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冷音姉
僕は貴方と共に
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僕は殺し屋。
あいつも殺し屋。
あいつと僕はライバルであり、恋人だった。
そして、運命の日が来た。
ずっと分かっていたんだ。
同じ殺し屋だから、きっといつかそういう依頼が来る事はわかっていた。
そしてそれは無情にも同じ日に、同じ様な内容の依頼だった。
僕は不意打ちなどしたくもなく僕は彼を呼び出した。海の見える高台でも、さざ波が聞こえる砂浜でも、静かで陽の光が暖かい森の中でも無く、呼んだのは出会った場所。
太陽の光も届かない路地裏。
間を隙間風が通り、ゴミにまみれたような通路。まだ地面は濡れていて薄暗い。
そしてそこに彼は来た。
貴方は来たのだ。全てを話していても。
「なんで来たの?殺されるって分かってて」
「獲物がわざわざ場所を示したなら来るだろ」
彼は肩を竦めた。やれやれと言うように。
その手にはコルトパイソンが握られていた。
「それ好きだよね。音とか五月蝿いのに」
「お前だってワルサーじゃん?」
僕が溜息をつきながら内ポケットからワルサーP99を静かに出す。その手はどの暗殺よりも震えていた。
「なぁ提案があるんだけどさ」
「何?この後に及んで」
「二人で死なないか?」
「はぁ?」
突発過ぎて飲み込めないけれど。
でもそれでもいいかと思ってしまった自分が居て。その提案に乗ってしまった。
二人で相手の眉間に銃を向けた。
どちらかが打たなければ死ぬのは自分だけ。
しかしそれをしようとする頭すら無かった。
「じゃあまたな」
「うん。またね」
1回しか撃っていないように聞こえた銃声。
それは重なり音が跳ね返り、静かに空へ消えた。
鮮血が路地裏の端まで広がる。
いつものような暗殺をした。二人。
いつもと少しだけ違ったのは持っていた銃が相手のものだったという事くらいだろう。
あいつも殺し屋。
あいつと僕はライバルであり、恋人だった。
そして、運命の日が来た。
ずっと分かっていたんだ。
同じ殺し屋だから、きっといつかそういう依頼が来る事はわかっていた。
そしてそれは無情にも同じ日に、同じ様な内容の依頼だった。
僕は不意打ちなどしたくもなく僕は彼を呼び出した。海の見える高台でも、さざ波が聞こえる砂浜でも、静かで陽の光が暖かい森の中でも無く、呼んだのは出会った場所。
太陽の光も届かない路地裏。
間を隙間風が通り、ゴミにまみれたような通路。まだ地面は濡れていて薄暗い。
そしてそこに彼は来た。
貴方は来たのだ。全てを話していても。
「なんで来たの?殺されるって分かってて」
「獲物がわざわざ場所を示したなら来るだろ」
彼は肩を竦めた。やれやれと言うように。
その手にはコルトパイソンが握られていた。
「それ好きだよね。音とか五月蝿いのに」
「お前だってワルサーじゃん?」
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「はぁ?」
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1回しか撃っていないように聞こえた銃声。
それは重なり音が跳ね返り、静かに空へ消えた。
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