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第2話 チヨちゃん
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ぼくは栗山小学校に通っている。いまは4年生でクラスは2組だ。
同じクラスに伊藤美千代がいる、あだなはチヨちゃん。彼女はどこか弱弱しくて、いじめっ子に好かれてしまっていたのだ。
その日の昼休み。
彼女は、いじめっ子に囲まれ、外から見えないようにされて、叩かれたり、つねられたりしていた。
ぼくは、ほっておけなくて、いじめっ子たちの中に入り込み、チヨちゃんを中から出してやった。
「遊んでいるのに、じゃまするなよな」
「遊んでいるようには、見えなかったけどね」
「なんだと」と言って、いじめっ子たちは、今度はぼくに向かって、足でけりをいれ、手でぼくの体をなぐりだした。
ぼくは、顔や頭はなぐられないように、手でカバーをしながら、彼らの好きにやらせていた。
ぼくは、見かけより体に筋肉がついていて、よく言われているうたれ強いタイプなのだ。
ぼくを叩くいじめっ子たちの手の方が痛くなりだし、彼らの足にあざができていった。泣きもせず、倒れもしないぼくに、彼らは汗をかきだしていた。
「いつまでも、なぐり合いはすべきじゃないよな」
訳のわからないことを言いだし、いじめっ子たちは、肩をふりふり、走り回っている生徒たちの中に逃げだしていった。
彼らがいなくなると、チヨちゃんは、近くで見ていた正夫のところに走っていった。
正夫のフルネームは近藤正夫だ。クラスの学級委員をしている。
「正夫さん、こわかった」
「よかったね。あんな奴らには、先生方がもっと注意すべきだよ」
いじめっ子たちを追っぱらったのは自分だと思うのだが、まるでぼくなどいなかったように二人は話を続ける。
わかったことは、チヨちゃんが正夫を好きだということだった。
やはり、父さんの言うように、目立つことをすべきでないと、ぼくは反省をしていた。
同じクラスに伊藤美千代がいる、あだなはチヨちゃん。彼女はどこか弱弱しくて、いじめっ子に好かれてしまっていたのだ。
その日の昼休み。
彼女は、いじめっ子に囲まれ、外から見えないようにされて、叩かれたり、つねられたりしていた。
ぼくは、ほっておけなくて、いじめっ子たちの中に入り込み、チヨちゃんを中から出してやった。
「遊んでいるのに、じゃまするなよな」
「遊んでいるようには、見えなかったけどね」
「なんだと」と言って、いじめっ子たちは、今度はぼくに向かって、足でけりをいれ、手でぼくの体をなぐりだした。
ぼくは、顔や頭はなぐられないように、手でカバーをしながら、彼らの好きにやらせていた。
ぼくは、見かけより体に筋肉がついていて、よく言われているうたれ強いタイプなのだ。
ぼくを叩くいじめっ子たちの手の方が痛くなりだし、彼らの足にあざができていった。泣きもせず、倒れもしないぼくに、彼らは汗をかきだしていた。
「いつまでも、なぐり合いはすべきじゃないよな」
訳のわからないことを言いだし、いじめっ子たちは、肩をふりふり、走り回っている生徒たちの中に逃げだしていった。
彼らがいなくなると、チヨちゃんは、近くで見ていた正夫のところに走っていった。
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「正夫さん、こわかった」
「よかったね。あんな奴らには、先生方がもっと注意すべきだよ」
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やはり、父さんの言うように、目立つことをすべきでないと、ぼくは反省をしていた。
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