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第一章
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☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:リカルド
アレンと、約束した。このスタンピードが終わったら、結婚しようと、お願いだ、と。
竜人は、生まれてから一人しか愛せない。アレンが、必死に俺にすがる姿を見て、絆されたともいう。
お願いだ、ケガをしないで無事に帰ってきてくれ、と願わずにはいられない。
どれだけ、願ったところでSランクのアレンと共に出陣はできない。足手まといにしかならないからだ。
あぁ、どれほど無力を感じているか、アレンには分からないだろう。それでも、自分に出来る事をするしかない。
スタンピード自体は、オーガが途中で起きて、魔法を使ってくれたことから、当初の想定よりも被害は少なく、オーガの契約獣たちも役立ってくれた。
それでも、人は死ぬし、けが人も出る。
どれだけの被害を出しても、それだけの被害で良かったと思うしかない。
誰がどれだけ悲しんだとしても。こういう時、亡くなった者の家族が責めるのは、その亡くなった者の近くにいた人や、ランクの高い冒険者、ギルドマスターなどだ。
人の死は平等に訪れるとしても、受け入れられないのが人間の心というものだろう。
スタンピードの最後の一匹が討伐され、すべてが落ち着いたところで、俺はアレンを探す。
戻ってきた冒険者たちのどこにもアレンが見当たらない。どこに行ったのか、と王都の入り口付近の怪我人たちをスライムや他の者たちに任せて走る。
何処にいるのか、と。
走って、走って、誰かにぶつかりそうになりながらも、走ってアレンを探す。
「アレン、アレン……」
そう、アレンの名前を呟くように。
あの、金糸が、目立たないはずはないのに。
ひゅっ、と息を飲む。まさか、と。
そんなはずはない、と思っていても自然と俯き、涙が年甲斐もなく目じりに浮かんだ。
そんな俺の前で、小さく門が音を立てて開く。
ばっ、と顔を上げれば血だらけではあるが、間違えようもない、アレンの姿。
「あ、あれ……アレンっ」
「お、どうした?りかる、ど……?」
ぼろっとあふれた涙は止まらない。これが番と言う事なのだろうか?魂が震えるという事なのだろうか?
アレンが、帰ってきた、それが嬉しい。
俺に回された腕は片方だけで、片側の腕はだらりと下がっている。
何故、と見てみれば腕はついているものの、ダラダラと血が流れた跡があった。竜人ゆえに治癒力は人間と比べ物にならないのだけれど、それでも回復できない怪我を負ったという事だ。
それを感じ、ぼろぼろと涙があふれて止まらなくなる。
「生きてて、良かった……」
心から、そう思う。涙声で聞こえも悪いだろうけれど、言わずにはいれなかった。
「お前は……俺のつがいなんだな」
「最初からそう言ってるだろう?俺たち竜人が番を間違えるはずがない。リカルド、俺の大事な唯一無二」
人間は鈍感すぎる、とアレンは朗らかに笑う。
抱きしめられ、ぼそぼそと他には聞こえないだろう声で囁かれる。
「えっ……」
「俺の真名。リカルドにやるよ」
竜に近い竜人のアレンは、本来の名前のほかに真名を持っている。真名は、自分の両親か伴侶しか知らない特別なもの。
真名を知られれば、相手に隷属し、また、真名を交換することが竜の婚姻となる。
諸刃の剣を、リカルドに渡されるとは思っても見なかった。
「リカルド……好きだ、ずっと、ずっと好きなんだ……俺と、俺たちが生きられる最後まで、輪廻転生するとしてもその先まで、ずっと一緒にいてくれ」
「……重すぎるだろう」
「そうだ、竜人の求愛は重たいんだよ……受け入れてくれ」
「あぁ……」
見られていることも忘れ、抱きしめあう。
だが、それは目立つことはなかった。だって、周りではそういうカップルや夫婦であふれていたのだから……。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:レティ
スタンピードが終わりをつげ、ふぅ、と息を吐くと、あ、と腕を掴まれて、引っ張られた。
人型になった紫電だ。
「何よ、突然レディの腕を掴まないで頂戴」
ぱんっ、と紫電の手を払い落す。
ちっと舌打ちをする紫電。
あぁ、気に入らわないわ。でも、オーガちゃんが倒れてしまっている今、紫電も私も虫かごの中には帰れない。
はぁ、とため息を吐くと、レティ、と低い声で呼ばれる。
何よ、とにらみつければ、睨むように紫電もこちらを見ていた。
「どうしたら、俺のものになる?」
「私はオーガちゃんの契約獣よ。というか、使役されてるあなたに言われたくないわ」
ふんっ、と鼻を鳴らし顔をそむけると、肩を掴まれた。
もう、何なのよっ!とにらみつけると、いらいらとしている紫電の顔とぶち当たる。
「俺の子を産んでくれ」
「嫌よ。なんで私より弱いやつの子を産まなきゃいけないの」
魔獣の最高のプロポーズだったとしてもお断りだわ。
誰が弱いオスの子を産みたいと思うものですか。
けど、紫電は諦めてはないみたい。
はぁ、とため息を吐く。それなら、相手してあげるとお店のオーガちゃんの部屋へと紫電を連れて飛ぶ。
ベッドに押さえつけられて、興奮している紫電にはっ、と鼻で笑う。
「誰がそちら側に回ることを許したというのかしら?」
魔法で紫電を拘束して、不愉快な紫電の下から抜け出す。
「ぐっ、なっ!」
「だ、れ、が、抱かれてあげるなんて言ったかしら?」
全くこの駄犬は、と肩を竦めて見せる。
後ろ手に縛られた状態で、でかい図体してベッドに転がっている姿には少し笑えるわ。
「私はねぇ、相手をしてあげると言ったのよ。勘違いしないで頂戴」
馬鹿ねぇと笑いながらその体にまとわりついている服を脱がしていく。
この服はオーガちゃんが特別に作ったものだから、破いたら怒られるもの。
出てきた白い肌に、そっと指を滑らせる。しっとりとしていて、触り心地は悪くない。
魔獣である私たちは死に目に会うような傷以外はすべて治ってしまうから、体に古傷なんて残ってはいない。
紫電の陰茎に手を伸ばすと、びくりと震える。だが、この状況に委縮しているのかなかなか固くはならない。
まぁいいわ、とそこから手を離すと、自分のストレージより取り出した、シジュウの蜜を紫電の後孔へと垂らす。
シジュウの蜜は透明で、はちみつほどの粘度はないにしても、それなりに滑る。ONIの世界でもよくこうして潤滑油として使われていた植物の蜜。
シジュウ、とは主従から来ている。そう、蜜を垂らした本人に隷属するように、体が火照り止まらなくなるそういう蜜。
ある意味、尋問なんかにも使われたりしていたわ。
「……ぁっ」
甘い匂いで分かったのか、紫電の体が硬くなる。
取り込まないように穴をぎゅっと締め付けているみたいだけど、無駄ね。
蜜を手に取り、穴に刷り込むように指を動かす。
撫でるたびに、紫電の体はびくっ、びくっ、と跳ねてとうとう入り口がほころんでくる。
綻びを逃さず、するり、と指を一本差し込むと、異物感にかしら?ぎゅうぎゅうに指を締め付けてきた。
「ぅ……ぁっ、ぅぅ……」
流石に文句も言えないみたい。
好きだといった私相手に、雷を放つこともできないみたいね。
まぁ、私に雷は効かないけど。
ムチムチしてる尻の肉を撫でて揉んであげれば、涙目でにらまれてちょっとぞくぞくしちゃったわ。
蜜をつけて指を出し入れしていると、ゆっくりとほころんできて、同時に居れたり出したりするたびに体が震えている。
少し奥まで指を入れてぐるりと中で指を回す。
「ひっぃ、ぁっあっ!」
いいところに当たったみたいで、声が大きくなった。
オスの本能としてはとってもいい気分よ。
自分で出した声に驚いたみたいで、慌ててシーツをかみしめているわ。
まぁ、声を我慢するのはいいけど……。
と私は中の指を二本に増やす。
「ひっ、ひろげるなぁっ!!」
「あら?いい色してるわよ?赤くて、おいしそうだわ」
肉食である私たちにとって、それはとってもそそる色。
中をこの口で味わえない代わりに、むっちりとしているお尻にがぶっと噛みつく。
痛みに、中が締まり、紫電はうめいたけど、同時にびくびくと体が跳ねたのを私は見逃していない。
ぺろり、と牙についた血をなめると、捕食の気分を味わえて最高。
「ぁーっ、ぁーっ!」
狭くなったそこを無理に指を動かして刺激を与えると、陰茎がフルフルと揺れた。
ぼたぼたとシーツに落とす先走りに、ふふっ、と笑いが漏れる。
「あはっ、早漏ねぇ……こんな粗ちんで私が満足できるわけないじゃない」
見れば、いつの間に言っていたのか、白濁が紫電の腹とシーツを汚していた。魔獣は、中の感度が人間よりいい。それは、魔獣は人間たちと違ってオスもメスも関係なく交尾をするからよ。
強ければ種を、弱ければ卵をそうして交われば子供が生まれる。中の感度が悪く、最悪死ぬような事態にならないようにという種の本能。
あーあ、と内心汚したことをオーガちゃんに申し訳なくなるけど、汚してしまったものは仕方がないもの、とふっきっる。
「種の本能だとでも言うつもりかしら?言い訳ねぇ……」
「れ、てぃ……」
涙目の紫電は、だけどまだギラギラした目をしていて、諦めていないことをうかがわせる。
全くしぶといんだから、と思わなくはないけれど。
「弱いアンタが悪いのよ」
締め付ける力に逆らって、中を広げ、もう一本差し入れる。
ずるり、と飲み込まれていった指に、紫電の背中がわななく。
シーツをかみしめている唇から、伝う唾液が紫電の快楽を伝えていた。
ばらばらに指を動かし、良いところをこすり、出し入れを繰り返す。
綻ぶ穴は、挿入をしてもいいと伝えるようにひくひくとしているけれども、強情な紫電を見ていると意地悪をしたくなってくる。
「……ぁっ、な、なんで……」
「ふふっ、何処まで耐えきれるのかしら?」
三本の指が抜け、少したってもう一度指を差し入れたとき、困惑したような顔で紫電は振り返る。
そんな紫電ににっこりと笑えば、目を見開かれた。
「れ、れてぃっ、れてぃっ!!」
中で暴れる指に、中が熱く、そして疼き始めてきたのだろう。
紫電はその巨体を震わせ、私の名を呼ぶ。
だけど、最後の一線が超えられないのか、それを言えばメスに落ちると思っているのか、肝心なことは言わない。
だから、私も入れてあげない。どれだけ疼こうとも。
「あっ、あぁ……っ、んぅっ……あ、ぁあっ!!」
途中から、腕を縛っている魔法で陰茎も縛り上げれば、出せなくなった熱が体の中で暴れているのだろう、大きな声すら上げ始めた。
子供たちもいることだし、と防音魔法を展開することにした。全く、感謝してほしいわとため息を吐く。
出さずにイって、何度目になるかしら?指がいい加減ふやけてきたとき。
「アっ、も、もうっ」
「もう何よ?言いたいことがあるなら言いなさいよね」
「っ、っいれ……いれ、ろっ!」
ふっ、と笑ってぐりぐりと感じる場所をえぐると、ひどい声を出してイク。
「それが頼みごとをする態度かしら?なってないわねぇ」
「―――っ!!……ぁ、れ、れてぃ、いれ、アッ、いれて、くださっ、アァっ!!」
「いい子ねぇ、そう。頼みごとをするには、下手に出ないとね?」
ふふっ、と笑いながら紫電の中から指を内壁をこすり上げながら抜き出す。
ついでに、腕の拘束だけ外し、ごろり、とうつ伏せから仰向けに紫電の体を転がすと、紫電はとろん、とした目で粗い息を吐き、それでも辛うじてレティを見ていた。
「れてぃ……」
小さく名前を呼んで、私にしびれているだろう手を伸ばしてくる紫電に思わず笑ってしまう。
「あなた、本当に私が好きなのねぇ……困った子だわ」
紫電の痴態で固くなっていたモノを、ひくつく穴へと合わせる。
ピタピタとキスをするように付けては離したりするたび、耐えきれない、と言うように腰が揺れた。
伸ばしてきた紫電の手が、私の肩を掴み、しがみつく。
穴に合わせて、ぐっと力を入れれば、かなりの時間慣らしたそこは、するりと一物を飲み込んでいく。
亀頭を飲み込み、締め付けるように穴が締まる。
いい穴ねぇ、とレティは思いながらゆっくりゆっくりと焦らす様に進んでいく。
「んっ、ンっ!はっ、アァっ!」
「そう、良い子ねぇいい子。私のものをうまく呑み込んでいるわ」
動くたびに、疼きが解消され、余計に奥が疼くようになるのか、ぼろぼろと涙を流しながら紫電は首を振ったりして快楽を逃がそうとしている。
亀頭球の前まで入れると、紫電の最奥までたどり着く。はぁ、と流石に息を吐く。
慣れるまで少し待ってあげようとして、ふと片方の手が肩から外れていることに気が付く。
「ン……ははっ、レティのだ……」
入ってる、と嬉しそうに下腹部を撫でて言うから、ため息しか出ない。
呆れて、じゃない。煽られて、だ。
待ってあげようかと思ったけれど、やめよやめ。
ずるり、と引き出せば、紫電の腰が揺れた。
「アァっ!!ンンっ……は、ぁ、ンーーーっ!!」
引き出し、少し入り口付近で内壁をいじめて、奥へと押し入る。
ゴリゴリと奥を虐められるのも好きみたいで、涙を流しながら、気持ちよさそうに体を震わせていた。
「ァ……、ンン……」
意地悪して、入り口付近を執拗に弄れば、ぎゅっと私のものを締め付けながら、腰をもじもじと揺らして何か言いたげにこっちを見てる。
欲しいの?というように少しずつ奥に行きながら、ぐぽぐぽと抜き差しを繰り返せば、口を開く。
「お、おく、おくちょうだいっ、レティ……ンアアッ!!」
奥に言われたとおりに突っ込めば、ハクハクと口を動かす癖に目はとろけて、まるで満たされているようにも見える。
全く、と最奥をごつごつと掘れば、奥が開いてくるのが感覚で分かった。
もう、自分が何をされているかも分かってない紫電は、幸せそうにあえいでいるだけ。
ぐりぐりと押し付けていれば、もう少しで全部入りそうだと口角を上げる。
やはり、亀頭球まで入れてなんぼでしょ?とそこまで頑張ることにする。
「アッ、アッ、アッ……なっ、にぃ……?あ……、ンっ」
行くわよ、と声をわざわざかけてあげれば、戸惑うような視線が刺さる。
にっこりと笑って勢いをつけて、奥を破るように突き入れた。
目を見開いて、衝撃に口を開いた紫電は、それでも声が出ないのか、はっ、はっ、と息をするだけ。
強い締め付けに、ぷっくりと膨れた亀頭球。
「くっ……」
奥の亀頭を包み込むような刺激に耐え切れず、出す。
確実にメスを孕ますための生殖器は、射精が終わるまで亀頭球がしぼむこともなく、出す時間も長い。
奥の奥に出された紫電は、衝撃から意識が返ってくると、首を左右に振って信じられないというように自分の腹を見ている。
がっちりとしがみ付いて、出し終わる半分の時間ぐらいで、ぷつり、と意識を飛ばしてしまった。
私としても、もう少しぐらい付き合ってほしかったけれど、叩き起こしてまで交尾するなんてそんな鬼じゃないわ。
しばらくして、出し終わると、ふぅ、と息を吐いてから中から引き出す。
その刺激にもびくびくと体が震えるから、もう一度盛りたくなっちゃう。
中に出した精液は、奥に出しすぎたのか、垂れてくるということはない。
だが……。
「ぽっかり空いちゃったわねぇ、可愛いわ」
後孔はぽっかりと開き、閉じ切らない。
淵を撫でれば、びくびくと体が震え、逃げるように腰を振った。
無意識下とはいえ、良い体だわぁ、と捕食者の目線になる。
「ふっ、ふふ……色々な意味で腹立つ存在だった、け、ど……、メスとしては優秀そうじゃない」
そうして、そっと私の種の入った下腹部を撫でる。
いい発見をしたわ。
まぁ、好きになるにはまだまだ先になりそうだけど……今まで見たいに無下には扱わないようにするわ。
が、これ以降紫電はレティから逃げ回るようになる。
結局捕食されるのだが……それはまた、別のお話。
side:リカルド
アレンと、約束した。このスタンピードが終わったら、結婚しようと、お願いだ、と。
竜人は、生まれてから一人しか愛せない。アレンが、必死に俺にすがる姿を見て、絆されたともいう。
お願いだ、ケガをしないで無事に帰ってきてくれ、と願わずにはいられない。
どれだけ、願ったところでSランクのアレンと共に出陣はできない。足手まといにしかならないからだ。
あぁ、どれほど無力を感じているか、アレンには分からないだろう。それでも、自分に出来る事をするしかない。
スタンピード自体は、オーガが途中で起きて、魔法を使ってくれたことから、当初の想定よりも被害は少なく、オーガの契約獣たちも役立ってくれた。
それでも、人は死ぬし、けが人も出る。
どれだけの被害を出しても、それだけの被害で良かったと思うしかない。
誰がどれだけ悲しんだとしても。こういう時、亡くなった者の家族が責めるのは、その亡くなった者の近くにいた人や、ランクの高い冒険者、ギルドマスターなどだ。
人の死は平等に訪れるとしても、受け入れられないのが人間の心というものだろう。
スタンピードの最後の一匹が討伐され、すべてが落ち着いたところで、俺はアレンを探す。
戻ってきた冒険者たちのどこにもアレンが見当たらない。どこに行ったのか、と王都の入り口付近の怪我人たちをスライムや他の者たちに任せて走る。
何処にいるのか、と。
走って、走って、誰かにぶつかりそうになりながらも、走ってアレンを探す。
「アレン、アレン……」
そう、アレンの名前を呟くように。
あの、金糸が、目立たないはずはないのに。
ひゅっ、と息を飲む。まさか、と。
そんなはずはない、と思っていても自然と俯き、涙が年甲斐もなく目じりに浮かんだ。
そんな俺の前で、小さく門が音を立てて開く。
ばっ、と顔を上げれば血だらけではあるが、間違えようもない、アレンの姿。
「あ、あれ……アレンっ」
「お、どうした?りかる、ど……?」
ぼろっとあふれた涙は止まらない。これが番と言う事なのだろうか?魂が震えるという事なのだろうか?
アレンが、帰ってきた、それが嬉しい。
俺に回された腕は片方だけで、片側の腕はだらりと下がっている。
何故、と見てみれば腕はついているものの、ダラダラと血が流れた跡があった。竜人ゆえに治癒力は人間と比べ物にならないのだけれど、それでも回復できない怪我を負ったという事だ。
それを感じ、ぼろぼろと涙があふれて止まらなくなる。
「生きてて、良かった……」
心から、そう思う。涙声で聞こえも悪いだろうけれど、言わずにはいれなかった。
「お前は……俺のつがいなんだな」
「最初からそう言ってるだろう?俺たち竜人が番を間違えるはずがない。リカルド、俺の大事な唯一無二」
人間は鈍感すぎる、とアレンは朗らかに笑う。
抱きしめられ、ぼそぼそと他には聞こえないだろう声で囁かれる。
「えっ……」
「俺の真名。リカルドにやるよ」
竜に近い竜人のアレンは、本来の名前のほかに真名を持っている。真名は、自分の両親か伴侶しか知らない特別なもの。
真名を知られれば、相手に隷属し、また、真名を交換することが竜の婚姻となる。
諸刃の剣を、リカルドに渡されるとは思っても見なかった。
「リカルド……好きだ、ずっと、ずっと好きなんだ……俺と、俺たちが生きられる最後まで、輪廻転生するとしてもその先まで、ずっと一緒にいてくれ」
「……重すぎるだろう」
「そうだ、竜人の求愛は重たいんだよ……受け入れてくれ」
「あぁ……」
見られていることも忘れ、抱きしめあう。
だが、それは目立つことはなかった。だって、周りではそういうカップルや夫婦であふれていたのだから……。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:レティ
スタンピードが終わりをつげ、ふぅ、と息を吐くと、あ、と腕を掴まれて、引っ張られた。
人型になった紫電だ。
「何よ、突然レディの腕を掴まないで頂戴」
ぱんっ、と紫電の手を払い落す。
ちっと舌打ちをする紫電。
あぁ、気に入らわないわ。でも、オーガちゃんが倒れてしまっている今、紫電も私も虫かごの中には帰れない。
はぁ、とため息を吐くと、レティ、と低い声で呼ばれる。
何よ、とにらみつければ、睨むように紫電もこちらを見ていた。
「どうしたら、俺のものになる?」
「私はオーガちゃんの契約獣よ。というか、使役されてるあなたに言われたくないわ」
ふんっ、と鼻を鳴らし顔をそむけると、肩を掴まれた。
もう、何なのよっ!とにらみつけると、いらいらとしている紫電の顔とぶち当たる。
「俺の子を産んでくれ」
「嫌よ。なんで私より弱いやつの子を産まなきゃいけないの」
魔獣の最高のプロポーズだったとしてもお断りだわ。
誰が弱いオスの子を産みたいと思うものですか。
けど、紫電は諦めてはないみたい。
はぁ、とため息を吐く。それなら、相手してあげるとお店のオーガちゃんの部屋へと紫電を連れて飛ぶ。
ベッドに押さえつけられて、興奮している紫電にはっ、と鼻で笑う。
「誰がそちら側に回ることを許したというのかしら?」
魔法で紫電を拘束して、不愉快な紫電の下から抜け出す。
「ぐっ、なっ!」
「だ、れ、が、抱かれてあげるなんて言ったかしら?」
全くこの駄犬は、と肩を竦めて見せる。
後ろ手に縛られた状態で、でかい図体してベッドに転がっている姿には少し笑えるわ。
「私はねぇ、相手をしてあげると言ったのよ。勘違いしないで頂戴」
馬鹿ねぇと笑いながらその体にまとわりついている服を脱がしていく。
この服はオーガちゃんが特別に作ったものだから、破いたら怒られるもの。
出てきた白い肌に、そっと指を滑らせる。しっとりとしていて、触り心地は悪くない。
魔獣である私たちは死に目に会うような傷以外はすべて治ってしまうから、体に古傷なんて残ってはいない。
紫電の陰茎に手を伸ばすと、びくりと震える。だが、この状況に委縮しているのかなかなか固くはならない。
まぁいいわ、とそこから手を離すと、自分のストレージより取り出した、シジュウの蜜を紫電の後孔へと垂らす。
シジュウの蜜は透明で、はちみつほどの粘度はないにしても、それなりに滑る。ONIの世界でもよくこうして潤滑油として使われていた植物の蜜。
シジュウ、とは主従から来ている。そう、蜜を垂らした本人に隷属するように、体が火照り止まらなくなるそういう蜜。
ある意味、尋問なんかにも使われたりしていたわ。
「……ぁっ」
甘い匂いで分かったのか、紫電の体が硬くなる。
取り込まないように穴をぎゅっと締め付けているみたいだけど、無駄ね。
蜜を手に取り、穴に刷り込むように指を動かす。
撫でるたびに、紫電の体はびくっ、びくっ、と跳ねてとうとう入り口がほころんでくる。
綻びを逃さず、するり、と指を一本差し込むと、異物感にかしら?ぎゅうぎゅうに指を締め付けてきた。
「ぅ……ぁっ、ぅぅ……」
流石に文句も言えないみたい。
好きだといった私相手に、雷を放つこともできないみたいね。
まぁ、私に雷は効かないけど。
ムチムチしてる尻の肉を撫でて揉んであげれば、涙目でにらまれてちょっとぞくぞくしちゃったわ。
蜜をつけて指を出し入れしていると、ゆっくりとほころんできて、同時に居れたり出したりするたびに体が震えている。
少し奥まで指を入れてぐるりと中で指を回す。
「ひっぃ、ぁっあっ!」
いいところに当たったみたいで、声が大きくなった。
オスの本能としてはとってもいい気分よ。
自分で出した声に驚いたみたいで、慌ててシーツをかみしめているわ。
まぁ、声を我慢するのはいいけど……。
と私は中の指を二本に増やす。
「ひっ、ひろげるなぁっ!!」
「あら?いい色してるわよ?赤くて、おいしそうだわ」
肉食である私たちにとって、それはとってもそそる色。
中をこの口で味わえない代わりに、むっちりとしているお尻にがぶっと噛みつく。
痛みに、中が締まり、紫電はうめいたけど、同時にびくびくと体が跳ねたのを私は見逃していない。
ぺろり、と牙についた血をなめると、捕食の気分を味わえて最高。
「ぁーっ、ぁーっ!」
狭くなったそこを無理に指を動かして刺激を与えると、陰茎がフルフルと揺れた。
ぼたぼたとシーツに落とす先走りに、ふふっ、と笑いが漏れる。
「あはっ、早漏ねぇ……こんな粗ちんで私が満足できるわけないじゃない」
見れば、いつの間に言っていたのか、白濁が紫電の腹とシーツを汚していた。魔獣は、中の感度が人間よりいい。それは、魔獣は人間たちと違ってオスもメスも関係なく交尾をするからよ。
強ければ種を、弱ければ卵をそうして交われば子供が生まれる。中の感度が悪く、最悪死ぬような事態にならないようにという種の本能。
あーあ、と内心汚したことをオーガちゃんに申し訳なくなるけど、汚してしまったものは仕方がないもの、とふっきっる。
「種の本能だとでも言うつもりかしら?言い訳ねぇ……」
「れ、てぃ……」
涙目の紫電は、だけどまだギラギラした目をしていて、諦めていないことをうかがわせる。
全くしぶといんだから、と思わなくはないけれど。
「弱いアンタが悪いのよ」
締め付ける力に逆らって、中を広げ、もう一本差し入れる。
ずるり、と飲み込まれていった指に、紫電の背中がわななく。
シーツをかみしめている唇から、伝う唾液が紫電の快楽を伝えていた。
ばらばらに指を動かし、良いところをこすり、出し入れを繰り返す。
綻ぶ穴は、挿入をしてもいいと伝えるようにひくひくとしているけれども、強情な紫電を見ていると意地悪をしたくなってくる。
「……ぁっ、な、なんで……」
「ふふっ、何処まで耐えきれるのかしら?」
三本の指が抜け、少したってもう一度指を差し入れたとき、困惑したような顔で紫電は振り返る。
そんな紫電ににっこりと笑えば、目を見開かれた。
「れ、れてぃっ、れてぃっ!!」
中で暴れる指に、中が熱く、そして疼き始めてきたのだろう。
紫電はその巨体を震わせ、私の名を呼ぶ。
だけど、最後の一線が超えられないのか、それを言えばメスに落ちると思っているのか、肝心なことは言わない。
だから、私も入れてあげない。どれだけ疼こうとも。
「あっ、あぁ……っ、んぅっ……あ、ぁあっ!!」
途中から、腕を縛っている魔法で陰茎も縛り上げれば、出せなくなった熱が体の中で暴れているのだろう、大きな声すら上げ始めた。
子供たちもいることだし、と防音魔法を展開することにした。全く、感謝してほしいわとため息を吐く。
出さずにイって、何度目になるかしら?指がいい加減ふやけてきたとき。
「アっ、も、もうっ」
「もう何よ?言いたいことがあるなら言いなさいよね」
「っ、っいれ……いれ、ろっ!」
ふっ、と笑ってぐりぐりと感じる場所をえぐると、ひどい声を出してイク。
「それが頼みごとをする態度かしら?なってないわねぇ」
「―――っ!!……ぁ、れ、れてぃ、いれ、アッ、いれて、くださっ、アァっ!!」
「いい子ねぇ、そう。頼みごとをするには、下手に出ないとね?」
ふふっ、と笑いながら紫電の中から指を内壁をこすり上げながら抜き出す。
ついでに、腕の拘束だけ外し、ごろり、とうつ伏せから仰向けに紫電の体を転がすと、紫電はとろん、とした目で粗い息を吐き、それでも辛うじてレティを見ていた。
「れてぃ……」
小さく名前を呼んで、私にしびれているだろう手を伸ばしてくる紫電に思わず笑ってしまう。
「あなた、本当に私が好きなのねぇ……困った子だわ」
紫電の痴態で固くなっていたモノを、ひくつく穴へと合わせる。
ピタピタとキスをするように付けては離したりするたび、耐えきれない、と言うように腰が揺れた。
伸ばしてきた紫電の手が、私の肩を掴み、しがみつく。
穴に合わせて、ぐっと力を入れれば、かなりの時間慣らしたそこは、するりと一物を飲み込んでいく。
亀頭を飲み込み、締め付けるように穴が締まる。
いい穴ねぇ、とレティは思いながらゆっくりゆっくりと焦らす様に進んでいく。
「んっ、ンっ!はっ、アァっ!」
「そう、良い子ねぇいい子。私のものをうまく呑み込んでいるわ」
動くたびに、疼きが解消され、余計に奥が疼くようになるのか、ぼろぼろと涙を流しながら紫電は首を振ったりして快楽を逃がそうとしている。
亀頭球の前まで入れると、紫電の最奥までたどり着く。はぁ、と流石に息を吐く。
慣れるまで少し待ってあげようとして、ふと片方の手が肩から外れていることに気が付く。
「ン……ははっ、レティのだ……」
入ってる、と嬉しそうに下腹部を撫でて言うから、ため息しか出ない。
呆れて、じゃない。煽られて、だ。
待ってあげようかと思ったけれど、やめよやめ。
ずるり、と引き出せば、紫電の腰が揺れた。
「アァっ!!ンンっ……は、ぁ、ンーーーっ!!」
引き出し、少し入り口付近で内壁をいじめて、奥へと押し入る。
ゴリゴリと奥を虐められるのも好きみたいで、涙を流しながら、気持ちよさそうに体を震わせていた。
「ァ……、ンン……」
意地悪して、入り口付近を執拗に弄れば、ぎゅっと私のものを締め付けながら、腰をもじもじと揺らして何か言いたげにこっちを見てる。
欲しいの?というように少しずつ奥に行きながら、ぐぽぐぽと抜き差しを繰り返せば、口を開く。
「お、おく、おくちょうだいっ、レティ……ンアアッ!!」
奥に言われたとおりに突っ込めば、ハクハクと口を動かす癖に目はとろけて、まるで満たされているようにも見える。
全く、と最奥をごつごつと掘れば、奥が開いてくるのが感覚で分かった。
もう、自分が何をされているかも分かってない紫電は、幸せそうにあえいでいるだけ。
ぐりぐりと押し付けていれば、もう少しで全部入りそうだと口角を上げる。
やはり、亀頭球まで入れてなんぼでしょ?とそこまで頑張ることにする。
「アッ、アッ、アッ……なっ、にぃ……?あ……、ンっ」
行くわよ、と声をわざわざかけてあげれば、戸惑うような視線が刺さる。
にっこりと笑って勢いをつけて、奥を破るように突き入れた。
目を見開いて、衝撃に口を開いた紫電は、それでも声が出ないのか、はっ、はっ、と息をするだけ。
強い締め付けに、ぷっくりと膨れた亀頭球。
「くっ……」
奥の亀頭を包み込むような刺激に耐え切れず、出す。
確実にメスを孕ますための生殖器は、射精が終わるまで亀頭球がしぼむこともなく、出す時間も長い。
奥の奥に出された紫電は、衝撃から意識が返ってくると、首を左右に振って信じられないというように自分の腹を見ている。
がっちりとしがみ付いて、出し終わる半分の時間ぐらいで、ぷつり、と意識を飛ばしてしまった。
私としても、もう少しぐらい付き合ってほしかったけれど、叩き起こしてまで交尾するなんてそんな鬼じゃないわ。
しばらくして、出し終わると、ふぅ、と息を吐いてから中から引き出す。
その刺激にもびくびくと体が震えるから、もう一度盛りたくなっちゃう。
中に出した精液は、奥に出しすぎたのか、垂れてくるということはない。
だが……。
「ぽっかり空いちゃったわねぇ、可愛いわ」
後孔はぽっかりと開き、閉じ切らない。
淵を撫でれば、びくびくと体が震え、逃げるように腰を振った。
無意識下とはいえ、良い体だわぁ、と捕食者の目線になる。
「ふっ、ふふ……色々な意味で腹立つ存在だった、け、ど……、メスとしては優秀そうじゃない」
そうして、そっと私の種の入った下腹部を撫でる。
いい発見をしたわ。
まぁ、好きになるにはまだまだ先になりそうだけど……今まで見たいに無下には扱わないようにするわ。
が、これ以降紫電はレティから逃げ回るようになる。
結局捕食されるのだが……それはまた、別のお話。
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