オレたちが制作した恋愛ゲームの世界に転生したから人生イージーモードと思っていたのに……

 おいっす。オレの名前は高杉 望(たかすぎ のぞむ)
 オレは東京は三鷹市にある、とある小規模ゲームメーカーの社員で、高校生の青春をテーマにした、携帯端末向けの恋愛ゲームを制作していたんだ。
 いたんだけど、もうすぐ完成って時に近場で火事が発生しちゃって、オレはそれに巻き込まれて死んでしまったんだ。
 他の皆がどうなったかは、わからないけど。
 それで、これもお約束って事なのかどうかわかんないが、オレは前世の記憶を若干残しつつ、前世と同じ名前と容姿でもって、異世界に転生したんだ。
 その異世界ってのが、ファンタジー世界やSFチックな世界じゃなくて、オレたちが制作していたゲームの世界と、ほとんど同じ世界だったんだ。
 黒髪や茶髪だけではなく、赤や青、緑に黄色といったカラフルな髪色が普通で、瞳の色も同じく多様に存在している。
 転生後にオレが通う事になった高校には、オレのような中肉中背の平凡な男子の方が珍しいぐらいで、見た目が小学生の可愛らしいショタ系男子や、そこらの女子顔負けの綺麗系女装男子がいるし、女子の方でも、スレンダー系女子やグラマー系女子なんかが普通で、ロリ系女子にイケメン系女子なども存在している。
 ファッションなんかも、前世とは違っていて、クラスの女子のスカートの長さなんて、階段の下から見上げたら下着が見えそうってぐらい短いし、シャツのボタンも上を一つ二つ外して、わざとかと思ってしまうように胸の谷間がチラ見できる感じにしていたり、オレにとっては、まぁ眼福だ。
 まぁ、そんな世界を作ったのがオレたちな訳だから、今度のオレの人生は、モテモテの勝ち組確定だと信じて疑わなかったのだが……。
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