることないし暇つぶしになるじゃない。
それに 解決策見つかればwinwinだし、調べる価値はあるんじゃないかしら」
「そうだけど、火を出す妖怪ってそこそこいるんじゃない?絞り込める?」
いくつか妖怪はカテゴリに分かれていたけど、火の妖怪はいくつか目につく。
どうやってその中から絞り込むのか...まだ当てはまるのが多いのは素掘り込めばい いだけだけど、どれも当てはまらなかったら...
「どっちにしろ私たちじゃわかんないでしょ、その話光星君に先に話した方がいいんじゃない?」
「そうしたいけどまだ帰ってないんでしょ?
いつ会えるかわかんないし、それに見えたって言ってた人物探しも忙しいだろうし、こっちはこっちでできることしましょう」
そう言うと無言で新しい図鑑を私に渡す。
探せという無言の圧力なのだろう。
仕方ない...確か何もしないのも気持ち悪いし...手伝うか。
私はペラペラと本をめくる。
しかし何十分か調べても、「これだ!」という決定打は見つからない。
妖怪ってわけじゃないんだろうか、もっと広げてみる?
そんなことを考えてると、扉が開く音が聞こえた。
ここは図書室なので、人が来るのは当然で、特に気にも留めなかった。
でもそのあとの声で少しハッとする。
「あい、やっと見つけた!本当にいい加減にしなって。 まだ続けるつもり!?」
水長さんの声だった。
私たちはその声に驚いて、足音のした方に視線を送る。
水長さんに声をかけられたのは土屋さんだった。
自分たちは本棚で死角になってたから気がつかなかったけど、土屋さんの周りには 何冊か本がおいてある、それから察するに私たちより前からここにいたようだ。
「あらやだ、なぁに?喧嘩?」
私達は本棚の隙間から二人の様子を覗き見る
土屋さんが机に地図を広げ、水長さんがなにか怒っていた
「最近あの2人よく一緒にいるよね」
「よくあんなこと一緒にいれるわよね...ちょっと尊敬するわ...」
とりあえずなんの話をしているのかが気になる私たちは、少し休憩も兼ねて人間観 察をしばらく行うことにした。
土屋さんは少しイライラしている様子だ。
「ことちんには関係ないでしょ」
「今までみたいに、学校内で起こったことなら私だってとやかく言わない! でも、あんた最近危険な事件まで首突っ込んで...警察の真似事でもしてるつもり!?」
私はチラッと隣にいる人物を見る。
つい最近似たようなことをしていたからだ。 まぁもっともこっちの場合は安全圏からの操作してる分、自分の足で行動してる彼 女よりは身の危険はないからそういう意味での不安はないけど、まぁ犯罪者になる 可能性はあるから別の意味で怖いけどね、身内の私にも被害及ぶだろうし。
「でもそんな情報でも欲しがる人いたじゃん。なんか間違ってる?」
土屋さんはしれっとそういうと、水長さんは焦っているのか少しきつめの声で訴える
「今回はたまたまそういうのに興味を持った人がいただけ、今後も欲しがる人がい るなんて限らないでしょ、今回みたいな偶然のために...」
「どんな些細な情報も握ってれば利益につながるよ。 みんな物やお金みたいな、目に見える利益にしか注目しないけど、目に見えない情報はすごく価値があるし、危険であればあるほど価値は高い」
「危険と天秤にかけるほど価値!?バカじゃないの!?」
「言っとくけど情報提供はただの副産物、私はただ知りたいだけだよ、情報集めて見えてくる真実に興味があるの」
「その真実が知れたとして、あんたの人生には何にもかわんないでしょ!?」
どんなに相手を心配する言葉を並べても、強い好奇心の前には太刀打ちできない、
土屋さんは調べ物が終わったのか、地図帳を閉じると出口へ向かう
「ちょ!あい!待ちなさいって!」
水長さんは必死に止めようとするけど
「うるさい!ことちんのお節介者!!」
というと扉をバンって閉めて出て行ってしまった。
落胆して肩を落としている水長 さんのその姿は少し痛々しかった。
「...」
その様子を見て、自分たちが声をかけても何か言えることはないだろうと思い、どちらともなくバレないように忍足で元の場所に戻ろうとした。
しかしここでベタな展開。
しゃがんで様子を見ていたなるちゃんは足が痺れてたらしくよろけて本棚にぶつかってしまった。
そんなに大きい音ではなかったけど、シーンと静まった室内ではそれなりに響いた。
音がすると人間気になってしまうものである。
水長さんもそうだったんだろう、音が聞こえたであろう場所、すなわちここに向かって歩いてきた。
「あれ?木下さんと杉野さん?何してるの?」
見つかるまで数秒しかかからなかった、いや別にバレて困るようなことは何もして ないんだけど。
「もしかして...立聞き?」
少し疑いの目を向けられる。
まぁ疑いも何も立ち聞きしちゃった事実に変わりはないんだけど
「ご、ごめん!そういうつもりじゃ... たまたま調べ物があってきてたの。」
「あはは、気にしないでよ、大した話してないし。」
大したはなしじゃない割りにはそれなりの大声だったけど、
「なんかあぶないことにてをだしてるみたいねぇ」
しれっとなるちゃんが同情したようなことを言うけど、警察を盗聴しているあなた がいうべきセリフではない。
「まぁね、そろそろ行きすぎな気がして注意してたの。」
「大変ねぇ...昨日もこんなことしてたわよね?ほっときなさいよ」
「そうなんだけどさ、ほっとけないじゃん。そんでも友達だし」
「...」
言っても聞いてくれない人は世の中にたくさんいる。
そういう人たちに出会った時、人は離れるか、いうこと聞いてるフリをするか、という選択をすることがある。
少なくとも私はそうだし、周りも私に対してそういう対応をしてるだろう。
そしてそう言う対応してる人は、注意することを諦めてる。
でも、この子はちゃんと友達に鬱陶しがられてもちゃんというんだなぁ...命に関わることだからかもしれないけど
「そのお友達あんた振り切ってどっか行っちゃったわよ?放っとくの危険じゃない?」
「そうなんだよね...どうしよっかな。
あそこまで言われたからやめようかなと思って追いかけなかったんだけど」
たしかに、あそこまで言われたらちょっと考えるよね。
「でも、やっぱ追いかけよっかな...行き先だいたいわかるし。
ありがとね、じゃあまた。」
そう言って水長さんは図書室から出て行った、おそらくこのまま土屋さんのところ に行くのだろう。
「自分に危険が及ぶかもしれないのに、健気ねぇ」
水長さんに対して感心しているなるちゃんが、その後ろの机に土屋さんが片付けずに残して行った地図帳が後ろに広がっていることに気がつくのはもう少し後のこと。
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