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物理系魔法少女、これはアカツキクオリティ?
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鉱山を移動していると、それっぽい鉱石を発見した。
「これで間違いないと思いますわ」
「これで一歩、この後は極わずかの運って事だね。ロックドレイク、出ると良いなぁ」
『ここまでは順調、さぁアカツキクオリティはどうなる?』
『ロックドレイクじゃなくてアンデッドだったりしてな』
『アカツキならまじでありえる』
『身体が金属のスケルトンとか? 反射攻撃あるなら厄介そう』
『骨だけなら軽い可能性もあるから、落下攻撃は難しい?』
『投げ技で十分だろう』
『いやいや。魔法を使うタイプのロックドレイクたろ』
『魔法を跳ね返して倒すの、最近見てねぇや』
『そろそろ魔法を使ってもええんやで、もちろん敵さんがな?』
『期待を裏切るのもアカツキさんだから』
『とりあえず周囲を探索して、いなさそうなら移動だな』
『何も無いってのも普通にありえるんたよなぁ』
ホログラム映像として流れるコメントを凝視しているシロエさん。
「どうしたの?」
「いえ。信用されているなっと」
「煽りかな?」
これらのコメントを見て、一体何を信用されていると言うのだろうか?
魔法を使うロックドレイクは普通にありえるかもしれないし、何も無いもありえる。
だが、アンデッドは無いだろ。まじでさ。
どれだけ俺とアンデッドはセットのように結びつけたいんだよ。
しかも、それを確信して前提のコメントばかりだ。
「信用されておりますわね」
「押し通すな」
「バレました?」
てへって感じで舌を少しだけ出す。
俺もニコニコ笑顔を返しておく。
『アカツキちゃんが笑顔の怒りを覚えた』
『殴り技以外にもこんな技を⋯⋯』
『成長だなw』
なんだうちの視聴者共は。
周囲を歩いているが、特に変化はなかった。
レアな鉱石を発見できたんだ。せっかくなのでこれは回収して行こう。
俺は鉱石の周囲を手刀で削って行き、細かい所はステッキを採掘道具に切り替えて行う。
ツルハシを使うと鉱石ごと、破壊しそうなのでそこは調節だ。
「よしっ」
「ん?」
シロエさんが俺に軽く断りを入れてから、鉱石を手に持って空に掲げる。
光に透き通り、くっきりと見える金色の筋に目を見開く。
「これは、違いますわ! アカツキさんお急ぎでここから逃げますわよ!」
「え?」
その叫びとほぼ同時だった、大地が揺れて地割れが起き、そこから真っ赤なドラゴンが飛来した。
ロックドレイク⋯⋯では無いのだろう。
赤色じゃないからな。
「これはドラゴニウムですわ。パンニウムよりも希少で、それを捕食するのは、この鉱山に眠るとされるレッドドラゴン」
「はは、まさかこうなるとは」
『アカツキクオリティ!』
『アンデッドやないやん』
『普通にドラゴンかよ!』
『アンデッドと期待した人多すぎやろ! わいもや!』
『殴って終わりだな』
『ふぁいとぉ』
レッドドラゴンは金色の角膜に縦線の真っ黒な瞳孔、そんな目で俺はしっかりと睨まれた。
「グゴアアアアアア!」
腹の奥底まで響くその咆哮は俺を絶対に逃がさないと言う強い意志を感じる。
俺だって、本能的に分かる、これは逃げれる戦いじゃないってね。
リュックを置く。それだけの猶予はくれるらしい。
シロエさんはその中にドラゴニウムを入れる。
「逃げても良いんだよ?」
「助っ人ホワイトマジックガールですわよ? もちろん、お助けいたしますわ」
「そりゃあ頼もしいな」
俺が前に出る。
空を飛ぶドラゴンが戦闘開始のコングと言わんばかりに、巨大な火球を飛ばして来る。
「防ぎますわ!」
「防御など不要!」
俺は走って、ステッキをバットにしてジャンプする。
「攻撃こそ最大の防御! これがアカツキちゃんの、ホームランバッティングだ!」
自分よりも何倍も大きな巨大な火球を、打ち返す。
高速で打ち返された火球をひらりと翼を動かして回避するドラゴン。
「自分の魔法はちゃんとくらうんだな」
ファイヤードラゴンではなくレッドドラゴン、赤いだけのドラゴン。
一レベル上のダンジョンに生息する巨大な魔物⋯⋯だけど臆する心は俺に無い。
「さぁ、魔法少女の力を見せてやるぜ」
「アカツキさん!」
シロエさんが白い闇の円盤を俺に向かって投擲するので、ありがたくそれを足場にしてドラゴンに接近する。
間合いに入れば、強くバットをスイング。
空中戦では相手の方が有利であり、簡単に回避されてブレスが飛んで来る。
「ブレスは苦手じゃ!」
俺はステッキに見た目を戻して、ドラゴンの顔目掛けてぶん投げた。
おかげでブレスは中断され、中途半端なブレスはパンチの風圧で飛ばす。
「闇の根!」
巨大な根っこのような白い闇がドラゴンに襲いかかるが、それも高速飛行で躱して行く。
だけど、それらは俺の足場ともなれる。
「飛ぶよりも走った方が速いんじゃ!」
「わたくしの拘束魔法が足場に使われてますわ!」
『しかも走った場所を破壊しているおまけ付き』
『なんて迷惑なファイターなんだ』
『沈まないの?』
ドラゴンに接近して、拳を放つ。
回避され、その勢いも利用されての尻尾の攻撃。
「ぬあっ」
防御したが、地面に向かって一直線に落とされる。
「トランポリン!」
柔らかい闇によって支えられた。ありがたい。
「もっかい!」
「わたくしの闇は壊されなければ継続して使えますのに⋯⋯」
「これで間違いないと思いますわ」
「これで一歩、この後は極わずかの運って事だね。ロックドレイク、出ると良いなぁ」
『ここまでは順調、さぁアカツキクオリティはどうなる?』
『ロックドレイクじゃなくてアンデッドだったりしてな』
『アカツキならまじでありえる』
『身体が金属のスケルトンとか? 反射攻撃あるなら厄介そう』
『骨だけなら軽い可能性もあるから、落下攻撃は難しい?』
『投げ技で十分だろう』
『いやいや。魔法を使うタイプのロックドレイクたろ』
『魔法を跳ね返して倒すの、最近見てねぇや』
『そろそろ魔法を使ってもええんやで、もちろん敵さんがな?』
『期待を裏切るのもアカツキさんだから』
『とりあえず周囲を探索して、いなさそうなら移動だな』
『何も無いってのも普通にありえるんたよなぁ』
ホログラム映像として流れるコメントを凝視しているシロエさん。
「どうしたの?」
「いえ。信用されているなっと」
「煽りかな?」
これらのコメントを見て、一体何を信用されていると言うのだろうか?
魔法を使うロックドレイクは普通にありえるかもしれないし、何も無いもありえる。
だが、アンデッドは無いだろ。まじでさ。
どれだけ俺とアンデッドはセットのように結びつけたいんだよ。
しかも、それを確信して前提のコメントばかりだ。
「信用されておりますわね」
「押し通すな」
「バレました?」
てへって感じで舌を少しだけ出す。
俺もニコニコ笑顔を返しておく。
『アカツキちゃんが笑顔の怒りを覚えた』
『殴り技以外にもこんな技を⋯⋯』
『成長だなw』
なんだうちの視聴者共は。
周囲を歩いているが、特に変化はなかった。
レアな鉱石を発見できたんだ。せっかくなのでこれは回収して行こう。
俺は鉱石の周囲を手刀で削って行き、細かい所はステッキを採掘道具に切り替えて行う。
ツルハシを使うと鉱石ごと、破壊しそうなのでそこは調節だ。
「よしっ」
「ん?」
シロエさんが俺に軽く断りを入れてから、鉱石を手に持って空に掲げる。
光に透き通り、くっきりと見える金色の筋に目を見開く。
「これは、違いますわ! アカツキさんお急ぎでここから逃げますわよ!」
「え?」
その叫びとほぼ同時だった、大地が揺れて地割れが起き、そこから真っ赤なドラゴンが飛来した。
ロックドレイク⋯⋯では無いのだろう。
赤色じゃないからな。
「これはドラゴニウムですわ。パンニウムよりも希少で、それを捕食するのは、この鉱山に眠るとされるレッドドラゴン」
「はは、まさかこうなるとは」
『アカツキクオリティ!』
『アンデッドやないやん』
『普通にドラゴンかよ!』
『アンデッドと期待した人多すぎやろ! わいもや!』
『殴って終わりだな』
『ふぁいとぉ』
レッドドラゴンは金色の角膜に縦線の真っ黒な瞳孔、そんな目で俺はしっかりと睨まれた。
「グゴアアアアアア!」
腹の奥底まで響くその咆哮は俺を絶対に逃がさないと言う強い意志を感じる。
俺だって、本能的に分かる、これは逃げれる戦いじゃないってね。
リュックを置く。それだけの猶予はくれるらしい。
シロエさんはその中にドラゴニウムを入れる。
「逃げても良いんだよ?」
「助っ人ホワイトマジックガールですわよ? もちろん、お助けいたしますわ」
「そりゃあ頼もしいな」
俺が前に出る。
空を飛ぶドラゴンが戦闘開始のコングと言わんばかりに、巨大な火球を飛ばして来る。
「防ぎますわ!」
「防御など不要!」
俺は走って、ステッキをバットにしてジャンプする。
「攻撃こそ最大の防御! これがアカツキちゃんの、ホームランバッティングだ!」
自分よりも何倍も大きな巨大な火球を、打ち返す。
高速で打ち返された火球をひらりと翼を動かして回避するドラゴン。
「自分の魔法はちゃんとくらうんだな」
ファイヤードラゴンではなくレッドドラゴン、赤いだけのドラゴン。
一レベル上のダンジョンに生息する巨大な魔物⋯⋯だけど臆する心は俺に無い。
「さぁ、魔法少女の力を見せてやるぜ」
「アカツキさん!」
シロエさんが白い闇の円盤を俺に向かって投擲するので、ありがたくそれを足場にしてドラゴンに接近する。
間合いに入れば、強くバットをスイング。
空中戦では相手の方が有利であり、簡単に回避されてブレスが飛んで来る。
「ブレスは苦手じゃ!」
俺はステッキに見た目を戻して、ドラゴンの顔目掛けてぶん投げた。
おかげでブレスは中断され、中途半端なブレスはパンチの風圧で飛ばす。
「闇の根!」
巨大な根っこのような白い闇がドラゴンに襲いかかるが、それも高速飛行で躱して行く。
だけど、それらは俺の足場ともなれる。
「飛ぶよりも走った方が速いんじゃ!」
「わたくしの拘束魔法が足場に使われてますわ!」
『しかも走った場所を破壊しているおまけ付き』
『なんて迷惑なファイターなんだ』
『沈まないの?』
ドラゴンに接近して、拳を放つ。
回避され、その勢いも利用されての尻尾の攻撃。
「ぬあっ」
防御したが、地面に向かって一直線に落とされる。
「トランポリン!」
柔らかい闇によって支えられた。ありがたい。
「もっかい!」
「わたくしの闇は壊されなければ継続して使えますのに⋯⋯」
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