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進む婚約の話と妹の嫌がらせ

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 突然のことに胸の動悸どうきが治まらない。もちろん、良い意味で。
 正直、ローウェルを失ってから寂しさを覚えていた。

 妹は地味な嫌がらせをしてくるし、ルドラがついてくれるのなら、わたくしとしても嬉しい。
 きっと守ってくれる、そんな気がした。

 海のように川のように落ち着いた視線を送ってくるルドラ。

「どうかな」
「……光栄です。あとはお父様のお許しがあれば」

「分かった。私からも話してみるつもりだ」

 きっとお父様も理解してくれる。
 ローウェルのことでは、大変憤慨ふんがいしていたと聞く。
 それは恐ろしい形相で騎士団長を問い詰めていたとか。

 話がまとまった中で、扉をノックする音が響く。

 開けてみると、そこには執事のバルザックの姿が。手元にはティーセットが。


「お嬢様、お紅茶でございます」
「ありがとう、バルザック」

「ところで、マイナ様ですが……」
「マイナがどうかしたの?」

「ええ……実は」


 バルザックは言いにくそうにして、けれど、恐ろしいことを口にした。

 ……マイナ、わたくしとルドラの仲を引き裂こうとする気……!?
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