君がくれた日常

青ムギ

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病院

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カーテンを締切った部屋で、ベッドに横になりボーッとする。

何も考えたくない…。

時折、母さんからドアを叩かれるが答える気力が無く、無視をする。机に置いてある携帯がピコンと音を立てるが見る気力もない。このまま、ずっとこうしていたい。

もう数日程学校へ行っていないが、母さんや父さんはその事について触れてこなかった。
「無理に行く必要も無いさ」と父さんからドア越しに言われた時は嬉しかったが、それと同時に呆れられていると感じた。



「いっ……!」
殴られたかの様な痛みに、思わずお腹を抑える。
ここ最近、腹痛が続き夜ご飯などが喉を通らない。腹痛薬を母さんや父さんに内緒で飲んでいるが、なかなか痛みが治まらない。痛いあまり涙が出てくる。
 ただの腹痛にしては、尋常ではない。

机の上に置いてある携帯に手を伸ばし、母さんに電話をする。
 何コールか後にプツッと母さんが出た。
「……もしもし?どうしたの?」
「か…あさん……。腹……が……」
途切れ途切れに母さんに要件を伝えると、母さんは救急車を呼んでくれた。
 数十分後に救急車のサイレンが聞こえてくる。
俺は、腹の痛みに堪えきれず気を失ってしまった。


















ーーーー「……ん」
目を覚ますと、真っ白な天井が視界に入る。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッと一定の音が横で聞こえてくる。
「病院……。」
腕に点滴を刺され、ゆっくりと体を起こす。窓から差し込む光が眩しくて思わず目を細める。
 そういえば、お腹の痛みが引いてる……。
あの腹痛は何だったんだろうと思っていると、部屋の扉が開かれ、父さんと母さんが入ってきた。

「「圭祐!」」

父さんと母さんが俺に気づくと、抱きついて来た。
「…良かった!!」
母さんは泣きながら俺の肩に顔を埋めた。
「心配したんだぞ!」
父さんはいつもと違って、少し疲れた顔をしていた。

「……心配かけて…ごめんなさい。」
父さんと母さんに心配かけていた事を素直に謝る。


それから暫くして、母さんが俺の腹痛の原因について話してくれた。
「胃潰瘍……?」
聞き慣れない名前に首を傾げた。
「えぇ、ストレスが原因で起こる病気なの…。」
「ストレス……。…治らないの?」
「もちろん治るわよ?……でも、入院中はお腹の痛みが続くと思うの。」
「そうなんだ…。」

痛いのは嫌いだけど、仕方ないな…。自分のせいで起こしてしまったんだし…。我慢しよう。

「早く治るよう頑張らなくちゃね」と作り笑いで母さんと父さんに告げる。

「「………。」」

2人は下を俯いていて、表情が読めなかった。
「……?」
どうしたんだろうと思っていると、母さんが口を開いた。
「佳祐…」
「?」
「あなた…学校でいじめられてない?」
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