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おまけのお話 えっちな薬、発売だよ!
えっちな薬、発売だよ!
しおりを挟むぱぱらっぱっぱっぱ──!
メファ特製の薬が、薬師組合とビエル国から認可されて、冒険者組合で発売されることになりました!
発売記念キャンペーンで、メファ社長と従業員の俺は、冒険者組合で手売りです!
「うそ……こんなちっちゃい、かわいー子たちが、えっちな薬を売っていいの……?」
真っ赤な頬を隠すように長い指で口元を覆うアルフォリアに、拳を握る。
「ちっちゃい言うな!」
かわいーはうれしいよ。えへへ。
ちょっとにやけた俺のおでこに、メファのチョップが刺さった。
「僕は!! ちっちゃく!! ねえ!!」
「いたいよ、メファ」
うるうるしたら、叩かれたおでこをディゼがなでなでしてくれる。
「えへへへへ」
とろけて笑ったら、メファがちょっと赤い頬をふくらませて、アルフォリアは拗ねたように吐息した。
「うわー、僕、絶対買う。一番乗りで買う!!」
拳を握るキーザも来たよ。
「つ、使う機会があるか、解らないが……きょ、協力しよう」
真っ赤なジェミもついてくる。
「ぼ、僕もお手伝い、し、してあげても、い、いいよ」
ふん! と鼻を鳴らしながら主人公レイトまで来た!
「じゃあ僕は、レイトがわるさしないように見張ってあげようかな」
瓶底眼鏡でトエが笑って、
「し、しししないよ! もう強制力、ないもん」
胸を張ったレイトは、ぴんくの髪を揺らす。
「……あ、あの……ご……ご……め、ね、リユィ。
…………僕らを救ってくれて……あ……あり、が……と」
真っ赤な耳で、ぽそぽそ呟くレイトは、あの、めちゃくちゃ可愛いです……!!
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「あれ? もしかしてそういう感じ?」
によによする俺に、ちょっぴり赤くなったトエが瓶底眼鏡の向こうで深紅の瞳を吊りあげる。
「はやいよ、リユィ」
「いちおう俺もいるんだからさ」
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「イォ!」
灰の眉をあげたイォは、アルフォリアとレイトを見つめた。
「王太子の伴侶には、なれそう?」
「……むつかしそう」
ちょっとつまらなそうに、ちょっとくやしそうに、レイトが唇を尖らせる。
アルフォリアは、金の眉をあげた。
「俺のことなら、王太子から降りる」
「は!?」
皆の驚愕を見つめて、アルフォリアが微笑む。
「リユィが背を押してくれた。
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真に能力ある者こそが、国を率いるべきだ」
俺とレイトは顔を見合わせて、しょんぼりした。
「身分がなくなっても、どうしたって上は腐って、強権を握って滅茶苦茶したり、戦争まで始めたりする。
物凄く頭のいい人は学者さんになっちゃうのかなあ」
レイトの呟きに、頷いた。
「素晴らしい人が国を率いるって、あんまりないかもしれない。
それでも身分がなくなるのは、第一歩だよ!
俺、アルのこと、応援する!」
きゅ、とアルフォリアの手を握ったら、紅くなったアルフォリアがふわふわ笑う。
「リユィなら、きっとそう言ってくれると思ってた」
ちょっとつまらなさそうにディゼが吐息して、顔を見合わせたキーザとジェミが、アルフォリアの手を握る。
「協力する」
「新しい国を、ともに創ろう」
拳を握るキーザは、ちょっとチャラ男じゃなくなって、微笑むジェミは、無理矢理大すきな性癖最低男じゃなくなったっぽい。
王太子じゃなくなろうとするアルフォリアの手を握るふたりに、アルフォリアの瞳が、泣きだしそうに揺れた。
「ね?
身分がなくなったら、ほんとうが見えるよ」
アルフォリアの手に、手を重ねる。
碧の瞳からこぼれそうな涙を抱きしめる前に、ぴんくの髪が跳ねた。
「ぼ、僕は、アルが王子じゃなくなったって、す、素敵だと思う、よ!」
碧の瞳がまるくなって、トエはちいさく笑う。
イォはつまらなそうに、ちょっと鼻を鳴らした。
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