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後悔 〜親友ver.〜
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圭祐が学校に来なくなって一週間が過ぎた。
クラスの奴は圭祐の存在を忘れ、いつもの様に笑っていた。
俺の横で呑気に喋っている、圭祐をいじめていた奴らも呑気に笑っている。
チラリと圭祐の机へ目をやると、花瓶が萎んだ花と共に置かれていた。先生は何も言わない。怒らない。
面倒事は避けたいんだな…と思った。
クラスが圭祐の存在を忘れて笑う度、俺の心はズキズキと痛み出す。俺が圭祐を追い詰めたんだと考え込むようになった。クラスの奴からは「なんでそんなにアイツに罪悪感抱いてんだよ。俊は何も悪くねーだろ…。当たり前の反応をして拒絶しただけじゃん」と笑って励ましてくるが、その言葉に俺はうんと頷けなかった。
ただ笑ってその場をやり過ごすしか今はできなかった。
放課後、圭祐に思い切ってメールを打とうと思い、携帯を取り出すとクラスの奴らが「ちょっと携帯借りるぞぉ」と言って携帯を取り上げた。
「調べ物か?」
「んー?ちょっとなーwww」
「…早く終わらせろよ」
「おー。…………終わったわーww」
そう言われ、返される携帯。特に何かをいじったという訳でもないのに少しだけ嫌な予感がした。
だが、気の所為だと思い圭祐に「大丈夫か?」とメールを打って送信した。
家に帰り、風呂や食事を済ませて部屋に篭もると携帯を開いた。メール画面には何も届いてなかった。
「返事が来なくても仕方ないか…」と自嘲気味に笑う。俺に振られ、いじめで身も心もボロボロなのかもな…。
圭祐がされた事を想像する。すると心が激しく痛んだ。
俺がこんな事されたら、確実に死を選んだなーーーーー
「まさか……死んで…ない……よな……。」
最悪の事態が予想された。「死」という単語だけで頬から汗がツゥと出てくる。
「まさかな…。圭祐は死んだりしねぇ」
ニュースに自殺の事なんて出てないし、新聞にもそういった記事が載っていない。
………だから、まだ圭祐は生きてる…。
「先生に確認取れば一発で分かるしな…。」
そう呟きながら、カーテンの隙間から零れる夜空を見上げた。
次の日の昼休み、俺は圭祐の生存が気になり職員室へ行った。
「宇江喜先生。」
俺は担任の宇江喜先生の机へと行き、パソコンと睨み合いをしている先生を呼んだ。
「…ん?なんだ落合か、どうしたんだ?」
「圭祐の事について知りたいんですが……。」
「瀬川の事か…。………瀬川がどうしたんだ?」
「一週間以上も学校へ来てないので、どうしたのかなと思い………。」
「あぁ。その事なんだが、親御さんから連絡があって今病院で入院してるそうだ…」
「入院!?!?」思わず大きな声が出てしまった。
「こらっ!ここは職員室なんだから大声あげるな。」
「す…すいません……。なんで圭祐が入院を…」
「そこは俺にも分からん…。見舞いに行ったらどうだ?」
「……俺は見舞いに行けないって知ってますよね?」
「あれだろ?いじめたんだろ?お前らが。」
その他人事のように話す先生に俺はイラついた。
「圭祐が虐められているのを知らんぷりした先生も共犯では?」
「っ…!」
「失礼しました」そう言い、足早に職員室を立ち去る。
教室へと続く廊下を歩いている最中、ずっと圭祐にした事を後悔する。
クラスの奴は圭祐の存在を忘れ、いつもの様に笑っていた。
俺の横で呑気に喋っている、圭祐をいじめていた奴らも呑気に笑っている。
チラリと圭祐の机へ目をやると、花瓶が萎んだ花と共に置かれていた。先生は何も言わない。怒らない。
面倒事は避けたいんだな…と思った。
クラスが圭祐の存在を忘れて笑う度、俺の心はズキズキと痛み出す。俺が圭祐を追い詰めたんだと考え込むようになった。クラスの奴からは「なんでそんなにアイツに罪悪感抱いてんだよ。俊は何も悪くねーだろ…。当たり前の反応をして拒絶しただけじゃん」と笑って励ましてくるが、その言葉に俺はうんと頷けなかった。
ただ笑ってその場をやり過ごすしか今はできなかった。
放課後、圭祐に思い切ってメールを打とうと思い、携帯を取り出すとクラスの奴らが「ちょっと携帯借りるぞぉ」と言って携帯を取り上げた。
「調べ物か?」
「んー?ちょっとなーwww」
「…早く終わらせろよ」
「おー。…………終わったわーww」
そう言われ、返される携帯。特に何かをいじったという訳でもないのに少しだけ嫌な予感がした。
だが、気の所為だと思い圭祐に「大丈夫か?」とメールを打って送信した。
家に帰り、風呂や食事を済ませて部屋に篭もると携帯を開いた。メール画面には何も届いてなかった。
「返事が来なくても仕方ないか…」と自嘲気味に笑う。俺に振られ、いじめで身も心もボロボロなのかもな…。
圭祐がされた事を想像する。すると心が激しく痛んだ。
俺がこんな事されたら、確実に死を選んだなーーーーー
「まさか……死んで…ない……よな……。」
最悪の事態が予想された。「死」という単語だけで頬から汗がツゥと出てくる。
「まさかな…。圭祐は死んだりしねぇ」
ニュースに自殺の事なんて出てないし、新聞にもそういった記事が載っていない。
………だから、まだ圭祐は生きてる…。
「先生に確認取れば一発で分かるしな…。」
そう呟きながら、カーテンの隙間から零れる夜空を見上げた。
次の日の昼休み、俺は圭祐の生存が気になり職員室へ行った。
「宇江喜先生。」
俺は担任の宇江喜先生の机へと行き、パソコンと睨み合いをしている先生を呼んだ。
「…ん?なんだ落合か、どうしたんだ?」
「圭祐の事について知りたいんですが……。」
「瀬川の事か…。………瀬川がどうしたんだ?」
「一週間以上も学校へ来てないので、どうしたのかなと思い………。」
「あぁ。その事なんだが、親御さんから連絡があって今病院で入院してるそうだ…」
「入院!?!?」思わず大きな声が出てしまった。
「こらっ!ここは職員室なんだから大声あげるな。」
「す…すいません……。なんで圭祐が入院を…」
「そこは俺にも分からん…。見舞いに行ったらどうだ?」
「……俺は見舞いに行けないって知ってますよね?」
「あれだろ?いじめたんだろ?お前らが。」
その他人事のように話す先生に俺はイラついた。
「圭祐が虐められているのを知らんぷりした先生も共犯では?」
「っ…!」
「失礼しました」そう言い、足早に職員室を立ち去る。
教室へと続く廊下を歩いている最中、ずっと圭祐にした事を後悔する。
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