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減り出した日本人対策の新たな考察の件

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 少し前に、日本人が減っていくことの対応は、日本人に成りたいと思っている外国人を(それなりに人柄、犯罪歴がないことなどを調べる必要はあるかも?)日本に入れて、日本人にすることであると、主張しております。
 それに対して、異国人との間で、文化的な摩擦があり、日本人は純潔な存在でなければなどと言い出して、日本人の数は減ってもかまわない。適度な減少は、適正規模になっていいかのように、言っている人たちさえいます。
 そこまで、言うのならば、外国人など、まるで入れないでやってみせてもらいたい。

 だが、そう言っている人たちほど、大企業などにいて、グローバルな世界にはめ込まれているのだ。つまり、物の生産やサービス提供にしても他国への依存を抜けられなくなっている。

 その根拠になっているのが、リカードの比較生産費説だ。二国で二物品のモデルだが、二つの品物を有利な方をだけをそれぞれの国で生産すれば、前よりも多くの生産ができるという理論だ。
 だが、そこで私は疑問に思ってしまう。前の生産だけで、満足をしていた消費者たちに、増えた生産物を必要とするのだろうか?消費しない。いや、消費できないのではないか、そうなれば、外にある消費者、三つ目の国が必要だ。増えた生産物を受け入れて消費する国を見つけて、そこへ輸入するしかない。
 こういうことを大学の経済専門の学生さんに話をして反論をしてもらうが、私を納得させる答えをもらったことはない。

 そう思って、日本の経営者の方々の動きを見ると、需要(消費できる)先があれば、それを探してどこであろうと売っている。つまり輸出だ。
 それができれば、日本に消費者を求める必要はない。輸出する物の生産は、安い労働賃金で生産できれば、安いほどいいことになる。だが、安い賃金の中での消費、つまり日本国内の消費は縮まっていくだけだ。
 安く抑えられた賃金では、子供を作ること、人の再生産はできなくなっているのだ。
 人の再生産が、まともにできなければ、労働者など存在できるはずがない。ご存じのとおり、現在では、学校にも行かせないで労働者になることはできない。世界は高知識水準になっているからだ。
 若い人の生き方が変わったからだと個人の意識にすべてを押しつけようとする輩がいるが、未来のない先にむかって、子供を作ることに躊躇しない人はいない。いまは誰もが生きがいを見つけるだけでも大変なのだ。

 私の言うことがヘリクツでしかないと言う人がいるかもしれない。
 だが、多くの街の商店街でシャッターが下りている通りの多いことか、人がいない場所には消費者はない。消費者がいない場所で生産者がいても意味がない。閉店の通りが増えていくわけだ。

 多くの地域にいる人たちが減り出していて、その対策を国に相談している。国土交通省や内閣官房が一体となってそれに対する回答を示しているが、絵としては美しいのだが、絵に描いた餅は食べることはできない。

 思い出してしまうのは、童話「ハーメルの笛吹き」だ。
 ご存じかもしれまないが、ドイツのハーメルという町で、ネズミが増えすぎて難儀している時に、笛吹きの男が現れ、報酬をいただければネズミを退治してあげますよと町の人たち(お偉方か?)に約束をした。笛吹き男は約束どおりにネズミを退治したのだが、何故か、町の人たちは報酬をはらわなかった。すると、笛吹き男は、笛を吹いて、町にいた子供をすべてを集め出し、山にある洞窟の中に連れて行ってしまった。

 このたとえ話に書いてあるネズミは何なのか、払わなければならない報酬は何だったのか、それをよく考えると、すくなくとも日本の現状と対応すべきことに気が付くのではないでしょうか。






 
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