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アンデッドの国
戦闘特化のゼラ
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「うがああああああああぁぁぁ!」
「なんやねん! その魔力は!」
デッドロードがゼラにトドメを刺そうとした瞬間、ゼラから濃密な魔力が放出された。
それは周囲にも影響を及ぼして瓦礫を吹き飛ばした。
デッドロードもただ立つことは出来ず、後ろに跳び退いた。
(余裕があると思っていたけど⋯⋯ここまでの切り札を隠してたんか)
デッドロードに真っ黒の瘴気が纏わり着く。
「俺も本気で行くで! 死に晒せや!」
「ああああああ!」
怒り狂い瞳は真っ赤に光って知性を感じなかった。
たった一瞬地を蹴っただけで大地にクレーターを形成して、拳をデッドロードに突き出していた。
その拳に合わせて黒い骨の拳が重なる。
衝撃波が周囲の地形をガラリと変え、デッドロードの目が鋭くなる。
「なんで俺の即死スキルが通用せんねん」
そして互いに後ろに下がり、ゼラは本能のままに突き進む。
ただ目の前の障害を排除するために。
(なんや今の殴った感覚は)
技のない速いだけの拳は徐々にデッドロードに慣れられ、避けながら考え事をさせれる程になっていた。
相手の腹に向かって魔法陣を展開するデッドロード。
「デスビーム」
「ぐがああああ!」
ゼラは黒色のレーザー系魔法で腹を貫かれて遠くに飛ばされる。
だが、すぐに立ち直ってデッドロードを殺しに向かう。
貫かれた腹は服と皮膚を貫通して骨を露出させていた。
だが、徐々に回復しているようである。
「やっぱりか。お前、人間やないな。俺の骨体を持ちやがって! しかも即死耐性まで持ってやがるな!」
そう、怒りによって戦闘に特化したゼラは『固定概念』を覆した。
正確には一つの肉体にしか変身出来ないと言う考えが間違っている事に本能で理解しているのだ。
見た目だけに変身していたが、今はその肉体の骨組みも変身で補っている状況なのだ。
デッドロードと言う魔力に親和性が高く高硬度の骨に龍人の肉体。
今のゼラは純粋な力だけでも圧倒的に高いのに固有スキルによって無限に魔力が上昇していた。
魔力が上昇する度に身体能力が向上する。
代わりに理性を生贄に激しい怒りに狩られる。
力で押し切る戦闘スタイル⋯⋯だが、相手にはそれが通用しない。
「ほなこれならどうや! 死する星!」
魔法陣が展開し、そこから黒色の星が出現する。
それが合計10個となりゼラに飛来する。
黒色の閃光は夜だと言うのに明るい輝きを放っていた。
対してゼラは同じ魔法を展開した。
「なにっ!」
怒りに狂っているが魔法を扱えるだけの知性はあるのか? いやない。
戦い勝つ為の最善の手を本能がままに出しているのだ。
相手の魔法を観察して模倣する。
当然本来の性能は相手よりも落ちるのだが⋯⋯膨大の純粋魔力で重ねがけして同程度の火力に無理矢理向上させた。
星と星が衝突して消し炭になる。
デッドロードは地面に手を触れて大きな魔法陣を一瞬で展開する。
そこから魔法が⋯⋯出なかった。
「なんやねん!」
「うああああああああああ!」
ゼラがその魔法陣に手を置いて魔法発動を阻止。
そして魔法陣を掴んで持ち上げた。
「なんやそれ!」
デッドロードは骨なので目はないのだが、飛び出ているように感じられた。
それだけの驚きを持っていたのだ。
しかし、デッドロードにはそれに既視感が存在した。
「お前、俺の固有スキル【強欲】も使えんのかあぁぁぁぁあ! それは俺の力やああああああ!」
デッドロードの怒りに対して向けられたのは魔法陣のブーメランカッターだった。
回転しながら飛来する魔法陣を新たに作り出した魔法剣で切断し、ゼラの懐に入り込む。
大地に地割れを形成する斬撃が腸を抉るように襲い来る。
「があぁぁぁぁ!」
「なに!」
そしてもう一つの固定概念をぶち壊した。
ゼラは手は手、頭は頭と言う風に変身している。
しかし、今は手にドラゴンの頭を変身させて魔法の剣を受け止めた。
さらにその魔力を【強欲】の『略奪』で吸い取っている。
内部でそれを純粋魔力に変換して自身の生命エネルギーに変える。
スキルの理解度が上がらないと使えないのが本来の力だ。
しかし、今は本能だけである程度の事はなんとなくで行える状態なのだ。
理屈とか関係ないのだ。
「ああああああ!」
「ちぃ!」
左手もドラゴンの頭にしてブレスを濃縮させる。
最初に訪れていた教会の教皇が持っていたスキル【神の代行者】【神聖力】【龍化】を合成させてドラゴンの変身先と配合する。
それによって出来るのは“セイクリッドドラゴン”である。
死霊系の魔物には弱点である神聖魔法を扱えるドラゴン。
そのドラゴンが放つ神々しい【神聖たる伊吹】はデッドロードを包み込んだ。
その邪気を払い身を焦がすようなブレスは確かにダメージを当てえながら遠くに飛ばした。
ゼラはそれを力強い踏み込みで追い掛ける。
到着した場所は教会だった。
結界をぶち破り壁を破壊して内部に転がるデッドロード。
そいつに向かってゼラは上空に無数の魔法陣を展開する。
対してデッドロードも魔法陣を無数に展開する。
「いやああああ!」「なんでどうして!」「誰かあああ!」「ああ、神よ」
この場に居る人間達の悲鳴は二人には届かず、上位魔法の餌食となる。
知り合いならともかく、この場の人間に思入れのないゼラに容赦は無い。
そもそも理性の無い現状、それを気にする余裕はない。
「流星粒子絶命槍!」
槍のような黒い星がゼラに向かい、ゼラは『流星粒子神聖槍』を使っていた。
真反対の性質を持つ魔法が衝突し合い相殺される。
その衝撃は教会を破壊して瓦礫に人間達は潰されて行く。
断末魔も掻き消えてその命は虚しく散らされる。
デッドロードは地面に魔法を放ってそのジリ貧な状態から脱出して体勢を直す。
「面白いやんけ! 魔王クラスでもない癖にこの俺と同等に戦えるなんて。楽しいやんけ! ぶちかましてやらぁ! 七星の激流!」
七色の魔法陣がデッドロードの背後に出現してゼラを襲う。
ゼラは爪を伸ばして地面に刺して体を低くする。
その状態でキープして口の中に周囲に放出している莫大の魔力を集中させる。
「あああああああああ!」
ただの純粋魔力の塊であるブレス。
名ずけるのなら【純粋伊吹】だろうか。
その破壊力はデッドロードの魔法を包み込んで魔法陣を全て破壊する程だった。
デッドロードは【屍の壁】でそれを防いでなんとか事を終える。
ただ、純粋魔力で出来たブレスを見上げた時に一つだけ感想を漏らしていた。
「綺麗やんけ」
「なんやねん! その魔力は!」
デッドロードがゼラにトドメを刺そうとした瞬間、ゼラから濃密な魔力が放出された。
それは周囲にも影響を及ぼして瓦礫を吹き飛ばした。
デッドロードもただ立つことは出来ず、後ろに跳び退いた。
(余裕があると思っていたけど⋯⋯ここまでの切り札を隠してたんか)
デッドロードに真っ黒の瘴気が纏わり着く。
「俺も本気で行くで! 死に晒せや!」
「ああああああ!」
怒り狂い瞳は真っ赤に光って知性を感じなかった。
たった一瞬地を蹴っただけで大地にクレーターを形成して、拳をデッドロードに突き出していた。
その拳に合わせて黒い骨の拳が重なる。
衝撃波が周囲の地形をガラリと変え、デッドロードの目が鋭くなる。
「なんで俺の即死スキルが通用せんねん」
そして互いに後ろに下がり、ゼラは本能のままに突き進む。
ただ目の前の障害を排除するために。
(なんや今の殴った感覚は)
技のない速いだけの拳は徐々にデッドロードに慣れられ、避けながら考え事をさせれる程になっていた。
相手の腹に向かって魔法陣を展開するデッドロード。
「デスビーム」
「ぐがああああ!」
ゼラは黒色のレーザー系魔法で腹を貫かれて遠くに飛ばされる。
だが、すぐに立ち直ってデッドロードを殺しに向かう。
貫かれた腹は服と皮膚を貫通して骨を露出させていた。
だが、徐々に回復しているようである。
「やっぱりか。お前、人間やないな。俺の骨体を持ちやがって! しかも即死耐性まで持ってやがるな!」
そう、怒りによって戦闘に特化したゼラは『固定概念』を覆した。
正確には一つの肉体にしか変身出来ないと言う考えが間違っている事に本能で理解しているのだ。
見た目だけに変身していたが、今はその肉体の骨組みも変身で補っている状況なのだ。
デッドロードと言う魔力に親和性が高く高硬度の骨に龍人の肉体。
今のゼラは純粋な力だけでも圧倒的に高いのに固有スキルによって無限に魔力が上昇していた。
魔力が上昇する度に身体能力が向上する。
代わりに理性を生贄に激しい怒りに狩られる。
力で押し切る戦闘スタイル⋯⋯だが、相手にはそれが通用しない。
「ほなこれならどうや! 死する星!」
魔法陣が展開し、そこから黒色の星が出現する。
それが合計10個となりゼラに飛来する。
黒色の閃光は夜だと言うのに明るい輝きを放っていた。
対してゼラは同じ魔法を展開した。
「なにっ!」
怒りに狂っているが魔法を扱えるだけの知性はあるのか? いやない。
戦い勝つ為の最善の手を本能がままに出しているのだ。
相手の魔法を観察して模倣する。
当然本来の性能は相手よりも落ちるのだが⋯⋯膨大の純粋魔力で重ねがけして同程度の火力に無理矢理向上させた。
星と星が衝突して消し炭になる。
デッドロードは地面に手を触れて大きな魔法陣を一瞬で展開する。
そこから魔法が⋯⋯出なかった。
「なんやねん!」
「うああああああああああ!」
ゼラがその魔法陣に手を置いて魔法発動を阻止。
そして魔法陣を掴んで持ち上げた。
「なんやそれ!」
デッドロードは骨なので目はないのだが、飛び出ているように感じられた。
それだけの驚きを持っていたのだ。
しかし、デッドロードにはそれに既視感が存在した。
「お前、俺の固有スキル【強欲】も使えんのかあぁぁぁぁあ! それは俺の力やああああああ!」
デッドロードの怒りに対して向けられたのは魔法陣のブーメランカッターだった。
回転しながら飛来する魔法陣を新たに作り出した魔法剣で切断し、ゼラの懐に入り込む。
大地に地割れを形成する斬撃が腸を抉るように襲い来る。
「があぁぁぁぁ!」
「なに!」
そしてもう一つの固定概念をぶち壊した。
ゼラは手は手、頭は頭と言う風に変身している。
しかし、今は手にドラゴンの頭を変身させて魔法の剣を受け止めた。
さらにその魔力を【強欲】の『略奪』で吸い取っている。
内部でそれを純粋魔力に変換して自身の生命エネルギーに変える。
スキルの理解度が上がらないと使えないのが本来の力だ。
しかし、今は本能だけである程度の事はなんとなくで行える状態なのだ。
理屈とか関係ないのだ。
「ああああああ!」
「ちぃ!」
左手もドラゴンの頭にしてブレスを濃縮させる。
最初に訪れていた教会の教皇が持っていたスキル【神の代行者】【神聖力】【龍化】を合成させてドラゴンの変身先と配合する。
それによって出来るのは“セイクリッドドラゴン”である。
死霊系の魔物には弱点である神聖魔法を扱えるドラゴン。
そのドラゴンが放つ神々しい【神聖たる伊吹】はデッドロードを包み込んだ。
その邪気を払い身を焦がすようなブレスは確かにダメージを当てえながら遠くに飛ばした。
ゼラはそれを力強い踏み込みで追い掛ける。
到着した場所は教会だった。
結界をぶち破り壁を破壊して内部に転がるデッドロード。
そいつに向かってゼラは上空に無数の魔法陣を展開する。
対してデッドロードも魔法陣を無数に展開する。
「いやああああ!」「なんでどうして!」「誰かあああ!」「ああ、神よ」
この場に居る人間達の悲鳴は二人には届かず、上位魔法の餌食となる。
知り合いならともかく、この場の人間に思入れのないゼラに容赦は無い。
そもそも理性の無い現状、それを気にする余裕はない。
「流星粒子絶命槍!」
槍のような黒い星がゼラに向かい、ゼラは『流星粒子神聖槍』を使っていた。
真反対の性質を持つ魔法が衝突し合い相殺される。
その衝撃は教会を破壊して瓦礫に人間達は潰されて行く。
断末魔も掻き消えてその命は虚しく散らされる。
デッドロードは地面に魔法を放ってそのジリ貧な状態から脱出して体勢を直す。
「面白いやんけ! 魔王クラスでもない癖にこの俺と同等に戦えるなんて。楽しいやんけ! ぶちかましてやらぁ! 七星の激流!」
七色の魔法陣がデッドロードの背後に出現してゼラを襲う。
ゼラは爪を伸ばして地面に刺して体を低くする。
その状態でキープして口の中に周囲に放出している莫大の魔力を集中させる。
「あああああああああ!」
ただの純粋魔力の塊であるブレス。
名ずけるのなら【純粋伊吹】だろうか。
その破壊力はデッドロードの魔法を包み込んで魔法陣を全て破壊する程だった。
デッドロードは【屍の壁】でそれを防いでなんとか事を終える。
ただ、純粋魔力で出来たブレスを見上げた時に一つだけ感想を漏らしていた。
「綺麗やんけ」
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