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アルフレッドに手を引かれフィリーラは、宿屋の部屋の前までたどり着いた。立ち止まったアルフレッドは、部屋のドアを開けてフィリーラを中へと連れ込み、扉が閉まると同時に抱きしめた。
「頑張ったわねフィリーちゃん」
「アルフレッド……っ~~ふ、ふぇ~~ん」
「よしよし、良い子ねフィリーちゃん。」
「わだじ、、ずざんなよりも、、ずっと、、まえからずきだっだののぃ~~~」
「えぇ、知ってるわ。フィーちゃんがラキッドをすきだったのわ。私によく相談してたものぉ」
フィリーラは、ラキッドへの気持ちをアルフレッドに相談していた。なぜ同性のスザンナではなく彼だったのか。それは、彼の喋り方と格好が原因だった。
アルフレッドは、綺麗な紫紺の髪を編み込んでサイドに流し綺麗な髪飾りをつけている。服装は、中性的な男性も女性も着れる服をオシャレに着こなし、化粧した顔は綺麗ですれ違った老若男女誰もが振り返るほどだ。
女性よりも男性に声をかけられ、男性と嬉しそうに話していた所をフィリーラは見て思ったのだ。アルフレッドは、きっと心が女の子なのだ!と。だからこそ、自分磨きをして他人に対して興味が無いスザンナよりもアルフレッドに相談した。
「うぅ~~」
「今日は、沢山泣いて泣いて全部出しちゃいましょ?」
「~っ、ぅん」
「よしよし~」
アルフレッドは、フィリーラの背中を優しくトントン叩きながらフィリーラの話を聞いていた。そして、フィリーラが泣き疲れて眠るとベッドにフィリーラを寝かせ額に口付けを落とす。
「フィーちゃん、大丈夫。俺はずっとそばにいるよ…」
フィリーラの安らかな寝息を聞きながら、アルフレッドは微笑んで部屋から出ていった。
*
次の日、フィリーラは目覚めると瞼が重かった。顔を洗おうと鏡を見たら目は腫れぼったくなっていて、髪はグチャグチャだ。
「最悪…これだと泣いたって誰にも分かっちゃうわ」
顔を洗い終えた後、魔法で目を冷やした。髪はグチャグチャだが、今日は部屋から出るつもりは無い。
「はぁ……」
フィリーラは昨日、泣き疲れて寝てしまった。アルフレッドはフィリーラが落ち着くまでそばにいてくれた。きっと、泣き疲れて眠ってしまったフィリーラをベッドへ運んだのはアルフレッドだろう。
「あとでお礼言わないとなぁ」
ベッドにごろんと転がると今までの事を思い出す。ラキッドに色々と助けて貰って、ラキッドを好きになって、ラキッドとパーティーを組んで、ラキッドの代わりにツケ払いをした店に謝りに行って…………
「待って、ろくなことないじゃん」
ラキッドは、毎日のように娼館に通い、口説いた女の子とデートしてお金が無い場合はツケ払いをしていた。で、そのツケ払いをフィリーラは払い頭を下げていた。
「なんで私好きだったんだろう……」
お金にだらしない、女にもだらしないら弓は引く姿は美しかいがそれ以外は酷いものだ。
「今考えると告白しなくてよかった?」
散々、相談に乗って応援して励ましてくれたアルフレッドには申し訳ないが告白しなくてよかったとフィリーラは心から思ったのだった。
トントンとドアを叩く音にフィリーラは目覚めた。寝っ転がって色々と考えていたフィリーラは、寝ていたようだ。
「だあれ…?」
目を擦りながら寝ぼけた声で問いかけると聞きなれた声が扉からした。
「フィーちゃーん?起きてるぅ?」
「!アルフレッド!」
「失礼するわねぇ~」
扉からニッコリ笑顔のアルフレッドが入ってきた。彼の手には紙と袋が握られていた。それをじぃーとフィリーラが眺めてると「あぁ、これねぇ」とアルフレッドが机の上に紙と袋を置いた。
「この紙はパーティー解散の申請書ね。で、この袋はパーティー資金を計算してフィーちゃんの取り分よ」
「パーティー解散申請書……」
「フィーちゃん?大丈夫??解散するの辞める?」
アルフレッドは心配そうにフィリーラの顔を覗き込んだ。フィリーラはアルフレッドに心配かけないように「大丈夫よ」と微笑んで紙に名前を書いた。
「これでパーティー解散だね」
「そぉね……あ、そうそうパーティー資金だけど私が4、フィリーちゃんが4、ラキッド2、スザンナ2で分配しといたわ~」
「ラキッドとスザンナが2?普通なら4人で分配だよね?」
「実はね、ラキッドとスザンナ、お金が無くなるとパーティーで立て替えてたのぉ。フィーちゃんがラキッドの代わりに払ってたツケもちゃんと精算しといたわよ」
「そうなのね……ありがとう。アルフレッド」
「どういたしましてぇ~」
アルフレッドは、ニコニコしながらフィリーラの頭を撫でた。
「頑張ったわねフィリーちゃん」
「アルフレッド……っ~~ふ、ふぇ~~ん」
「よしよし、良い子ねフィリーちゃん。」
「わだじ、、ずざんなよりも、、ずっと、、まえからずきだっだののぃ~~~」
「えぇ、知ってるわ。フィーちゃんがラキッドをすきだったのわ。私によく相談してたものぉ」
フィリーラは、ラキッドへの気持ちをアルフレッドに相談していた。なぜ同性のスザンナではなく彼だったのか。それは、彼の喋り方と格好が原因だった。
アルフレッドは、綺麗な紫紺の髪を編み込んでサイドに流し綺麗な髪飾りをつけている。服装は、中性的な男性も女性も着れる服をオシャレに着こなし、化粧した顔は綺麗ですれ違った老若男女誰もが振り返るほどだ。
女性よりも男性に声をかけられ、男性と嬉しそうに話していた所をフィリーラは見て思ったのだ。アルフレッドは、きっと心が女の子なのだ!と。だからこそ、自分磨きをして他人に対して興味が無いスザンナよりもアルフレッドに相談した。
「うぅ~~」
「今日は、沢山泣いて泣いて全部出しちゃいましょ?」
「~っ、ぅん」
「よしよし~」
アルフレッドは、フィリーラの背中を優しくトントン叩きながらフィリーラの話を聞いていた。そして、フィリーラが泣き疲れて眠るとベッドにフィリーラを寝かせ額に口付けを落とす。
「フィーちゃん、大丈夫。俺はずっとそばにいるよ…」
フィリーラの安らかな寝息を聞きながら、アルフレッドは微笑んで部屋から出ていった。
*
次の日、フィリーラは目覚めると瞼が重かった。顔を洗おうと鏡を見たら目は腫れぼったくなっていて、髪はグチャグチャだ。
「最悪…これだと泣いたって誰にも分かっちゃうわ」
顔を洗い終えた後、魔法で目を冷やした。髪はグチャグチャだが、今日は部屋から出るつもりは無い。
「はぁ……」
フィリーラは昨日、泣き疲れて寝てしまった。アルフレッドはフィリーラが落ち着くまでそばにいてくれた。きっと、泣き疲れて眠ってしまったフィリーラをベッドへ運んだのはアルフレッドだろう。
「あとでお礼言わないとなぁ」
ベッドにごろんと転がると今までの事を思い出す。ラキッドに色々と助けて貰って、ラキッドを好きになって、ラキッドとパーティーを組んで、ラキッドの代わりにツケ払いをした店に謝りに行って…………
「待って、ろくなことないじゃん」
ラキッドは、毎日のように娼館に通い、口説いた女の子とデートしてお金が無い場合はツケ払いをしていた。で、そのツケ払いをフィリーラは払い頭を下げていた。
「なんで私好きだったんだろう……」
お金にだらしない、女にもだらしないら弓は引く姿は美しかいがそれ以外は酷いものだ。
「今考えると告白しなくてよかった?」
散々、相談に乗って応援して励ましてくれたアルフレッドには申し訳ないが告白しなくてよかったとフィリーラは心から思ったのだった。
トントンとドアを叩く音にフィリーラは目覚めた。寝っ転がって色々と考えていたフィリーラは、寝ていたようだ。
「だあれ…?」
目を擦りながら寝ぼけた声で問いかけると聞きなれた声が扉からした。
「フィーちゃーん?起きてるぅ?」
「!アルフレッド!」
「失礼するわねぇ~」
扉からニッコリ笑顔のアルフレッドが入ってきた。彼の手には紙と袋が握られていた。それをじぃーとフィリーラが眺めてると「あぁ、これねぇ」とアルフレッドが机の上に紙と袋を置いた。
「この紙はパーティー解散の申請書ね。で、この袋はパーティー資金を計算してフィーちゃんの取り分よ」
「パーティー解散申請書……」
「フィーちゃん?大丈夫??解散するの辞める?」
アルフレッドは心配そうにフィリーラの顔を覗き込んだ。フィリーラはアルフレッドに心配かけないように「大丈夫よ」と微笑んで紙に名前を書いた。
「これでパーティー解散だね」
「そぉね……あ、そうそうパーティー資金だけど私が4、フィリーちゃんが4、ラキッド2、スザンナ2で分配しといたわ~」
「ラキッドとスザンナが2?普通なら4人で分配だよね?」
「実はね、ラキッドとスザンナ、お金が無くなるとパーティーで立て替えてたのぉ。フィーちゃんがラキッドの代わりに払ってたツケもちゃんと精算しといたわよ」
「そうなのね……ありがとう。アルフレッド」
「どういたしましてぇ~」
アルフレッドは、ニコニコしながらフィリーラの頭を撫でた。
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