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一部 2話 存在気づかす神隠し

【2話ー10】 不思議な鳩はつきまとう

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川の方に歩みを進めた

あの女の子、、、見つかったのかな、、、

しばらく歩くと、かわのせせらぎの音と共に
カンッとっかバンッとかいう、かわの音らしからぬ音が聞こえた。

もう少し近づく

するとだんだん光が見えてきた。

私は小走りでそこへ様子を見に行く、

そこで見たのは、神様と女の子の、予想以上の激しい戦いだった

戦況は女の子が優勢。 
傷一つなく、でも虚ろな瞳で、無気味な...4歳児が浮かべるような笑顔ではない顔が浮かべ、
容赦なく、黒い光を使って何度も神様を攻撃した。

 一方神様の方は攻撃をモロに受け、傷もできていた。 攻撃はしているようだけど、当たってなかった。

神様が押されているなんて... 神様って万能なんじゃないの?
ちがう、神様が昨日言ってた、神様だって死ぬって
神様は力使いすぎると..

もしかしたら、だから本気で戦えないんじゃ

「あくれさす!」

女の子がそう叫んだ瞬間、またあの攻撃が出た。

神様の反応が少し遅れた、このままだと逃げるのが間に合わない。

そう思ったら、考える間も無く、体が自然と動いていた。

私は攻撃が当たるスレスレのところで、神様の体を突き飛ばした。
直後にドンっていう音が背後から聞こえた、ギリギリ救出に成功したらしい。
ホッと一息をつくと、神様は困惑した様子でこちらをみていた。

「ルイさ...何で...」

「...さっき助けてくれたお返し...、
あと予想以上にボロボロだから、神様に任せて万一のことあったら、 今度こそ祟られるんじゃないかなって。」

「ありがとうございます、でも安心しないでください、またきます!」

 黒い光の玉はすぐに出来上がり、またこちらに目掛けてそれを投げてきた。
神様は、うまくその黒い光の玉の導線を変えることで攻撃を避け、同時に女の子に何か攻撃を仕掛けた。

キーンという音ともに、女の子の周りに光る膜が現れた
女の子はそこから出ようとしたけど、そこからうまく抜け出せないのか、拳を作り膜から出ようと叩き続けた。

 神様はその様子を見て息を吐くと、言葉をつなげた。

「ひとまずあの子の動きは封じました、少しだけ時間稼げます...今のうち に逃げてください」

「で、でも...」

 「戦うつもりはないのでしょ?
中途半端な気持ちで来ないでください、僕じゃ庇いきれません」 

淡々と私にそう告げる

確かに、女の子を傷つける覚悟は...確かにないけど...
女の子の姿を改めてまじまじと見つめる。

女の子の周りの地面は、攻撃跡がかなり残ってる。
でも体は、傷一つない。

神様はボロボロなのに

...もしかして、わざと攻撃を外した...?
あの子に傷を負わせないように?

「...て」

 ふと、女の子の方から漏れた声が聞こえた。
少し顔を上げて女の子の顔を見る
女の子の虚ろな瞳から、涙が流れていた。

私は神様に話しかける

「さっきはごめん、言いすぎた。
誰かを傷つけて平気なわけないよね」

「今はそんなこと」


「...神様でもこの惨状、私がやったところで勝てるかどうか...
それでも...私も...私でも...誰か助けることはできるかな?」


「...」 

神様には、私の言いたいことを察した。
だから、神様はそう笑顔で私に言った。

「できますよ、だってあなたは神様の...アマテラスの生まれ変わりなんですから。」

その瞬間パァンっと大きな音がなった。

 女の子が自力で膜からの脱出に成功したようだ。 

いつの間にか、涙が消え、その顔には怒りの表情が浮かべられている
そして女の子の手の中にはまた黒い光の玉が出来上がっている、またすぐにでも攻 撃してくるだろう。

時間がない。

今の...神様の言葉を信じよう。


「私、やるよ。どうしたらいい?」

「この前お渡ししたお守りはお持ちですか?
あるなら『天光槍葉』と唱えてください、それで武器が出てきて あなたは戦うことができます。」

お守りと言って昨日貰ったあれか!
よかった、鞄に入れておいて。

私は急いで取り出して腕につける

そして

「『天光槍葉』!」 

そう唱えると、目の前に夢で見たあの槍が出てきた。
一度使ったことがあるとはいえ夢の中での話、現実では初めてだ。



私はグッと力を入れて槍を握った。 その様子を見た神様は私のそでをクイット引っ張っぱる
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