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グレハス編
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街を出てからすぐに森へと移動する。
足音を立てないように移動しながら、足跡などの形跡を追う。
甲高い鳥の鳴き声なども聞こえてくる。
奥に行けば行くほど、陰鬱な森へと進化しているが、そこまで行けば日帰りは無理そうなので、ほどほどの場所でとどまり、獲物を探す。
昨日、森に入ったとき見つけた水場の付近で身を隠し、ライフルを手に取る。
ちょうど、親指を置くあたりに魔石が埋め込まれており、そこから魔力を入れることで、弾丸として使えるという、一種の魔道具だ。
火薬を使う銃よりも重宝されているが、ライフルは筒が長い分、近距離戦闘には向かないのであまり人気はない。
スコープを通して、獣道の先を見つめていると、丁度良さそうなのが現れる。
二対の角を持ち、一頭でも森狼を蹴散らす、オジカという鹿の魔獣だ。鹿の魔獣とはいえ、オジカの全長は鹿よりも大きく、大抵見かけられる個体で、馬並みだ。
オジカというが、雌雄はきちんと存在していて、牡鹿ではない。そして、特徴的なのは、そのしっぽである。
普通、鹿の尻尾というのは短いものだが、オジカの尻尾は地に着くほど長い。
彼らの肉は、干し肉にしてもおいしいし、そのままソテーしてもおいしい。ただ、素早く血抜きをして適切な処理をしないと、臭みが出る。
見つからないように、息を吐くのも自然に合わせ、スコープを覗き、慎重に引き金を引いた。
オジカは気配に敏感なほうで、当たる寸前に気づかれてしまったけれど、首を打ち抜き、オジカが倒れる。
ゆっくりと茂みから出て、辺りを確認しながら倒れたオジカに近づく。
かなり大きな個体だ。馬よりも、二回りも三回りも大きい。バッグに入るだろうか?と心配になる。
まずは血抜きだ、と角を掴んで引っ張る。水辺に転がして、頭を落とし、丁度いい高さの木にぶら下げておく。
血抜きをしている間に、皮を剥いで、ある程度洗う。素材として売るつもりでいるので、なめす作業は任せるとする。
もちろん、自分で使うつもりであるならば、もう少し雑に洗ってから鞣してしまうのだが。
尻尾も切り落とし、水で洗う。尻尾には、あまり血が通っていないのか、水につければすぐに血抜きが完了してしまうほど。
そうして、仕上がった皮と尻尾は先にバッグへと入れ、頭も乾かしてから、中に入れた。
胴体の方は、まだ少しかかるだろう。それまでは、血の匂いに誘われてやってきた魔獣たちとの戦いだ。
とは言っても、オジカは強い個体であるから、その匂いにつられてくる、というのは比較的弱い肉食の獣しかいないのだが。
そういう獣の肉は置いて行くが、皮や素材は剥いでいく。売れるものは売らないと、姉に怒られてしまう。
猟師となった時にずいぶんと注意されたから。
素材を取った後の肉は、適当に森の奥へと放り投げた。きっと、奥の獣たちが食らうだろうから。
ちなみに、オジカは雑食性である。
胴体の血抜きも大体終わった、と言う所でその個体をよいしょっと担ぐ。さすがに、やっぱりバッグには入らなかった。
胴体の周りは、大きい防水布で包んだ。殺菌作用のある葉も一緒に。皮を剥いでいるから仕方がない。
冒険者用の出入り口は西口、と思い出し、長い列に並ぼうとしてはっとしながら、壁に沿ってぐるりと回る。
ぎょっとした顔を向けられ、二度見されたが、そんなことを今気にしている場合ではない。
この胴体、大きな個体だというのもあり、重たい。それはそれは重たい。できるならさっさとギルドに卸して、帰りたい。
「次の、おっ、おぉ、なんだか大変そうだな……」
「んっ」
「あぁ、ギルドカードだな。よし、通れ」
プルプルとした手で、首にかかっているギルドカードを見せる。
兵士は気をつけろよ!と言って送り出してくれた。
しかし、気を付けるも何も、重たくて、大きくて、周りがあまり見えない。
そのせいか、周りの人の方が避けてくれている気がする。
ギルドの前で、ドンっ!と胴体を下ろし、はぁ~っ、と長い息を吐いた。
「お、重かった……」
「お前さん、何を狩ってきたんだ?」
騒ぎを聞きつけたのか、グルガスがギルドの建物から出てきた。
ちょうどいいや、とギルドカードを渡す。
「オジカ」
「オジカ?この大きさのオジカと言えば、討伐対象になってたあいつか!」
ちょっと待ってろ!とグルガスは中に入って行ってしまった。
面倒だから、と胴体の上に頭と尻尾、それから皮を出しておく。
顔だけ見れば、オジカだとわかるだろう。
そう言えば、ほかの魔物や魔獣も狩ったのだと、毛皮なども一緒に出した。
簡単な処理しかしてないし、自分でするのは面倒だ。数が数だし。
「あぁ、やっぱりそうだ。懸賞金がかかってやがる。よくやったな、坊主!」
戻ってきたグルガスに、ばっしばっし体を叩かれる。痛い。
どうやら、人を何人か殺している個体だったみたいだ。
それで、街からギルドに討伐要請がされていた、けれど、オジカは気配に敏感だ。いまだに、このオジカに出会えた冒険者がいなかったというわけか。
「い、いたっ……、そ、それより、肉、欲しい、かな」
料理屋のご家族に、お裾分けがしたい。よくしてくれた人には、お礼をしなければ。それが、たとえ客商売だったとしても。
そのために、グルガスに告げると、一瞬ぽかん、とした顔をされ、次には呆れた顔をされた。なぜだ?
「……お前さんはやけにマイペースだよな」
「へ?」
「いや、何でもない。肉か、ちょっと待ってろ」
そういって、中に入っていったグルガスは何人か職員を連れてくると、防水布の中の肉を一人の職員が切り分けて、改めて綺麗な紙に包み、手渡してくれた。
よかった、とそれをバッグにしまう。いそいそと、料理屋へ帰ろうとする俺に、グルガスが声をかけてくる。
「こいつの査定は、明日辺りには出るが、どうする?全額、ギルドの預金に入れておくか?」
肉が手に入った事ですっかり忘れていた。
オジカとそれからその他の素材たちの買取の話。
「あ、え、と、そう、します」
ちょっと考えたが、今ある手持ちの金額もそれなりだし、身支度の金額は大丈夫だろうと思った。
ただ、何かあったとき、街ではお金が必要になる。だから、貯めておくのも悪くはないだろうと思って。
今のところ、纏まったお金が必要になることもないだろう。
「そうか、なら明細だけ用意しておこう」
「わ、わかった」
それじゃ、と集まってきた人ごみを避けるように宿まで帰る。
扉を開ければ、料理屋は賑わいを見せていた。昼から夜にかけてが、一番の稼ぎ時なのだろうか?
確かに食事はおいしいから、人気かもしれない。
「ん?よぉ、おかえり」
「た、ただい、ま?」
ほら、と部屋の鍵を渡され受け取りながら、あっ、とバッグに入れておいた肉を出す。
オジカの肉のいいところを切り分けてくれたらしい。中の肉は程よく脂がのっていた。
「あ、あの、これっ」
どうぞ、と肉が見えるように差し出せば、おう、ありがとな。と受け取ってもらえた。
よかった、と息を吐く。
受け取った肉を見て、彼が首をかしげる。
「ん?何の肉だこりゃ」
「お、オジカ」
「オジカの?マジかっ!おい親父っ!」
目を見開いた彼は厨房にいる父親へ声を張り上げ、呼ぶ。
そんな、喜ばれるものなのだろうか?
「なんだ騒々しい」
「こいつから、オジカの肉もらった」
こいつ、と親指を立ててオビトを指す彼は、きらきらとした顔をしていた。
そこはかとなく、嬉しそうだ。
「なんだと?そんな貴重なもの、いいのか?」
「き、貴重……?う、うん。大丈夫……」
オジカは貴重な食材だっただろうか?と首をかしげる。
森に入れば一定数いるオジカを狩ることを、オビトは苦としていないからわからない。
オビトの暮らしていた村では、珍しい食材ではなかった気がする。
まぁ、それと言うのもオビトの姉が、余った肉をご近所にお裾分けしていたからにすぎないが。
干し肉になった状態でも、高値で買いたいと商人が来ていたこともあったが、そういう日に限ってオビトはおらず、姉が対応していたため、オビトは仔細を知らないのだ。
「そっか、ありがとな坊主!今日の夜は期待していてくれ!」
「よ、よろしく」
本日の夕飯は、店主が期待しておけ、と言った通り豪勢な食事だった。
けれど、オビトへ出された量は、今朝の事もあり、加減されている。
それを、店主がしたのか、店員の彼がしたのかは、知らないが、無駄な罪悪感を抱くことなく、食事を終えることができたオビトは、人知れずとても満足した。
足音を立てないように移動しながら、足跡などの形跡を追う。
甲高い鳥の鳴き声なども聞こえてくる。
奥に行けば行くほど、陰鬱な森へと進化しているが、そこまで行けば日帰りは無理そうなので、ほどほどの場所でとどまり、獲物を探す。
昨日、森に入ったとき見つけた水場の付近で身を隠し、ライフルを手に取る。
ちょうど、親指を置くあたりに魔石が埋め込まれており、そこから魔力を入れることで、弾丸として使えるという、一種の魔道具だ。
火薬を使う銃よりも重宝されているが、ライフルは筒が長い分、近距離戦闘には向かないのであまり人気はない。
スコープを通して、獣道の先を見つめていると、丁度良さそうなのが現れる。
二対の角を持ち、一頭でも森狼を蹴散らす、オジカという鹿の魔獣だ。鹿の魔獣とはいえ、オジカの全長は鹿よりも大きく、大抵見かけられる個体で、馬並みだ。
オジカというが、雌雄はきちんと存在していて、牡鹿ではない。そして、特徴的なのは、そのしっぽである。
普通、鹿の尻尾というのは短いものだが、オジカの尻尾は地に着くほど長い。
彼らの肉は、干し肉にしてもおいしいし、そのままソテーしてもおいしい。ただ、素早く血抜きをして適切な処理をしないと、臭みが出る。
見つからないように、息を吐くのも自然に合わせ、スコープを覗き、慎重に引き金を引いた。
オジカは気配に敏感なほうで、当たる寸前に気づかれてしまったけれど、首を打ち抜き、オジカが倒れる。
ゆっくりと茂みから出て、辺りを確認しながら倒れたオジカに近づく。
かなり大きな個体だ。馬よりも、二回りも三回りも大きい。バッグに入るだろうか?と心配になる。
まずは血抜きだ、と角を掴んで引っ張る。水辺に転がして、頭を落とし、丁度いい高さの木にぶら下げておく。
血抜きをしている間に、皮を剥いで、ある程度洗う。素材として売るつもりでいるので、なめす作業は任せるとする。
もちろん、自分で使うつもりであるならば、もう少し雑に洗ってから鞣してしまうのだが。
尻尾も切り落とし、水で洗う。尻尾には、あまり血が通っていないのか、水につければすぐに血抜きが完了してしまうほど。
そうして、仕上がった皮と尻尾は先にバッグへと入れ、頭も乾かしてから、中に入れた。
胴体の方は、まだ少しかかるだろう。それまでは、血の匂いに誘われてやってきた魔獣たちとの戦いだ。
とは言っても、オジカは強い個体であるから、その匂いにつられてくる、というのは比較的弱い肉食の獣しかいないのだが。
そういう獣の肉は置いて行くが、皮や素材は剥いでいく。売れるものは売らないと、姉に怒られてしまう。
猟師となった時にずいぶんと注意されたから。
素材を取った後の肉は、適当に森の奥へと放り投げた。きっと、奥の獣たちが食らうだろうから。
ちなみに、オジカは雑食性である。
胴体の血抜きも大体終わった、と言う所でその個体をよいしょっと担ぐ。さすがに、やっぱりバッグには入らなかった。
胴体の周りは、大きい防水布で包んだ。殺菌作用のある葉も一緒に。皮を剥いでいるから仕方がない。
冒険者用の出入り口は西口、と思い出し、長い列に並ぼうとしてはっとしながら、壁に沿ってぐるりと回る。
ぎょっとした顔を向けられ、二度見されたが、そんなことを今気にしている場合ではない。
この胴体、大きな個体だというのもあり、重たい。それはそれは重たい。できるならさっさとギルドに卸して、帰りたい。
「次の、おっ、おぉ、なんだか大変そうだな……」
「んっ」
「あぁ、ギルドカードだな。よし、通れ」
プルプルとした手で、首にかかっているギルドカードを見せる。
兵士は気をつけろよ!と言って送り出してくれた。
しかし、気を付けるも何も、重たくて、大きくて、周りがあまり見えない。
そのせいか、周りの人の方が避けてくれている気がする。
ギルドの前で、ドンっ!と胴体を下ろし、はぁ~っ、と長い息を吐いた。
「お、重かった……」
「お前さん、何を狩ってきたんだ?」
騒ぎを聞きつけたのか、グルガスがギルドの建物から出てきた。
ちょうどいいや、とギルドカードを渡す。
「オジカ」
「オジカ?この大きさのオジカと言えば、討伐対象になってたあいつか!」
ちょっと待ってろ!とグルガスは中に入って行ってしまった。
面倒だから、と胴体の上に頭と尻尾、それから皮を出しておく。
顔だけ見れば、オジカだとわかるだろう。
そう言えば、ほかの魔物や魔獣も狩ったのだと、毛皮なども一緒に出した。
簡単な処理しかしてないし、自分でするのは面倒だ。数が数だし。
「あぁ、やっぱりそうだ。懸賞金がかかってやがる。よくやったな、坊主!」
戻ってきたグルガスに、ばっしばっし体を叩かれる。痛い。
どうやら、人を何人か殺している個体だったみたいだ。
それで、街からギルドに討伐要請がされていた、けれど、オジカは気配に敏感だ。いまだに、このオジカに出会えた冒険者がいなかったというわけか。
「い、いたっ……、そ、それより、肉、欲しい、かな」
料理屋のご家族に、お裾分けがしたい。よくしてくれた人には、お礼をしなければ。それが、たとえ客商売だったとしても。
そのために、グルガスに告げると、一瞬ぽかん、とした顔をされ、次には呆れた顔をされた。なぜだ?
「……お前さんはやけにマイペースだよな」
「へ?」
「いや、何でもない。肉か、ちょっと待ってろ」
そういって、中に入っていったグルガスは何人か職員を連れてくると、防水布の中の肉を一人の職員が切り分けて、改めて綺麗な紙に包み、手渡してくれた。
よかった、とそれをバッグにしまう。いそいそと、料理屋へ帰ろうとする俺に、グルガスが声をかけてくる。
「こいつの査定は、明日辺りには出るが、どうする?全額、ギルドの預金に入れておくか?」
肉が手に入った事ですっかり忘れていた。
オジカとそれからその他の素材たちの買取の話。
「あ、え、と、そう、します」
ちょっと考えたが、今ある手持ちの金額もそれなりだし、身支度の金額は大丈夫だろうと思った。
ただ、何かあったとき、街ではお金が必要になる。だから、貯めておくのも悪くはないだろうと思って。
今のところ、纏まったお金が必要になることもないだろう。
「そうか、なら明細だけ用意しておこう」
「わ、わかった」
それじゃ、と集まってきた人ごみを避けるように宿まで帰る。
扉を開ければ、料理屋は賑わいを見せていた。昼から夜にかけてが、一番の稼ぎ時なのだろうか?
確かに食事はおいしいから、人気かもしれない。
「ん?よぉ、おかえり」
「た、ただい、ま?」
ほら、と部屋の鍵を渡され受け取りながら、あっ、とバッグに入れておいた肉を出す。
オジカの肉のいいところを切り分けてくれたらしい。中の肉は程よく脂がのっていた。
「あ、あの、これっ」
どうぞ、と肉が見えるように差し出せば、おう、ありがとな。と受け取ってもらえた。
よかった、と息を吐く。
受け取った肉を見て、彼が首をかしげる。
「ん?何の肉だこりゃ」
「お、オジカ」
「オジカの?マジかっ!おい親父っ!」
目を見開いた彼は厨房にいる父親へ声を張り上げ、呼ぶ。
そんな、喜ばれるものなのだろうか?
「なんだ騒々しい」
「こいつから、オジカの肉もらった」
こいつ、と親指を立ててオビトを指す彼は、きらきらとした顔をしていた。
そこはかとなく、嬉しそうだ。
「なんだと?そんな貴重なもの、いいのか?」
「き、貴重……?う、うん。大丈夫……」
オジカは貴重な食材だっただろうか?と首をかしげる。
森に入れば一定数いるオジカを狩ることを、オビトは苦としていないからわからない。
オビトの暮らしていた村では、珍しい食材ではなかった気がする。
まぁ、それと言うのもオビトの姉が、余った肉をご近所にお裾分けしていたからにすぎないが。
干し肉になった状態でも、高値で買いたいと商人が来ていたこともあったが、そういう日に限ってオビトはおらず、姉が対応していたため、オビトは仔細を知らないのだ。
「そっか、ありがとな坊主!今日の夜は期待していてくれ!」
「よ、よろしく」
本日の夕飯は、店主が期待しておけ、と言った通り豪勢な食事だった。
けれど、オビトへ出された量は、今朝の事もあり、加減されている。
それを、店主がしたのか、店員の彼がしたのかは、知らないが、無駄な罪悪感を抱くことなく、食事を終えることができたオビトは、人知れずとても満足した。
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