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歪んだ愛
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「……その婚約は認めないわッ!!」
「ア、アリエル……どうしてこのお屋敷に!」
驚いた。
そこには泥と血に塗れたアリエルがいた。服はボロボロで傷も多い、なんとかして逃げ出してきたのね。
「ミランダ、あなたこそどうして生きているの! あの時、確かに息が止まっていたはず……!」
「エドウィン様の愛のおかげで蘇生できたんです」
「はぁ!? 愛!? なにそれ……! もういいわ、今度こそあんたを殺してやるッ!!! 完全に息の根を止めてやるッ!!!」
手にナタを持つアリエルは、そのまま悪魔の形相で向かってくる。けれど、執事のキャリバンが体当たりをしてアリエルを吹き飛ばした。
「きゃぁ……!」
「い、今です。エドウィン様、ミランダ様……お逃げ下さい!! ぐあぁ!!」
キャリバンは、アリエルのナタの餌食となってしまった。……なんて事を。
「このクソジジイ! 邪魔するんじゃないわよ!! さあ、ミランダ……あんたの手も足も斬り落としてやるわ!」
発狂するアリエルだけど、エドウィン様は顔を歪めた。キャリバンがあんな無惨に殺されて穏やかでいられるはずがない。わたくしも同じ気持ちだ。
「よ、よくもキャリバンを!! アリエル、もう絶対に許さないぞ」
「あぁ、エドウィン。わたしのエドウィンお兄様。大丈夫、今すぐにミランダを引き裂いて、貴方をわたしのモノにしますからねっ」
ナタを引き摺りながら向かってくるアリエル。その口元は歪み、目も充血。なんて恐ろしい子なの……! こんな歪んだ愛は、愛ではない。
もはや狂気でしかない。
「ア、アリエル……どうしてこのお屋敷に!」
驚いた。
そこには泥と血に塗れたアリエルがいた。服はボロボロで傷も多い、なんとかして逃げ出してきたのね。
「ミランダ、あなたこそどうして生きているの! あの時、確かに息が止まっていたはず……!」
「エドウィン様の愛のおかげで蘇生できたんです」
「はぁ!? 愛!? なにそれ……! もういいわ、今度こそあんたを殺してやるッ!!! 完全に息の根を止めてやるッ!!!」
手にナタを持つアリエルは、そのまま悪魔の形相で向かってくる。けれど、執事のキャリバンが体当たりをしてアリエルを吹き飛ばした。
「きゃぁ……!」
「い、今です。エドウィン様、ミランダ様……お逃げ下さい!! ぐあぁ!!」
キャリバンは、アリエルのナタの餌食となってしまった。……なんて事を。
「このクソジジイ! 邪魔するんじゃないわよ!! さあ、ミランダ……あんたの手も足も斬り落としてやるわ!」
発狂するアリエルだけど、エドウィン様は顔を歪めた。キャリバンがあんな無惨に殺されて穏やかでいられるはずがない。わたくしも同じ気持ちだ。
「よ、よくもキャリバンを!! アリエル、もう絶対に許さないぞ」
「あぁ、エドウィン。わたしのエドウィンお兄様。大丈夫、今すぐにミランダを引き裂いて、貴方をわたしのモノにしますからねっ」
ナタを引き摺りながら向かってくるアリエル。その口元は歪み、目も充血。なんて恐ろしい子なの……! こんな歪んだ愛は、愛ではない。
もはや狂気でしかない。
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