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【四話】異世界での現実
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目を覚ますと異世界の見慣れぬ民宿のベッドの上にいた。
ここからのことを少し割愛して話すと、オレらは目を覚ますまでの間数日間眠っていたらしい。
その間民宿の女将さんが面倒見てくれてたんだけど…
体力が回復した頃に請求書を出された。
当然この世界の通貨なんて持ってないオレらに宿泊代及び看病代が払えるわけもなく
ここで宿泊費を払い終えるまで無賃労働を課せられることとなり、奇しくも異世界スローライフを体験中することとなる。
そして…現在に至る。
「どうせ異世界来たなら…冒険したいんだけどな…」
オレは鍬を地面に叩きつけながらボソリとつぶやく。
それをたまたまそばにいたピーチさんが耳にしてオレに話しかける
「まぁまぁ、結局のところは当初の目的通り家出ができたわけなんですからよかったじゃないですか。」
「いや、確かにまぁ贅沢いう気はないけどさ。
だからと言って、田舎の畑で一生働くなんてまっぴらごめんだぞ」
「そんなに長いことはかからないですって、ほんの数日お世話になっただけなんですから、どんなに長くても一ヶ月は越えないと思いますよ」
「だといいんだけどな…あれを見るとそうも思えないんだよな…」
オレは自分達の反対側にいる二人に顔を向ける
「あんたね、そんだけガタイがよくて体力有り余ってんならね、畑仕事もっと真面目にやんなさいよ!」
「うるせーな!なんで俺がそんなことやんなきゃなんねーんだよ!」
「仕方ないでしょ!一宿一飯の恩義ってもんがあるんだから!」
「頼んでねーんだよ!」
大声で言い合いをしているのは雨姫と白虎だ。
白虎は一応頼まれた作業の現場には来るものの、かったるいとか言って作業はずっとサボっている。
それに見かねた雨姫が常に彼を怒っているというのがここ最近のお決まりパターンだ。
なんかここまでくると学校の教室の男子女子の言い合いとあまり変わらないようにも見えた。
まぁ、それでもこいつらはまだマシかもしれない。
「大体な、俺は良くてなんであいつはサボっても許されんだよ!」
白虎は民宿のテラスでゆっくりティータイムを楽しむツトムの方を指差して叫ぶ。
自分の名前を呼ばれたことで反応を示したツトムは、視線だけを白虎に向けるとその質問に答える。
「失礼な、僕はサボっているわけではありません。
割り振られた仕事が畑仕事ではなく会計だってだけの話です。
みなさんが眠ってからゆっくり作業してますのでご安心を。」
「んな話してねーんだよ!手伝えって言ってんの!」
「自分の仕事もしてないあんたが、偉そうに手伝いを要求できる立場か!」
ツトムに文句を言う白虎の耳を摘む雨姫はこれじゃぁいつまで経っても終わらない!と注意すると
そのまま白虎を持ち場に連れ戻すのだった。
こんな感じで感じで2人はずっと騒ぎツトムは一切仕事をしないのだ。
正直一生終わる気がしない。
おれがため息をつくと、くすくす笑いながらピーチさんは自分の作業をしながら話を続ける。
「でも、なんだかんだ皆さん楽しそうですし、私はこのままこの生活が続いてもいいですけどね。」
「続いてもいいって?田舎での畑仕事が?」
俺は信じられないと言うようにピーチさんの顔を見る。
ピーチさんはそれに対し笑顔で答える
ここからのことを少し割愛して話すと、オレらは目を覚ますまでの間数日間眠っていたらしい。
その間民宿の女将さんが面倒見てくれてたんだけど…
体力が回復した頃に請求書を出された。
当然この世界の通貨なんて持ってないオレらに宿泊代及び看病代が払えるわけもなく
ここで宿泊費を払い終えるまで無賃労働を課せられることとなり、奇しくも異世界スローライフを体験中することとなる。
そして…現在に至る。
「どうせ異世界来たなら…冒険したいんだけどな…」
オレは鍬を地面に叩きつけながらボソリとつぶやく。
それをたまたまそばにいたピーチさんが耳にしてオレに話しかける
「まぁまぁ、結局のところは当初の目的通り家出ができたわけなんですからよかったじゃないですか。」
「いや、確かにまぁ贅沢いう気はないけどさ。
だからと言って、田舎の畑で一生働くなんてまっぴらごめんだぞ」
「そんなに長いことはかからないですって、ほんの数日お世話になっただけなんですから、どんなに長くても一ヶ月は越えないと思いますよ」
「だといいんだけどな…あれを見るとそうも思えないんだよな…」
オレは自分達の反対側にいる二人に顔を向ける
「あんたね、そんだけガタイがよくて体力有り余ってんならね、畑仕事もっと真面目にやんなさいよ!」
「うるせーな!なんで俺がそんなことやんなきゃなんねーんだよ!」
「仕方ないでしょ!一宿一飯の恩義ってもんがあるんだから!」
「頼んでねーんだよ!」
大声で言い合いをしているのは雨姫と白虎だ。
白虎は一応頼まれた作業の現場には来るものの、かったるいとか言って作業はずっとサボっている。
それに見かねた雨姫が常に彼を怒っているというのがここ最近のお決まりパターンだ。
なんかここまでくると学校の教室の男子女子の言い合いとあまり変わらないようにも見えた。
まぁ、それでもこいつらはまだマシかもしれない。
「大体な、俺は良くてなんであいつはサボっても許されんだよ!」
白虎は民宿のテラスでゆっくりティータイムを楽しむツトムの方を指差して叫ぶ。
自分の名前を呼ばれたことで反応を示したツトムは、視線だけを白虎に向けるとその質問に答える。
「失礼な、僕はサボっているわけではありません。
割り振られた仕事が畑仕事ではなく会計だってだけの話です。
みなさんが眠ってからゆっくり作業してますのでご安心を。」
「んな話してねーんだよ!手伝えって言ってんの!」
「自分の仕事もしてないあんたが、偉そうに手伝いを要求できる立場か!」
ツトムに文句を言う白虎の耳を摘む雨姫はこれじゃぁいつまで経っても終わらない!と注意すると
そのまま白虎を持ち場に連れ戻すのだった。
こんな感じで感じで2人はずっと騒ぎツトムは一切仕事をしないのだ。
正直一生終わる気がしない。
おれがため息をつくと、くすくす笑いながらピーチさんは自分の作業をしながら話を続ける。
「でも、なんだかんだ皆さん楽しそうですし、私はこのままこの生活が続いてもいいですけどね。」
「続いてもいいって?田舎での畑仕事が?」
俺は信じられないと言うようにピーチさんの顔を見る。
ピーチさんはそれに対し笑顔で答える
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