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一部 1話、白昼照らすは日の光
【1話ー6】現る不思議な道
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「やったわぁー!私の勝ちね!」
あれから少し時間が経ち、場所は変わって中学の校庭。
その人だかりの中心で喜びの声を上げるなるちゃんの姿と、 まさかの敗北で頭を抱える男子二人の姿があった。
一体何があったのか、
少し時間を遡って説明しよう。
結局、私の不安をよそに、なんの問題もなく学校にたどり着いた。
学校にはすでに大勢の生徒たちが校庭に集まっていて、一箇所に人だかりができていた 。
クラス分けが発表されていた。
その様子を見た心矢はぽつりと呟いた
「ねえ、やっぱ賭けやめない?」
私がなんの話かという視線を送ると「そういえばルイちゃん賭け混ざってなかった わね」
と言ってなるちゃんが説明してくれた
「クラス分けどうなるか賭けをしてるのよ、4人がどう分かれるかって。
負けたら勝った方の言う事を聞くの」
あぁ、そういえばなんかさっきもそんな話してたのちょこちょこ聞こえてたような。
心矢はイヤイヤと首を振ってかけの離脱を宣言するも、なるちゃんがそれを認めない。
心矢は巻き込まれたようだ。かわいそうに。
ちなみにこんな感じで賭けたらしい。
なるちゃん→4人一緒
心矢 →誰かしらは一緒
洋太 →全員別クラス
「けど、心矢がかけたの誰かとは同じクラスだろ?全員一緒と全員バラバラの間、 一番有利だと思うけどな」
「あのね洋太くん、世の中確率じゃないのよ、奇跡は起きるのよ!
今年同じクラスなら、4人で10年連続よ!記録更新の奇跡に賭けたいじゃない!」
「4人なら9年だけどな。大体今までは2クラスだったろ、今度は6クラスだろ?無理だと思うけど?」
「だから、その話の決着は二人でつけなよ!僕を巻き込まないで!
ルイも黙ってないでさ、止めてよこの2人!こんな事で賭けなんて良くないと思わない!?」
「そう言われてもねぇ...」
確かにかけをするほどのことでもな気はするけど、おそらくかけを持ちかけたであろうなるちゃんがやる気満々だし... 多分私が何を言ったところでやめないだろう。
それどころか
「あ、そうだ、ルイちゃんも混ざらない?」
やっぱり火の粉が私にまで回ってきた。
こうなるともう止めるどころの話ではない。
結果的に、私も賭けに混ざることとなり、話がまとまった。
ちなみに私は、なるちゃんの奇跡推しに負け、なかなか厳しそうな「4人一緒」だ。
こうしてようやく各々がクラス分けの掲示物を見に行き、自分の名前を探すこととなった。
「えーっと...き...き...ないなぁ...」
まぁすぐには見つからない。
ちなみに私のフルネームは「きのした るい」で、漢字は「木下 涙」と書く。
余談だけど、漢字で名前を書くと「なみだちゃん」と呼ばれてしまうことが多いので、
テストを含めた正式な場以外ではカタカナで「ルイ」って書いてます。
まぁ名前を探す時は苗字基準なので関係ない話だけど。
とりあえず「き」から始まる苗字なので早めに名前を見つけることができた。
ようやく自分の名前を見つけた、4組だ。
ついでに洋太の名前も見つけた、自分の名前の1つ上に書かれてたからだ。
「北義洋太」で同じ「き」だから大体いつも連番なのだ。
「ルイちゃんあった?」
フラフラと人をかき分けながら、なるちゃんが私の元にやってきた。
「あったよ、4組。なるちゃんは?」
「まだよ、えーっと杉野だから、「す」...」
「おーい、あったか?」
なるちゃんが自分の名前を探している最中、今度は洋太が合流した。
「あったよ、洋太も見つけた。4組だって」
「マジ?」
「はいっ!わたしも見つけたわ、4組!これで洋太くんは脱落ね」
それを見るなり、なるちゃんは嬉しそうに肩に手を置きながらそう言った。
その時の洋太はなんとも言えない複雑そうな顔を浮かべていた。
「そう言えば、心矢どこいったの?」
なるちゃんはキョロキョロと辺りを見回した。
「そう言えば...まだきてないね、どこ行ったんだろう」
心矢のフルネームは「有山 心矢」で「あ」だから、一番最初に見つけられそうなも んなんだけど...
すると「ちょっとどいて~」という声が少し遠くから聞こえてきた。 人混みをかき分けてようやく出てきたのは、ちょうど今探していた心矢だった。
「遅かったじゃない、何してたの?」
「あっちの方人多くて、こっちまで来るのに時間かかった。 それよりどう?みんなあった?」
「私と洋太は見つけたよ、二人とも4組」
「あ、お前もあったぞ」
洋太にそう言われてみてみると、 確かに4組の一番上に心矢の名前が書かれていた。
そして賭の結果は
6クラスもある中、4人全員が同じクラスになるという奇跡を起こした。
かくして、喜ぶなるちゃんと今後の身を案じる男子二人の構図がで出来上がった
というのがなるちゃんが賭けに勝って喜んでいた理由と経緯である。
「洋太がクラス替えのことで喧嘩するから...どうするのさ」
「仕方ないだろ、4人全員同じクラスの確率なんてかなり低いから、一番ないと 思ったし
お前こそ一番ありえそうなこと言っときながら外すなよ」
「それは僕の責任じゃないよ!喧嘩始めたそっちが悪い!」
なぜか責任の押し付け合いを始める二人...醜い争いだ。
まぁそんなこと言ってられるのは、私が勝った側だからなんだけど。
「さて...約束だからいうこと聞いてもらわないとね~ 何してもらおうかしら~」
ほくほくと、満足げな笑みを浮かべるなるちゃんに危機感を覚えた二人は、
「そういえば、ルイ保健室行ったほうがいいんじゃない?」
「そうだ、頭打ってんだろ?行ったほうがいいって!」
あからさまに話題の方向転換を行った。
けが人を使って...しかもなるちゃんが無視できない話を使うのは少々卑怯な気はする。
とはいえ、心配してくれてるのは事実だろうからありがたいし、私も返事をしないわけにはいかないか。
「うーん...でも私、特になんともないんだよね...痛みも治って吐き気もないし... 記憶が半日ないくらいだからなぁ...」
「だから、それがまずいっつってんの」
「確かにそうよねぇ...ルイちゃん、付き添ってあげるから保健室行きましょ」
「え、いいよ付き添いなんて...行くなら一人で行くし」
不安そうに私の顔を見つめるなるちゃん。
普通にしてはいたけど、やっぱり怪我させてしまった責任を感じているらしい。 そもそも実感がないのでそこまで罪悪感を与えてしまうのは逆に申し訳ない 本当に大丈夫なんだけど...安心させるために保健室行ったほうがいいかな
「わかったよ、じゃあ保健室行ってくるから、みんなは先に教室行ってて」
「わかった、無理しないでね」
そう呼びかけられて送り出された私は こうして私は一人で保健室にへ向かった
それから保健室について数分
出血コブなし、体調不良もないけど、念のため少し寝てなさいという指示が出た。
やっぱり頭をぶつけたのは、楽観視できるものではないらしい。
お言葉に甘えて今は保健室のベッドの上だ。
「大丈夫なんだけどなぁ」
私は誰にも聞こえない独り言を呟いた。
まだ1日始まったばっかりなのにどっと疲れた、
まぁ、体感時間はなんかもっと長かったような気がする。
昨日の夕方から記憶が繋がってるんだから当然か。
私は他にやることもないので、今朝の出来事を振り返る。
夕方から朝に急に時間は進んでるし、
なかったはずの道や神社はまるで生えたかのように増えてるし
不思議なことばっかだ。
でもきっと、私の記憶がおかしかっただけなんだよね...
これ以上変なこと言って、みんな困らせても行けないし...忘れよ。
そう思って寝返りを打つと、ポケットのあるあたりに何か硬いものが触れた。
私はポケットの中を弄る。
そこにあったのは緑色の勾玉だ。
さっき神社で会った少年が去った後、私の手の中に残ったものだった。
「これ...どうしようかな」
正直こんなの持っててもどうしようもないし、返さなきゃいけないよね。
あそこの神社に行けば会えるかな... その時に返せばいいか。
「...」
あ、いけない...なんかだんだん眠たくなってきた。
そういえば、私自分の記憶では丸一日寝てないことになるんだよね。
実際は寝たんだろうけど、寝た記憶がないって意味で。
...先生も、式の時間には呼びに来てくれるって言ってたし、 寝てもいいって言ってたし...
少しだけ仮眠取ろうかな。
私はふわぁ...とあくびをすると、1分も経たないうちにスヤスヤと眠りに落ちた。
あれから少し時間が経ち、場所は変わって中学の校庭。
その人だかりの中心で喜びの声を上げるなるちゃんの姿と、 まさかの敗北で頭を抱える男子二人の姿があった。
一体何があったのか、
少し時間を遡って説明しよう。
結局、私の不安をよそに、なんの問題もなく学校にたどり着いた。
学校にはすでに大勢の生徒たちが校庭に集まっていて、一箇所に人だかりができていた 。
クラス分けが発表されていた。
その様子を見た心矢はぽつりと呟いた
「ねえ、やっぱ賭けやめない?」
私がなんの話かという視線を送ると「そういえばルイちゃん賭け混ざってなかった わね」
と言ってなるちゃんが説明してくれた
「クラス分けどうなるか賭けをしてるのよ、4人がどう分かれるかって。
負けたら勝った方の言う事を聞くの」
あぁ、そういえばなんかさっきもそんな話してたのちょこちょこ聞こえてたような。
心矢はイヤイヤと首を振ってかけの離脱を宣言するも、なるちゃんがそれを認めない。
心矢は巻き込まれたようだ。かわいそうに。
ちなみにこんな感じで賭けたらしい。
なるちゃん→4人一緒
心矢 →誰かしらは一緒
洋太 →全員別クラス
「けど、心矢がかけたの誰かとは同じクラスだろ?全員一緒と全員バラバラの間、 一番有利だと思うけどな」
「あのね洋太くん、世の中確率じゃないのよ、奇跡は起きるのよ!
今年同じクラスなら、4人で10年連続よ!記録更新の奇跡に賭けたいじゃない!」
「4人なら9年だけどな。大体今までは2クラスだったろ、今度は6クラスだろ?無理だと思うけど?」
「だから、その話の決着は二人でつけなよ!僕を巻き込まないで!
ルイも黙ってないでさ、止めてよこの2人!こんな事で賭けなんて良くないと思わない!?」
「そう言われてもねぇ...」
確かにかけをするほどのことでもな気はするけど、おそらくかけを持ちかけたであろうなるちゃんがやる気満々だし... 多分私が何を言ったところでやめないだろう。
それどころか
「あ、そうだ、ルイちゃんも混ざらない?」
やっぱり火の粉が私にまで回ってきた。
こうなるともう止めるどころの話ではない。
結果的に、私も賭けに混ざることとなり、話がまとまった。
ちなみに私は、なるちゃんの奇跡推しに負け、なかなか厳しそうな「4人一緒」だ。
こうしてようやく各々がクラス分けの掲示物を見に行き、自分の名前を探すこととなった。
「えーっと...き...き...ないなぁ...」
まぁすぐには見つからない。
ちなみに私のフルネームは「きのした るい」で、漢字は「木下 涙」と書く。
余談だけど、漢字で名前を書くと「なみだちゃん」と呼ばれてしまうことが多いので、
テストを含めた正式な場以外ではカタカナで「ルイ」って書いてます。
まぁ名前を探す時は苗字基準なので関係ない話だけど。
とりあえず「き」から始まる苗字なので早めに名前を見つけることができた。
ようやく自分の名前を見つけた、4組だ。
ついでに洋太の名前も見つけた、自分の名前の1つ上に書かれてたからだ。
「北義洋太」で同じ「き」だから大体いつも連番なのだ。
「ルイちゃんあった?」
フラフラと人をかき分けながら、なるちゃんが私の元にやってきた。
「あったよ、4組。なるちゃんは?」
「まだよ、えーっと杉野だから、「す」...」
「おーい、あったか?」
なるちゃんが自分の名前を探している最中、今度は洋太が合流した。
「あったよ、洋太も見つけた。4組だって」
「マジ?」
「はいっ!わたしも見つけたわ、4組!これで洋太くんは脱落ね」
それを見るなり、なるちゃんは嬉しそうに肩に手を置きながらそう言った。
その時の洋太はなんとも言えない複雑そうな顔を浮かべていた。
「そう言えば、心矢どこいったの?」
なるちゃんはキョロキョロと辺りを見回した。
「そう言えば...まだきてないね、どこ行ったんだろう」
心矢のフルネームは「有山 心矢」で「あ」だから、一番最初に見つけられそうなも んなんだけど...
すると「ちょっとどいて~」という声が少し遠くから聞こえてきた。 人混みをかき分けてようやく出てきたのは、ちょうど今探していた心矢だった。
「遅かったじゃない、何してたの?」
「あっちの方人多くて、こっちまで来るのに時間かかった。 それよりどう?みんなあった?」
「私と洋太は見つけたよ、二人とも4組」
「あ、お前もあったぞ」
洋太にそう言われてみてみると、 確かに4組の一番上に心矢の名前が書かれていた。
そして賭の結果は
6クラスもある中、4人全員が同じクラスになるという奇跡を起こした。
かくして、喜ぶなるちゃんと今後の身を案じる男子二人の構図がで出来上がった
というのがなるちゃんが賭けに勝って喜んでいた理由と経緯である。
「洋太がクラス替えのことで喧嘩するから...どうするのさ」
「仕方ないだろ、4人全員同じクラスの確率なんてかなり低いから、一番ないと 思ったし
お前こそ一番ありえそうなこと言っときながら外すなよ」
「それは僕の責任じゃないよ!喧嘩始めたそっちが悪い!」
なぜか責任の押し付け合いを始める二人...醜い争いだ。
まぁそんなこと言ってられるのは、私が勝った側だからなんだけど。
「さて...約束だからいうこと聞いてもらわないとね~ 何してもらおうかしら~」
ほくほくと、満足げな笑みを浮かべるなるちゃんに危機感を覚えた二人は、
「そういえば、ルイ保健室行ったほうがいいんじゃない?」
「そうだ、頭打ってんだろ?行ったほうがいいって!」
あからさまに話題の方向転換を行った。
けが人を使って...しかもなるちゃんが無視できない話を使うのは少々卑怯な気はする。
とはいえ、心配してくれてるのは事実だろうからありがたいし、私も返事をしないわけにはいかないか。
「うーん...でも私、特になんともないんだよね...痛みも治って吐き気もないし... 記憶が半日ないくらいだからなぁ...」
「だから、それがまずいっつってんの」
「確かにそうよねぇ...ルイちゃん、付き添ってあげるから保健室行きましょ」
「え、いいよ付き添いなんて...行くなら一人で行くし」
不安そうに私の顔を見つめるなるちゃん。
普通にしてはいたけど、やっぱり怪我させてしまった責任を感じているらしい。 そもそも実感がないのでそこまで罪悪感を与えてしまうのは逆に申し訳ない 本当に大丈夫なんだけど...安心させるために保健室行ったほうがいいかな
「わかったよ、じゃあ保健室行ってくるから、みんなは先に教室行ってて」
「わかった、無理しないでね」
そう呼びかけられて送り出された私は こうして私は一人で保健室にへ向かった
それから保健室について数分
出血コブなし、体調不良もないけど、念のため少し寝てなさいという指示が出た。
やっぱり頭をぶつけたのは、楽観視できるものではないらしい。
お言葉に甘えて今は保健室のベッドの上だ。
「大丈夫なんだけどなぁ」
私は誰にも聞こえない独り言を呟いた。
まだ1日始まったばっかりなのにどっと疲れた、
まぁ、体感時間はなんかもっと長かったような気がする。
昨日の夕方から記憶が繋がってるんだから当然か。
私は他にやることもないので、今朝の出来事を振り返る。
夕方から朝に急に時間は進んでるし、
なかったはずの道や神社はまるで生えたかのように増えてるし
不思議なことばっかだ。
でもきっと、私の記憶がおかしかっただけなんだよね...
これ以上変なこと言って、みんな困らせても行けないし...忘れよ。
そう思って寝返りを打つと、ポケットのあるあたりに何か硬いものが触れた。
私はポケットの中を弄る。
そこにあったのは緑色の勾玉だ。
さっき神社で会った少年が去った後、私の手の中に残ったものだった。
「これ...どうしようかな」
正直こんなの持っててもどうしようもないし、返さなきゃいけないよね。
あそこの神社に行けば会えるかな... その時に返せばいいか。
「...」
あ、いけない...なんかだんだん眠たくなってきた。
そういえば、私自分の記憶では丸一日寝てないことになるんだよね。
実際は寝たんだろうけど、寝た記憶がないって意味で。
...先生も、式の時間には呼びに来てくれるって言ってたし、 寝てもいいって言ってたし...
少しだけ仮眠取ろうかな。
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