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UR
しおりを挟むリトとレォンが、手を繋ぐ。
ふたりで、一緒に、見あげる。
それだけで
「はぅあ──!」
真っ赤になった皆が、胸を押さえて、もだもだした。
うむうむ。
ちいさきものは、皆かわいいのでし。
リトのレォンを見る目が、たぶん溶けてる。
「リト」
拗ねたみたいに
きゅ
レォンと繋がっていない方の手を握ってくれるジゼが、愛らしすぎて悶死する──!
あわあわするリトに、皆が生温かい目になってる。
「いいなー、リト、もてもて」
ちょっと赤い頬で拗ねたみたいな上目遣いの主人公の発言がおかしいよ!
「では闇龍様のお世話は、リトに一任してよいのかな?」
にっこりルァルが、面白くて仕方なさそうに笑って
「ごるァア──!」
拳を握るジゼが本気だ。
「闇龍様については、国家を超える領域の話です。国として責任を以て交渉させて戴くべきかと」
青筋をビキビキしながら進言するジゼも、かっこいー!
アリアスの裾をちょこんと摘んだリトは、きゅっと引っ張った。
「アリアスしゃま、おこのジゼしゃまも、かこぃーのでし!」
胸を張って、しっぽほわほわでアピールしてみた!
「……く!」
真っ赤になったジゼが胸を押さえてる。
一緒に赤くなったアリアスも、頷いた。
「そ、そうだね、リト」
おお!
着実にアピールできてる!
よかた!
ほっと息をつくリトの手を、ちっちゃい手が引く。
「ぼ、僕も、かこいーのだ!」
むんとちっちゃな胸を張るレォンの背中で、ちっちゃな龍の羽が、ぱたぱたしてる。
「かぁいーでし!」
燃える頬とぱたぱたしっぽで、もだもだするリトに
「そ、そうか」
満更でもなさそうなレォンが、おっきなしっぽをぶんぶんして、真っ赤な頬でうむうむしてる。
「……敵が強すぎるんだが」
ジゼの目が遠くなって
「がんばれ、ジゼ!」
応援してくれるノァとカィトとルァルの目が、めちゃくちゃ面白そうに輝いてる。
「リトと一緒じゃなきゃ、絶対イヤ」
鼻息ひとつで国を滅ぼせるという闇龍様の言葉は絶対だ。
「頼むぞ、ジゼ──!」
ルァルのちっちゃなごつごつの手に肩を掴まれたジゼは項垂れた。
「父上とセバに至急連絡を。闇龍様のお部屋をすぐにご用意するよう──」
「リトと同じ部屋で構わんぞ!」
赤い頬で、おっきなしっぽでぺしぺし真っ暗な世界の大地っぽいところを叩くレォンに、ジゼの氷の瞳が吊りあがる。
「俺が構う──! なんだそれは、俺でさえリトと一緒の部屋じゃないのに──!」
ブチギレたらしいジゼを、後ろから羽交い絞めにしたカィトが
「どうどう。落ちつけ、ジゼ、殺される」
真っ青な顔で宥めてくれてる。
「キレキレ、ジゼしゃま、かこぃーのでし!」
激レアUR(Ultra Rare)なブチギレジゼのあまりのきらきらしさに、うるうるになった目でアリアスにアピールしてみた!
「ジゼしゃま、かこぃー♡」
ふわふわの耳をほわほわ揺らして、ほわほわのしっぽを、ぽふぽふ揺らして『ジゼしゃま、しゃいこー♡』アピールだよ!
「ぐぅ──!」
耳まで真っ赤になったジゼが苦し気に胸を押さえて
「リト、ジゼさまを攻撃したらだめだから!」
駆け寄ったテデが赤い頬で叫んでる。
「し、してなぃでし!」
涙目であわあわするリトの頭を、赤い頬のアリアスの手がなでなでしてくれる。
主人公、やさしい。
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