上 下
106 / 109
おまけのお話

温泉といえば!

しおりを挟む



 バチルタ領温泉街に必要なもの!

 それは!

 温泉饅頭です!


「おいしーお饅頭をつくりたいのです!」

 拳を握るノィユの希望に応えて、メィファがバチルタ領の火山灰土壌でも育ちそうな麦を開発してくれました!

 早速、可愛い豪商ニィハと売れそうなお饅頭を相談だよ。

「とりあえずピザまんは外せません!」

 拳を握るノィユに『え、そっちなの?』突っ込んでくれそうな転生者の知りあいはいないので、仕方なく脳内で自分に突っ込んでみたよ。

「ノィユのつくるのだから、おいしーでしょ」

 にこにこしてくれるニィハがやさしい。

 こくこくしてくれるヴィルが、天使だ!


 というわけで、温泉街を開拓するのと一緒に麦を植えて収穫できるまで、他領の麦を輸入してお饅頭をつくってみたよ。
 バチルタの特産は、芋と砂糖大根と鳥なので、芋まんと鶏肉まんかな。あとピザまん!

「チーズがとろっとしなきゃいやだ! 酪農しましょう!」

 拳を握るノィユに領民の皆さんとニィハとメィファが協力してくれて、酪農とチーズ造りもはじまったよ!

「……せっかくだから、豚も育てる? やっぱり豚まんだよね!? 小豆みたいなのないのかなー、あんまんも作りたいよー!」

「なんかよく解らんが、落ちつけノィユ! 開拓は一歩ずつだ!」

 商魂の塊ニィハにまで止められてしまいました!

 なので最初は芋まんと、肉まんと、ピザまん!
 両親にばっかり販売を押しつけるのは申しわけないので、今度はヴィルと一緒にがんばるのです!

「………………ノィユ、その衣は…………?」

 お洒落なニィハが、あんぐりしてる。
 茶色いフードに瓶底眼鏡のメィファでさえ、ぽかんとしてる。

「伝統の装束です!」

 真っ白な割烹着と三角巾で拳を掲げてみた!

「いやどこにそんな伝統──」

「リクエスト装束です!」

「意味わからん!」

 邪悪そうな魔法使いおじいちゃんゾホにまであんぐりされたけど

「ノィユ、と、いっしょ」

 おそろいの割烹着と三角巾で販売してくれるヴィルが、天使だ。



 しかし三角巾で髪を覆うと、ヴィルの輝けるご尊顔が露に!

「いやこれは物凄い混乱が起きて、ヴィルの身に危険を感じるというか、キレたヴィルがバチルタ領を滅ぼす未来しか見えないから、ヴィルの顔は隠しておこう」

 ニィハの助言に頷いた。

「めちゃくちゃかっこいーヴィルは、僕だけね」

 きゅ、と手を握ったら、ぎゅ、と握りかえして笑ってくれる。


 いつも頬が熱くて、見あげる瞳が潤んで、ヴィルだいすきが、加速する。





 おそろいの真っ白割烹着で、お饅頭を売ることになりました!

 味はエヴィのお墨つき!
 ヴィルが売ってくれると聞いたエヴィは、朝一番の魔導列車でやってきて、一番に並んでくれました。ありがとう。

「おいし~、火山の蒸気でほっかほっかの、おまんじゅうです──!」

「ふわふわ、ほくほく、あま~いお芋まん!」
「じゅわっと肉汁、バチルタ領のうまうま鳥がいっぱい肉まん!」
「濃厚なうまみのお野菜ととろける乳酪たっぷりの、乳酪まん!」

「みっつのお味で、ふっかふか! バチルタ領にいらしたら、絶対食べなきゃ損をする、とびっきりおいし~おまんじゅうだよ──!」

 めちゃくちゃ声を張りました。
 ヴィルが隣でこくこく頷いてくれる。

 はー♡
 伴侶がいつも、めちゃくちゃかわいーです!









────────────

 読んでくださって、ありがとうございます!

  ∵🌊しお🌊∵様のリクエストで、 バチルタ温泉街にて三角巾と割烹着のノィユとヴィルが温泉饅頭を売り出します!(笑)

 今日は、まんをつくるだけだったので(笑)明日はちゃんと手売りしますー!(笑)




しおりを挟む
感想 239

あなたにおすすめの小説

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 本編完結しました! 時々おまけのお話を更新しています。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

祝福という名の厄介なモノがあるんですけど

野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。 愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。 それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。  ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。 イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?! □■ 少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです! 完結しました。 応援していただきありがとうございます! □■ 第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました!

僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか

Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。 無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して―― 最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。 死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。 生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。 ※軽い性的表現あり 短編から長編に変更しています

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

処理中です...