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01.都合の悪いことは全部ウソ*
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【別れるなんて嘘に決まってるでしょ?な自信満々な攻め×本気で別れたい受け】
出会った頃の彼は、すごく優しい先輩だった。本来は後輩がやるべき雑用も「俺たちも使ってるんだからさ」と言って一緒にやってくれて、その上実力もある完璧な先輩。
みんな彼のことが大好きだったから、そんな彼の唯一になれた時は本当に嬉しかった。
しかし、恋人になると途端に性格が豹変する人がいるというのが迷信ではないと知った時、僕の恋心は無残にも砕け散ってしまった。
「俺のものになったんだから他の奴と遊びに行っていいわけねぇだろ」
「へぇー、俺への返信は遅いくせに友達にはすぐ返事返すんだ。俺のことナメてんの?」
彼はいわゆる束縛魔だったのだ。
しかも泣き落としてくるタイプではなく、怒りとして表出してくるタイプの。
最初の頃は愛されている証として受け取っていたけれど、だんだんと嫌になってきてしまった。小さなことで怒ってくる恋人の先輩は、もう僕が好きな優しい先輩ではなかった。
だから決意したのだ。
「先輩。僕、先輩と別れたい」
「……は?」
先輩は突然何を言い始めたのかと思っているのだろう。強い圧の「は?」に気後れしそうになりながらもこう続ける。
「先輩のことは大好きだったけど、今は付き合ってて苦しい。僕は友達も大切にしたいし、もう縛られるのは嫌なんだ。だから、別れてほしい」
すんなりと別れられるなんて思っていない。今までの執着からして、一悶着あるのは分かっていた。
「それは、誰に言わされてんの?」
しかし、まさか本心だとすら思われないのは想定外だった。
「言わされてなんかない。自分で決めたことだよ」
「そんなわけないでしょ。お前が俺のこと大好きなのは俺が一番知ってるんだから。あぁ、それとも俺の愛を試してる? 悪い子だなぁ、そんなことしなくてもいつも態度に表してるつもりなのに」
あ、ダメだ。まともに取り合ってもらえない。彼のペースに飲み込まれたら負けなのに、どんな言葉なら受け取ってもらえるかが分からなくて黙ることしかできない。
「ね、嘘なんでしょ? だとしても傷ついたからお仕置きね」
彼の家なんかじゃなくて、人目の多いところで話し始めればよかった。そんな後悔をしても、もう遅い。
「嘘でも言えないようにしてやるよ」
獰猛に笑った彼は、僕をベッドの上に押し倒した。
「んんっ、っ、あっ」
息継ぎの隙も与えないようなキスが思考を奪っていく。別れ話をしなければならないと思ってはいるのに、体が「もう少しだけこの人と居てもいいんじゃない?」と語りかけてくる。それくらい彼とのセックスに虜になっている自覚はあった。
「はぁっ……。今日は気絶するまで気持ちよくなろうね」
ぼーっとしているうちにベルトが外されて、下半身が外気に晒される。ベッドの傍らにあったローションに彼が手を伸ばして、何度も使いこまれたそこへと液体を塗りたくった。そうなれば僕もスイッチが入ってしまって、気持ち良いことしか考えられなくなる。
「やっ、そこだめぇ……!」
「ダメじゃないでしょ。ほんと今日は嘘吐くの好きだね」
気持ちよくて何も考えられなくなるから本当にやめてほしいのに、相変わらず彼は僕の話を聞いてくれない。ダメと言った場所をわざとらしく何度も攻められて、苦しいほどの快楽が押し寄せてくる。
「あんっ。もうダメっ、イっちゃう……!」
「……あーあ、もうイっちゃったの? こんなに気持ちいいことが好きなんだから、もう俺とは別れらんないよ。欲求不満で泣いちゃうかもね」
違う。これは生理現象なだけで、決して僕が自分から望んでいることじゃない。そう言ってやりたいのに、たしかに体が作り替えられていっている自覚もあった。
「乳首もこんなに硬くなっちゃってさ。こんな変態、他の人だったらドン引いちゃうよ?」
彼と付き合うようになって、ただでさえセックスをするようになったのに、1人でスる回数も増えるようになった。しかも普通のオナニーじゃなくて、胸や後ろを使ったやつじゃないと満足できなくなっていた。
彼と別れたら、これからも抱かれる自分を想像して惨めに1人でシなきゃいけないんだろうか。
いや、性欲を重視して恋人関係を続けるなんて……。そんな理性が働こうとしたとき、お尻にピタリと硬いものが触れるのを感じた。
「今日は俺のでいーっぱい突いてあげる」
「ひぃ、あぁっ!」
ナカが拡がる感覚に一瞬だけ息が止まって、でもその後に気持ちよさが押し寄せてくる。こうなってしまえばもう、理性なんてなかったも同然だ。
「んっ、ふぅっ、んんっ」
彼の動きに合わせて声が漏れる。口が塞がれて、溶けた脳がさらにとろけていく。
とろけた脳では、楽な方へ楽な方へと思考が流れる。
まだ嘘にしていてもいいかも、なんて彼の罠にまんまとハマってしまうのだ。
出会った頃の彼は、すごく優しい先輩だった。本来は後輩がやるべき雑用も「俺たちも使ってるんだからさ」と言って一緒にやってくれて、その上実力もある完璧な先輩。
みんな彼のことが大好きだったから、そんな彼の唯一になれた時は本当に嬉しかった。
しかし、恋人になると途端に性格が豹変する人がいるというのが迷信ではないと知った時、僕の恋心は無残にも砕け散ってしまった。
「俺のものになったんだから他の奴と遊びに行っていいわけねぇだろ」
「へぇー、俺への返信は遅いくせに友達にはすぐ返事返すんだ。俺のことナメてんの?」
彼はいわゆる束縛魔だったのだ。
しかも泣き落としてくるタイプではなく、怒りとして表出してくるタイプの。
最初の頃は愛されている証として受け取っていたけれど、だんだんと嫌になってきてしまった。小さなことで怒ってくる恋人の先輩は、もう僕が好きな優しい先輩ではなかった。
だから決意したのだ。
「先輩。僕、先輩と別れたい」
「……は?」
先輩は突然何を言い始めたのかと思っているのだろう。強い圧の「は?」に気後れしそうになりながらもこう続ける。
「先輩のことは大好きだったけど、今は付き合ってて苦しい。僕は友達も大切にしたいし、もう縛られるのは嫌なんだ。だから、別れてほしい」
すんなりと別れられるなんて思っていない。今までの執着からして、一悶着あるのは分かっていた。
「それは、誰に言わされてんの?」
しかし、まさか本心だとすら思われないのは想定外だった。
「言わされてなんかない。自分で決めたことだよ」
「そんなわけないでしょ。お前が俺のこと大好きなのは俺が一番知ってるんだから。あぁ、それとも俺の愛を試してる? 悪い子だなぁ、そんなことしなくてもいつも態度に表してるつもりなのに」
あ、ダメだ。まともに取り合ってもらえない。彼のペースに飲み込まれたら負けなのに、どんな言葉なら受け取ってもらえるかが分からなくて黙ることしかできない。
「ね、嘘なんでしょ? だとしても傷ついたからお仕置きね」
彼の家なんかじゃなくて、人目の多いところで話し始めればよかった。そんな後悔をしても、もう遅い。
「嘘でも言えないようにしてやるよ」
獰猛に笑った彼は、僕をベッドの上に押し倒した。
「んんっ、っ、あっ」
息継ぎの隙も与えないようなキスが思考を奪っていく。別れ話をしなければならないと思ってはいるのに、体が「もう少しだけこの人と居てもいいんじゃない?」と語りかけてくる。それくらい彼とのセックスに虜になっている自覚はあった。
「はぁっ……。今日は気絶するまで気持ちよくなろうね」
ぼーっとしているうちにベルトが外されて、下半身が外気に晒される。ベッドの傍らにあったローションに彼が手を伸ばして、何度も使いこまれたそこへと液体を塗りたくった。そうなれば僕もスイッチが入ってしまって、気持ち良いことしか考えられなくなる。
「やっ、そこだめぇ……!」
「ダメじゃないでしょ。ほんと今日は嘘吐くの好きだね」
気持ちよくて何も考えられなくなるから本当にやめてほしいのに、相変わらず彼は僕の話を聞いてくれない。ダメと言った場所をわざとらしく何度も攻められて、苦しいほどの快楽が押し寄せてくる。
「あんっ。もうダメっ、イっちゃう……!」
「……あーあ、もうイっちゃったの? こんなに気持ちいいことが好きなんだから、もう俺とは別れらんないよ。欲求不満で泣いちゃうかもね」
違う。これは生理現象なだけで、決して僕が自分から望んでいることじゃない。そう言ってやりたいのに、たしかに体が作り替えられていっている自覚もあった。
「乳首もこんなに硬くなっちゃってさ。こんな変態、他の人だったらドン引いちゃうよ?」
彼と付き合うようになって、ただでさえセックスをするようになったのに、1人でスる回数も増えるようになった。しかも普通のオナニーじゃなくて、胸や後ろを使ったやつじゃないと満足できなくなっていた。
彼と別れたら、これからも抱かれる自分を想像して惨めに1人でシなきゃいけないんだろうか。
いや、性欲を重視して恋人関係を続けるなんて……。そんな理性が働こうとしたとき、お尻にピタリと硬いものが触れるのを感じた。
「今日は俺のでいーっぱい突いてあげる」
「ひぃ、あぁっ!」
ナカが拡がる感覚に一瞬だけ息が止まって、でもその後に気持ちよさが押し寄せてくる。こうなってしまえばもう、理性なんてなかったも同然だ。
「んっ、ふぅっ、んんっ」
彼の動きに合わせて声が漏れる。口が塞がれて、溶けた脳がさらにとろけていく。
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