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第7話 生徒会室に呼ばれる
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その日の昼休み。
目立たないように、校庭を回ってぼくは歩いていた。なぜ歩くかといえば、運動不足にならないためである。後三周はまわりたい。そう思っていると、正夫が近づいてきた。そして、ぼくの前でとまった。
「たけしくん、ちょっと来てほしいんだ?」
「正夫くんが、ぼくに用事があるとは思えないけどね」
「ぼくじゃないんだ。生徒会長の白川玲子さんだよ」
「なに、白川玲子」
そこまで言って、ぼくはうなっていた。
白川玲子はスラリーとして背が高く、目は大きく肌の色は白くすきとっている。つまり、美人なのだ。その上、成績がよく、学校中のあこがれの人物。と言うことは、ぼくに関係があるはずがない。
「生徒会といさかいを起こしたことは、ないよ」
「いや、いっしょに来てもらわないと、ぼくの立場がなくなるよ」
そう言った正夫は顔をあざめ、ぼくが逃げないように、前にたちはだかった。ぼくが走り出せば、大声をあげるに違いない。それはまずい。注目をあびてしまう。
「どうすれば、いいのかな?」
「白川さんとあってもらえばいいんだ。白川さんは生徒会室にいる」
「分かった。そこへ行くよ」
逮捕された犯人のように正夫の後についていった。
生徒会室は校舎の2階、放送室の隣にある。階段をあがり、出入り口の上部につ り下げられた表示板をぼくは見た。間違いなく、生徒会室と書かれている。ここに生徒会室があることを知っていたが、ぼくは一度も来たことがない。正夫はドアをノックした。
「正夫です。大谷たけしをお連れしました」
「どうぞ。お入りなさい」
「それでは、入ります」
正夫はドアをあけ中に入ると、ぼくも後に続いた。
部屋の両側には、ガラス戸のついた書庫がならび、窓際に大きな机と肘かけ椅子がおかれている。その椅子にすわっていた女の子がぼくの方に顔をむけた。
「あなたが、大谷たけしさんなのね。評判は聞いております」
「評判?」
ぼくは人知れずに生きていて、目立たないようにしているのに、どうしてそういうことに。思わず、ぼくは正夫を見てしまった。正夫は顔を赤くしている。
「いや、ぼくは余計なことを言ってはいないよ。ただ、きみが、けんかにならずに、ゆすりをしていた高校生をおっぱらった話を白川さんにしてあげただけだよ」
「じつは、私たちは、あなたのような人を必要としているのです」と、白川さん。
「正夫くんが、見たのは、たまたまのことで、ぼくが少しがまんをしていたら、つかれた相手がやめていっただけですよ」
「その忍耐力がいまは必要とされているんです。小学生を相手に恐喝をする人たちが増えているとPTAでも問題になっているんですよ」
「そうですか? 大変ですね」
そう言ったぼくは、生徒会室から出ていこうとした。
「たけしさん、お待ちなさい」
「なんですか?」
「実は、生徒会では、恐喝されることが起きないように、学校近くを見て歩くことにしたのです」
「いやあ、いいことですね。ぜひ、やるべきです」
「そこで、見て歩く時に参加してほいしのです」
「ええ、でも、そんな大役。ぼくに向いていないし、だいたいどうすればいいのか、わからないし」
「もちろん、あなた一人におしつける訳にはいきませんわ。当然、私もごいっしょにまいります」
「そうですか?」
どうも、簡単に聞いては、いけないきがした。
「放課後、学校近くにあるコンビニ・ハローのあたりを見て歩きたいわ。同行をお願いしますね」
「今日ですか?」
「そうですよ。生徒会役員は普通の生徒たちが帰った後、しばらく学校に残って打ち合わせをします。二十分ほどかかりますけど。待っていてくださいね。校門の前で」
そう言った白川さんは、甲高い声をあげて笑った。
目立たないように、校庭を回ってぼくは歩いていた。なぜ歩くかといえば、運動不足にならないためである。後三周はまわりたい。そう思っていると、正夫が近づいてきた。そして、ぼくの前でとまった。
「たけしくん、ちょっと来てほしいんだ?」
「正夫くんが、ぼくに用事があるとは思えないけどね」
「ぼくじゃないんだ。生徒会長の白川玲子さんだよ」
「なに、白川玲子」
そこまで言って、ぼくはうなっていた。
白川玲子はスラリーとして背が高く、目は大きく肌の色は白くすきとっている。つまり、美人なのだ。その上、成績がよく、学校中のあこがれの人物。と言うことは、ぼくに関係があるはずがない。
「生徒会といさかいを起こしたことは、ないよ」
「いや、いっしょに来てもらわないと、ぼくの立場がなくなるよ」
そう言った正夫は顔をあざめ、ぼくが逃げないように、前にたちはだかった。ぼくが走り出せば、大声をあげるに違いない。それはまずい。注目をあびてしまう。
「どうすれば、いいのかな?」
「白川さんとあってもらえばいいんだ。白川さんは生徒会室にいる」
「分かった。そこへ行くよ」
逮捕された犯人のように正夫の後についていった。
生徒会室は校舎の2階、放送室の隣にある。階段をあがり、出入り口の上部につ り下げられた表示板をぼくは見た。間違いなく、生徒会室と書かれている。ここに生徒会室があることを知っていたが、ぼくは一度も来たことがない。正夫はドアをノックした。
「正夫です。大谷たけしをお連れしました」
「どうぞ。お入りなさい」
「それでは、入ります」
正夫はドアをあけ中に入ると、ぼくも後に続いた。
部屋の両側には、ガラス戸のついた書庫がならび、窓際に大きな机と肘かけ椅子がおかれている。その椅子にすわっていた女の子がぼくの方に顔をむけた。
「あなたが、大谷たけしさんなのね。評判は聞いております」
「評判?」
ぼくは人知れずに生きていて、目立たないようにしているのに、どうしてそういうことに。思わず、ぼくは正夫を見てしまった。正夫は顔を赤くしている。
「いや、ぼくは余計なことを言ってはいないよ。ただ、きみが、けんかにならずに、ゆすりをしていた高校生をおっぱらった話を白川さんにしてあげただけだよ」
「じつは、私たちは、あなたのような人を必要としているのです」と、白川さん。
「正夫くんが、見たのは、たまたまのことで、ぼくが少しがまんをしていたら、つかれた相手がやめていっただけですよ」
「その忍耐力がいまは必要とされているんです。小学生を相手に恐喝をする人たちが増えているとPTAでも問題になっているんですよ」
「そうですか? 大変ですね」
そう言ったぼくは、生徒会室から出ていこうとした。
「たけしさん、お待ちなさい」
「なんですか?」
「実は、生徒会では、恐喝されることが起きないように、学校近くを見て歩くことにしたのです」
「いやあ、いいことですね。ぜひ、やるべきです」
「そこで、見て歩く時に参加してほいしのです」
「ええ、でも、そんな大役。ぼくに向いていないし、だいたいどうすればいいのか、わからないし」
「もちろん、あなた一人におしつける訳にはいきませんわ。当然、私もごいっしょにまいります」
「そうですか?」
どうも、簡単に聞いては、いけないきがした。
「放課後、学校近くにあるコンビニ・ハローのあたりを見て歩きたいわ。同行をお願いしますね」
「今日ですか?」
「そうですよ。生徒会役員は普通の生徒たちが帰った後、しばらく学校に残って打ち合わせをします。二十分ほどかかりますけど。待っていてくださいね。校門の前で」
そう言った白川さんは、甲高い声をあげて笑った。
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