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「「う、動かない」」
あと少しで攻撃が届くと言うタイミングで俺達の体は完全に停止した。
『はいはーい。ただいま全プレイヤーを完全停止させておりまーす』
「何っ!」
出て来たのは天使のような男だ。
『どうも、このイベントを仕切っておりました天使の『あ』でございます。フルネームで『あ』でございます。ただいま集計中です』
可哀想な名前の天使が何かを始めると、俺達は武器を取り上げられた。
そして、少しだけの自由が許されたので、俺は愛梨の元に寄った。
「中途半端だね」
「うん。時間切れ⋯⋯か」
愛梨が凹んでいる。
一見すればそれは分かる。
「えっと、その⋯⋯」
俺が何かを言う前に、『あ』は手を叩いた。
『それではランキングトップスリーをご紹介。第三位、ギリギリで一気に逆転の多ポイントを獲得した、日陰さん! 31021ポイントでした。凄いですねぇ。殆どのポイントが先程倒された白龍使いのプレイヤーから奪っております。豪運の持ち主!』
「まじか」
八神を倒した事により俺は三位に入ったようだ。
つーか、やっぱ万単位だよな。はは。乾いた笑いしかでねー。
逆に言えば、八神を倒していなかったら俺はそこまで順位は高くなかったのだろう。
解説してくれるのはありがたい。
『質問券を一つ差し上げまーす』
俺のスマホに通知が入り、運営から質問券が入った。
詳細は神への質問を可能とする権利券だ。
『次、第二位。とある人を追いかけ、目立った所に無理矢理直線で突き進み、物を人を破壊し尽くした。迫る敵は返り討ち、現れては全てを斬り裂いた人気Vの配信者、リイア32101と言う僅差でした。おめでとう。質問券を二つプレゼント』
「⋯⋯」
「ち、違うだんよ! ただ、えと、⋯⋯この天使さんの言う通りだと、思う。で、でも、嬉々として自分から攻撃はしなかったよ! 顔を出したら皆が狙って来たの!」
被害者の顔が思い浮かぶな。
俺が三位で愛梨が二位、そして次は一位。
『そして最後は、圧倒的カリスマでクラメンを手駒にして、日本最強と呼ばれた男、日本最大級のクランマスター、クラゲマン! なんと、大差をつけてポイントは四万ピッタリ。質問券が三つ与えられます。それでは皆様、お疲れ様でした』
え、それだけ?
日本中のイベントの割にはしょうもないな。
『今、しょうもないと思った方に補足を。この質問券は神に対して行使出来ます。例えば、ダンジョンの詳細な情報を得たり、モンカドを入手出来る場所などの情報を得たり⋯⋯まぁ色々と出来ます。ネットなどに出てない情報を聞けば、その特別な情報を独占出来ると言う事です。それでは、さようなら』
俺達は光りに包まれて、俺の部屋に戻って来た。
「お、体が重い」
二十四時間、確かに俺はデータ世界に居た。
だけど、本当に現実世界では一時間しか計画していなかった。
「質問券⋯⋯最後に使い方をほのめかしたな」
何を聞くかによって、その後の攻略などに大きく影響するのか。
俺は何を聞こうかな?
「おつかれ、日向くん」
「ああ。愛梨もおつかれ」
俺達はリビングに向かって、飲み物を取り出した。
「かんぱーい!」
コップを合わせて飲み干す。
少しばかり喉が乾いた。
人と戦い、斬っていたのに今ではその感覚が全く分からない。
思い出せない⋯⋯と言うべきか。
記憶ではあるのだが、感覚的な事が全く分からないのだ。
体を動かした感はあるんだけど⋯⋯そのせいで違和感がある。
「日向くんは何を質問するの?」
「ん~今は保留かな。愛梨は?」
「同じかな」
俺はスマホでデータ世界に入れる権利システムを十億円を払って購入する。
これで殆どの金を使い果たした。
「なぁ愛梨」
「何?」
「愛梨はなんで、リイアとして配信者を始めたんだ?」
「⋯⋯ぶふっ」
き、汚い。
拭いておく。
「そ、それは⋯⋯」
「それは?」
目をあちこちに動かして、顔を真っ赤に染める。
そんなに聞かれたくなかったのかな?
良くない事をしてしまった。
「ごめん。良いよ無理して言わなくても」
「い、いやね。別に嫌って言うか、恥ずかしいって言うか⋯⋯えっとね」
愛梨が何かブツブツ言っていると、俺のスマホが鳴る。
DMが来たようだ。
「⋯⋯俺はちょっと行って来る」
「え、どこに?」
「イベント中に知り合った人のところ」
流石に現実世界では会えないので、データ世界に入るけど。
ようやく演技から開放されたと思ったら、再び日陰さんモードだ。
相手も同じようなので、データ世界で会う。
あの人も十億は払えるらしい。
「もしかして女の子だったり?」
「あー声的にはそうかもね。アバターだからなんとも言えない。そんじゃ、行ってくる」
「ちょいちょいまてぇ!」
「なんだよ」
俺がスマホを操作していると、肩を掴まれてグイッと寄せられる。
愛梨の目が⋯⋯戦う時のソレだった。
「私も行く」
「いや、それは流石に」
「お願い聞いて、行くから! ついて行くから! 私もデータ世界に入れるから!」
確かに、リイアたんのチャンネルで太らないと言うデータ世界の長所を活かして、めっちゃスイーツ食べている動画があった。
満腹感は存在するから、あまり食べれてなかったけど。
データ世界だけどちゃんと美味しいのかな?
仕方ないので一応聞いてみる。
神楽だから断ると思うけど。
『誰っすか?』
本名は良くないか。
リイアたん⋯⋯リイアっと。送信。
『え、マジですか! 僕凄く憧れの人なんですよ! やったー!』
⋯⋯。
愛梨、そのドヤ顔は止めようや。
俺は両親に少し出るとメールしてから、データ世界に入る。
すると、家の外に弾かれた。
「購入しないと建物からは弾かれるね」
「我が家なのに!」
「お店とかは入れるよ」
「それは動画のおかげで少しは知ってる。にしても、本当に別世界だな」
モンスターがあちこちに居るけど、全てが友好的モンスターかユーザーのモンスターカードである。
空飛ぶ乗り物まであるよ。
空飛んでる人も居る。
「で、どこ行くの?」
「あーそこそこ遠く。『二級召喚メイド』召喚!」
そのメイドが召喚するケツァルコアトルスに乗ってその場所に向かう。
「その人ってどんな人、どうやって出会ったの! どんな関係なの!」
「グイグイ聞くな」
愛梨はそんなに俺が他の人とツルんだことが気になるのか?
まぁ、確かに珍しいとは自分でも思うけど。
配信者だって言ってた。
データ世界はダンジョン内部とは違ってスマホが使えるので、調べる。
「これか」
精霊魔法少女神楽ちゃん。
そのような名前の配信者を見つけた。
やっている事はゴロゴロ転がっている普通の探索系である。
しっかりと編集をされており、何をやっているのかを解説していた。
すごく見やすい。
しかし、初心者向けの解説や魔法士としての戦い方を解説しているのだが、イフリートがそれをぶち壊している感じがあった。
神楽はソロのようで、イフリートが居ないと攻略が難しい。
イフリートが近くに居るだけで戦闘スタイルが変わる。
そのせいで、初心者向けの動画は他の人の方が参考になるし、魔法士としても、魔法の性質や性能が違うから参考にならない。
でも、すごく努力は伝わって来る。
「ふーんこの子?」
「うん」
「明るい子だね」
「まぁ、確かに」
火の魔法とか使うし。
でも、性格は大人しい感じなんだよな。
この明るい神楽は演技な気がする。
キャラを作る。俺と同じだな。
「つーか、なんでそこまで気にするの?」
「べ、別に! お、幼馴染が変な人に引っかかっていたら嫌だなーって思っただけだから! 特に深い意味とか、ないからね!」
確かに、銃口向けられたからな。
神楽とは今度全力で戦ってみたいな。
そうなるとモンカドの使用が難しいな。
神楽の全力はイフリートが居るのが条件となるし。
ま、今後の課題だな。
「愛梨」
「ん? どうしたの?」
「俺、配信者日陰としてもっと頑張る事にしたよ」
「え?」
「運だけじゃないって、見せたいんだ。恵まれたのに、それを伸ばさないのは純粋なバカだと思うしさ」
「うん?」
「だから、その」
これを言うとなると凄く照れると言うか恥ずかしいな。
でも、愛梨には言わないといけないよな。
「剣術も頑張るよ。せっかくの両親だ。恵まれた環境、才能。それを伸ばそうと思う」
「⋯⋯ほ、ほんと!」
「う、うん。俺もちゃんと向き合うよ。過去と、そして未来と」
「⋯⋯」
愛梨が一瞬硬直し、起動したと思ったら抱きついて来た。
それはもう力強く。
データ世界、ここではレベルの概念がない。
仮初の肉体で違う世界に居る感じだ。
レベルはダンジョン内だけらしい。
だけど、愛梨の力はそれを感じさせない程に強かった。
「今日から一緒に頑張うね、日向くん!」
「⋯⋯明日から頑張る」
「明日やろうは馬鹿野郎だよ!」
「それも、そうだな」
黒く長い髪と銀色の長い髪が風に絡みながら揺れた。
この光景が同様に、空を飛ぶモンスターに乗っている人に見つかる。
だけど俺達は気にする事無く、神楽の元まで会話を続けた。
テンションの上がった愛梨を宥めるのは大変だったけど。
あとはそうだな。
愛梨がものすごく神楽を敵視しており、何かしたのかと、神楽がオドオドしていた。
何故愛梨が神楽に対して敵意を向けていたのか分からないが、まぁ仲良くはしていると思う。
⋯⋯多分。
あと少しで攻撃が届くと言うタイミングで俺達の体は完全に停止した。
『はいはーい。ただいま全プレイヤーを完全停止させておりまーす』
「何っ!」
出て来たのは天使のような男だ。
『どうも、このイベントを仕切っておりました天使の『あ』でございます。フルネームで『あ』でございます。ただいま集計中です』
可哀想な名前の天使が何かを始めると、俺達は武器を取り上げられた。
そして、少しだけの自由が許されたので、俺は愛梨の元に寄った。
「中途半端だね」
「うん。時間切れ⋯⋯か」
愛梨が凹んでいる。
一見すればそれは分かる。
「えっと、その⋯⋯」
俺が何かを言う前に、『あ』は手を叩いた。
『それではランキングトップスリーをご紹介。第三位、ギリギリで一気に逆転の多ポイントを獲得した、日陰さん! 31021ポイントでした。凄いですねぇ。殆どのポイントが先程倒された白龍使いのプレイヤーから奪っております。豪運の持ち主!』
「まじか」
八神を倒した事により俺は三位に入ったようだ。
つーか、やっぱ万単位だよな。はは。乾いた笑いしかでねー。
逆に言えば、八神を倒していなかったら俺はそこまで順位は高くなかったのだろう。
解説してくれるのはありがたい。
『質問券を一つ差し上げまーす』
俺のスマホに通知が入り、運営から質問券が入った。
詳細は神への質問を可能とする権利券だ。
『次、第二位。とある人を追いかけ、目立った所に無理矢理直線で突き進み、物を人を破壊し尽くした。迫る敵は返り討ち、現れては全てを斬り裂いた人気Vの配信者、リイア32101と言う僅差でした。おめでとう。質問券を二つプレゼント』
「⋯⋯」
「ち、違うだんよ! ただ、えと、⋯⋯この天使さんの言う通りだと、思う。で、でも、嬉々として自分から攻撃はしなかったよ! 顔を出したら皆が狙って来たの!」
被害者の顔が思い浮かぶな。
俺が三位で愛梨が二位、そして次は一位。
『そして最後は、圧倒的カリスマでクラメンを手駒にして、日本最強と呼ばれた男、日本最大級のクランマスター、クラゲマン! なんと、大差をつけてポイントは四万ピッタリ。質問券が三つ与えられます。それでは皆様、お疲れ様でした』
え、それだけ?
日本中のイベントの割にはしょうもないな。
『今、しょうもないと思った方に補足を。この質問券は神に対して行使出来ます。例えば、ダンジョンの詳細な情報を得たり、モンカドを入手出来る場所などの情報を得たり⋯⋯まぁ色々と出来ます。ネットなどに出てない情報を聞けば、その特別な情報を独占出来ると言う事です。それでは、さようなら』
俺達は光りに包まれて、俺の部屋に戻って来た。
「お、体が重い」
二十四時間、確かに俺はデータ世界に居た。
だけど、本当に現実世界では一時間しか計画していなかった。
「質問券⋯⋯最後に使い方をほのめかしたな」
何を聞くかによって、その後の攻略などに大きく影響するのか。
俺は何を聞こうかな?
「おつかれ、日向くん」
「ああ。愛梨もおつかれ」
俺達はリビングに向かって、飲み物を取り出した。
「かんぱーい!」
コップを合わせて飲み干す。
少しばかり喉が乾いた。
人と戦い、斬っていたのに今ではその感覚が全く分からない。
思い出せない⋯⋯と言うべきか。
記憶ではあるのだが、感覚的な事が全く分からないのだ。
体を動かした感はあるんだけど⋯⋯そのせいで違和感がある。
「日向くんは何を質問するの?」
「ん~今は保留かな。愛梨は?」
「同じかな」
俺はスマホでデータ世界に入れる権利システムを十億円を払って購入する。
これで殆どの金を使い果たした。
「なぁ愛梨」
「何?」
「愛梨はなんで、リイアとして配信者を始めたんだ?」
「⋯⋯ぶふっ」
き、汚い。
拭いておく。
「そ、それは⋯⋯」
「それは?」
目をあちこちに動かして、顔を真っ赤に染める。
そんなに聞かれたくなかったのかな?
良くない事をしてしまった。
「ごめん。良いよ無理して言わなくても」
「い、いやね。別に嫌って言うか、恥ずかしいって言うか⋯⋯えっとね」
愛梨が何かブツブツ言っていると、俺のスマホが鳴る。
DMが来たようだ。
「⋯⋯俺はちょっと行って来る」
「え、どこに?」
「イベント中に知り合った人のところ」
流石に現実世界では会えないので、データ世界に入るけど。
ようやく演技から開放されたと思ったら、再び日陰さんモードだ。
相手も同じようなので、データ世界で会う。
あの人も十億は払えるらしい。
「もしかして女の子だったり?」
「あー声的にはそうかもね。アバターだからなんとも言えない。そんじゃ、行ってくる」
「ちょいちょいまてぇ!」
「なんだよ」
俺がスマホを操作していると、肩を掴まれてグイッと寄せられる。
愛梨の目が⋯⋯戦う時のソレだった。
「私も行く」
「いや、それは流石に」
「お願い聞いて、行くから! ついて行くから! 私もデータ世界に入れるから!」
確かに、リイアたんのチャンネルで太らないと言うデータ世界の長所を活かして、めっちゃスイーツ食べている動画があった。
満腹感は存在するから、あまり食べれてなかったけど。
データ世界だけどちゃんと美味しいのかな?
仕方ないので一応聞いてみる。
神楽だから断ると思うけど。
『誰っすか?』
本名は良くないか。
リイアたん⋯⋯リイアっと。送信。
『え、マジですか! 僕凄く憧れの人なんですよ! やったー!』
⋯⋯。
愛梨、そのドヤ顔は止めようや。
俺は両親に少し出るとメールしてから、データ世界に入る。
すると、家の外に弾かれた。
「購入しないと建物からは弾かれるね」
「我が家なのに!」
「お店とかは入れるよ」
「それは動画のおかげで少しは知ってる。にしても、本当に別世界だな」
モンスターがあちこちに居るけど、全てが友好的モンスターかユーザーのモンスターカードである。
空飛ぶ乗り物まであるよ。
空飛んでる人も居る。
「で、どこ行くの?」
「あーそこそこ遠く。『二級召喚メイド』召喚!」
そのメイドが召喚するケツァルコアトルスに乗ってその場所に向かう。
「その人ってどんな人、どうやって出会ったの! どんな関係なの!」
「グイグイ聞くな」
愛梨はそんなに俺が他の人とツルんだことが気になるのか?
まぁ、確かに珍しいとは自分でも思うけど。
配信者だって言ってた。
データ世界はダンジョン内部とは違ってスマホが使えるので、調べる。
「これか」
精霊魔法少女神楽ちゃん。
そのような名前の配信者を見つけた。
やっている事はゴロゴロ転がっている普通の探索系である。
しっかりと編集をされており、何をやっているのかを解説していた。
すごく見やすい。
しかし、初心者向けの解説や魔法士としての戦い方を解説しているのだが、イフリートがそれをぶち壊している感じがあった。
神楽はソロのようで、イフリートが居ないと攻略が難しい。
イフリートが近くに居るだけで戦闘スタイルが変わる。
そのせいで、初心者向けの動画は他の人の方が参考になるし、魔法士としても、魔法の性質や性能が違うから参考にならない。
でも、すごく努力は伝わって来る。
「ふーんこの子?」
「うん」
「明るい子だね」
「まぁ、確かに」
火の魔法とか使うし。
でも、性格は大人しい感じなんだよな。
この明るい神楽は演技な気がする。
キャラを作る。俺と同じだな。
「つーか、なんでそこまで気にするの?」
「べ、別に! お、幼馴染が変な人に引っかかっていたら嫌だなーって思っただけだから! 特に深い意味とか、ないからね!」
確かに、銃口向けられたからな。
神楽とは今度全力で戦ってみたいな。
そうなるとモンカドの使用が難しいな。
神楽の全力はイフリートが居るのが条件となるし。
ま、今後の課題だな。
「愛梨」
「ん? どうしたの?」
「俺、配信者日陰としてもっと頑張る事にしたよ」
「え?」
「運だけじゃないって、見せたいんだ。恵まれたのに、それを伸ばさないのは純粋なバカだと思うしさ」
「うん?」
「だから、その」
これを言うとなると凄く照れると言うか恥ずかしいな。
でも、愛梨には言わないといけないよな。
「剣術も頑張るよ。せっかくの両親だ。恵まれた環境、才能。それを伸ばそうと思う」
「⋯⋯ほ、ほんと!」
「う、うん。俺もちゃんと向き合うよ。過去と、そして未来と」
「⋯⋯」
愛梨が一瞬硬直し、起動したと思ったら抱きついて来た。
それはもう力強く。
データ世界、ここではレベルの概念がない。
仮初の肉体で違う世界に居る感じだ。
レベルはダンジョン内だけらしい。
だけど、愛梨の力はそれを感じさせない程に強かった。
「今日から一緒に頑張うね、日向くん!」
「⋯⋯明日から頑張る」
「明日やろうは馬鹿野郎だよ!」
「それも、そうだな」
黒く長い髪と銀色の長い髪が風に絡みながら揺れた。
この光景が同様に、空を飛ぶモンスターに乗っている人に見つかる。
だけど俺達は気にする事無く、神楽の元まで会話を続けた。
テンションの上がった愛梨を宥めるのは大変だったけど。
あとはそうだな。
愛梨がものすごく神楽を敵視しており、何かしたのかと、神楽がオドオドしていた。
何故愛梨が神楽に対して敵意を向けていたのか分からないが、まぁ仲良くはしていると思う。
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