さようなら、わたくしの騎士様

反撃開始

　三日後。
　久しぶりに我が家に帰り、妹のマイナが亡くなったと聞き、わたくしは衝撃を受けた。互いに嫌っていたとはいえ、こんな事態になってしまえば少しは悲しみを覚えた。

「どうして……」

　バルザックは「証拠はありませんが、ヴァレリア様と一緒にいるところを目撃した者がおりました」と自信なさげに言った。

　いえ、ヴァレリアの仕業で間違いないわ。
　子供の頃にしか会ったことがなく、今の成長した姿は見たことがないけれど……あの女は、わたくしをも殺そうとした。

　なら、可能性はかなり高い。


「許せない。嫌いだったけど……でも、それでも」
「お嬢様……」


　お父様は悲しみに暮れ、書斎にこもってしまった。

　数日後には葬儀が。
　粛々と行われ――ルドラが「ヴァレリアはこの私が倒す」と言ってくれた。


「お願いします、ルドラ様」
「ガウェイン騎士団の団長としての責務を果たす」

　わたくしも妹の仇を打つために動かねばならないと思った。
　だから、自分は自分で騎士団、他の騎士団や街の人に聞き込みを行った。

　すると、ヴァレリアが国内のある伯爵家のお世話になっている情報が入った。通りでラングフォード家には誰もいないと思った。
　もぬけの殻だったから。

　でも、場所は突き止めた。

　あとは作戦を立てて、ヴァレリアを追い詰める――！