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第八話 脅迫(五) ※
しおりを挟む殺意を込めた視線を送っても、この男には傷一つつけられない。
それが屈辱と悔しさとなってレスターの瞳を涙でにじませる。
「今夜は、たくさんそういう顔浮かべてくれよ。今まであんたに傷つけられた分のお返しと思って、さ」
つぷん♡
尻穴に太い指が押しいってくる。
男の味をすでに知っている身体はあっけなく力をゆるめ、迎え入れてしまう。
肉ひだが勝手に男の指に絡みつく。
熱い肉汁をしたたらせるように、体液を男の指にまとわりつかせる。
(だ、め。その奥は――ッ)
お尻を引き締めようとした瞬間、映像から響くドリンとヘンリックの声が奇しくも重なった。
「――好きだよな? 前立腺つぶし」
にゅ――ク、ぢゅぅぅ♡♡♡
指の腹で前立腺を押しつぶされた瞬間、声なき悲鳴が漏れた。
小さな肉茎からとろとろの精液があふれ出し、顔を汚す。
持ち上げられた両足がヘンリックの首の後ろで絡まり、もっと奥までほじってほしいとおねだりする。
(……やだ、ゃだ、やだ、やだ……ッ。私は、王国の誇る大賢者で……もォ、あの頃とは、違う、のに……ィ♡♡)
身体がとめられない。
この数年間、男に一度も抱かれてこなかった身体はヘンリックの指を欲していた。
こんな生ぬるい動きでは全く足りない。
もっとつぶれるくらい強く押して、つまんで、ねじって、いじめてほしい。
そう訴えていた。
「可愛い反応できるじゃん。さすが淫売大賢者さま。じゃあ期待に応えて指増やしてやるよ」
ちゅぷう♡
二本目の指が入ってくる。
吸い付く肉ひだを追い払うように荒々しく尻穴を広げて、二本の指の間に前立腺をはさまれる。
太くて短いドリンの指では一度も届かなかった位置。
カニばさみのように敏感な前立腺を左右からつつかれて腰が浮き上がる。
ずり上がった身体がヘンリックの方に近寄って、もっと激しくしてと腰を揺らす。
「大賢者様の前立腺、チョロくて心配になるな。本番はここからなんだぜ?」
ふぅ、とアナルに息をふきかけられる。
熱い吐息が尻の周囲にかかってこそばゆい。と同時に身体は期待に染まっていく。
アナルに顔を近づけて、この男は一体なにをするのか。
期待にふくらんだ身体は男の指をくわえこんだ肉道を大きくふくらませた。
ぢゅルッ♡ ぢゅるるるるるッ♡♡
指による前立腺いじめ、それに加えて男の口でアナルを口で吸われる。
肉厚な舌が入り込んで、肉ひだの痙攣を楽しむようにじっとりと吸い付いて離れない。
「ァ♡ ァっ♡ 吸うの、らめっ♡ 元に戻っちゃう♡ あのころ、戻りたくない、のに……ッ♡♡」
もうからっぽになったちんちんがそれでもイキたいとばかりに、下腹部に亀頭をこすりつけてくる。
もっとしゃぶってほしいと男の頭を両足でアナルにくっつけようとしてしまう。
己の浅ましい乱れっぷりを数年振りに思い知らされて、レスターは精液と涙でよごれた顔をぐしゃぐしゃにしながら啼き続けた。
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