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◆第1章 ゆっくりと籠に堕とされていく金糸雀

006.人の運命と心拍数は本当に決まっているのか

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 __アリスは色々なものを見ることが好きだ。


 空も花も鳥も街も雨も人も本も絵も.....__、兎に角色々なものを眺めることが好きだった。例えそれが普通のものであろうと、美しくなかろうと、人が眉を顰めるものだろうと、彼女は色々なものに関心を持った。




 __これにもやはり前世が関係するのだろう。


 前世も病弱だったせいで幼い頃は家と病院を行き来していたし、学生時代も様々な制限があった。何かあっては困るからとあまり物事への挑戦や何処かに遠出をした記憶はない。またいつも迷惑をかける分、親には他の兄弟との時間を大切にして欲しくてあまり希望も文句も言わなかったし、世間話も特にしなかった。


 親は身体に関しては過保護ではあったが、それと同時に彼女自身の思いや考え、関心ごとには無関心だったように思う。まあ、それはそれでいい。彼女に手の掛かる分、仕事に一生懸命で、寂しくて駄々をこねる兄弟たちに手を焼いていたのだから。


 そうしているうちに気が付けば高校を卒業し、彼女はそのまま就職した。彼女は早く働きたかったんだと思う。身体はその頃には随分と丈夫になっていた。


 就職先は、給料はまあまあで業務はとても忙しく、そして人間関係でも色々大変な思いもした。でも、それはそれで新鮮で楽しかった。


 きっと所謂ブラック企業というやつに就職してしまったらしい、と気づいたのは少し経ってからだ。でもそれでも良いやと思っていた。とにかく外の世界に踏み出して、早く、とにかく早く自分の知らない世界の中で生きたかった。


 __『お金を貯めて、そして色々なものを見に行くんだ』

 働きながら彼女は何回もそのことを考えていたように思う。


 今の就職先は中々休めない。それならあの怖くネチネチした中々辞めさせてくれないと噂の上司や社長たちを説得して、「辞めてから暫くは旅のようなことでもしよう」そんなことも考えた。


 自分の身体のことは自分がよく分かる。彼女は何となく「自分は長生きできそうでないなあ」とまだ20歳にもなっていないのに考えていた。何かの拍子に体調を崩してそのまま死んでしまうのだろうな、なんて予感がずっとあった。



 __しかし、は、彼女が想像したよりも随分と早く訪れてしまった。


 親には迷惑を掛けた思い出しかなく、兄弟たちとはお互い無関心。やりたかったことは全然できなかったし、見たかったものも見れなかった。友人もいたが、高校を卒業してからお互いに多忙で会うことはなかった。


 仕事ばかりをして、食べ物に拘りはなかったし、娯楽もそこまで楽しまなかった。女の子のアイドルグループを推してはいたが、それも眺めるばかりでお金はあまり掛けなかったからか、ほんの僅かの期間ではあったが貯金もまあまああった。


 __お葬式代も全然問題なさそう。


 動けなくなった彼女が真っ暗なあの部屋で最期に考えたのは、きっとそんなことだったような気がする。




 ◇◆




「__お嬢様、アリスお嬢様」
「なあに、ライラ」
「楽しいのは分かりますが、もう少し落ち着いてくださいませ」
「だって仕方ないじゃない!私、今日をとっても楽しみにしていたのよ?」


 アリスはそう言ってにっこりと笑う。彼女の専属の侍女であるライラ・メルトンは「はあ...」と大きなため息をついた。その横にいる護衛騎士のリタ・ステイサムも苦笑を浮かべている。ちなみにリタは女騎士ではあるが、剣術だけでなく、魔法も使いこなせるハイスペックな護衛である。



 アリスは今日、王都を見て回っていた。学院も王都にあるが、街を見て回れる機会は貴族の令嬢であるアリスには中々ない。そのため、今日のアリスはとても浮かれていた。街ゆく人や建物、売り物、匂いに音と何もかもにも関心を示し、キラキラとした笑顔を浮べる。


 服装は勿論町娘スタイルだ。アリスだけじゃなくライラもリタも街に友人と遊びに来た町娘の格好をしている。


 ちなみにだが、アリスの金色の瞳は色々な意味で目立つので、2番目の兄テイトの友人の魔法薬の研究者から『色変わりの目薬』をもらい、それをさしていた。


 今日の色は赤だ。グレンやクラウスと同じ色なのでアリスは朝からニコニコしている。効果が切れるまでにまだまだ時間があるので慌てる心配もなくて良い。



「お嬢様。浮かれるのは良いですが、ご自身が方向音痴である自覚を持ってください!」
「あら、自覚はあるわよ?」
「あるのなら逸れないようにもう少しゆっくりと歩きましょうね」


 今日は随分と混んでいる。ライラとリタが注意深くアリスを目で追っていても、背のあまり高くないアリスはいつの間にか人波にさらわれてしまいそうで、2人は内心ヒヤヒヤしているのだ。


「あら、ライラ。今日はアリスと呼ぶ約束でしょ?もちろんリタもよ?」
「了解です」
「分かりました。でも、アリスさんと呼びますからね」
「.....うーん、まあそれで良いわ」


 3人はアリスが小さい頃からずっと一緒だったし、アリスは2人のことを姉のように思っている。そのためこういう場では丁寧な口調で話さなくても良いと言っているのだが、やはり中々聞いてはくれない。


 まあ口調は丁寧でも過ごした時間がとても長いので、お小言は若干多い気もするが、まあそれはそれで良い。


「だからアリスさん!迷子になりますよ!」
「はいはい」
「はい、は1回ですよ?」
「分かってるわ」


 ふらーっと興味のあるものに向かって歩いていこうとする度にライラもリタもアリスを慌てて追いかけてくる。アリスはどうも彼女の両親の性質を受け継いでしまっているらしい。


 屋敷の人たちに「そういう所は旦那様と奥様に似ていますね」と言われた回数は両手足で数えるよりも多い気がする。多分アリスが身体が弱くなかったら、両親の若い頃のようにフラフラと色々な所を回っていたかもしれない。


 だって、世界はとても広い。広すぎる。見たいものが多くて、見たくないものも、見てはいけないものも沢山ある。


 __自分が一生見られるものは、この世界を構成する何パーセントなのだろう。


 アリスは前世からよくそんなことを考えていた気がする。そしてその前世で彼女が見られたのはきっとあの時代を生きていた他人よりもずっとずっと少なかったはずだ。


 家族との日常や喧嘩も衝突の思い出も薄いし、学校での日々は制限が多い。代わり映えのしない日々に飽き飽きしたり、つまらなさを感じて諦めることも、何かに挑戦しようとしたことも、それの結果である成功も失敗すらもあまりした覚えはない。アイドルグループを推していた理由は、幼い頃から人をぼんやり見ているのが好きで、その中で1番キラキラして見えたからだ。


(覚えているものを思い返せば思い返すほど何にもない人生だわ)


 正直前世の記憶で曖昧な部分が多いのは、大して何にもなかった人生からこそだろう。そんなことすら思う。


 だからこそこの人生も身体は弱いが、見られるものは沢山見ようと決めているのだ。




 ◇◆




 __この王都は北に山、東に大きな川、南に平地、西にこの国で人が1番行き来する大きな道がある。


(こういう土地って確か風水的にとても良いんだっけ?)


 なんて前世テレビかなんかで得た知識をぼんやりと思い浮かべる。この王都の中は何代か前の戦争大好き暴君王のお陰で結構複雑な造りをしている部分もあるが、その王都の周りは先程述べたような感じになっている。


(たまに思うけど、この世界ってどこか日本的なのよね。やっぱり何かの物語とかゲームの世界の中なのかしら)


 今更そのことを確認する術はないため分からないが、どうも日本と共通している部分は多くあるような気がする。


 例えば、この国は食前食後に「いただきます」や「ごちそうさまでした」を言う。何となく中世風なイメージがあったのに、そのことに気づいた時にはちょっと苦笑してしまった。他にも料理によっては箸を使うし、料理も和洋中様々だ。逆にゴチャゴチャと色々な要素が混ざりまくっていて、ちょっと混乱してしまいそうだ。



「お嬢様、たこ焼き食べましょう」
「そうね.....」
「混んでいるみたいなので、私が行ってきますね」
「お願いするわ。私とリタはここにいるから」
「はい!」



(うん。.....たこ焼きが存在していると分かった時の衝撃は未だに忘れないわ)


 アリスとリタを残してライラはとあるお店に入っていく。それをぼんやりと眺めながら、アリスは幼い日の記憶を思い出していた。




 ◇◆




 たこ焼きが存在することを知ったのは、幼いアリスが領地でまだ暮らしていた頃のことである。1番上の兄であるグレンが学院に入学した年、長期休暇で領地に帰ってきていた彼は突然言った。


『たこ焼き食べよーぜ!』


 そう言ったのだ。アリスは耳を疑った。


 __今なんて言った?たこ焼き?.....え、存在するの?、と。


 確かに料理のバリエーションが和洋中と何となく前世から馴染んでいるものも時々出てくるので、存在していても可笑しくない。しかし、前世の記憶を取り戻してまだ月日が経っていなかったその頃のアリスにとっては驚きの話だった。


 どうやらその頃の王都ではたこ焼きが流行っていたらしい。兄は学院の休日に王都にふらっと出向いた際、「試しに買って食べてみて美味しかったから、家族で食べたい」と作り方を聞いて、たこ焼きを作る用の鉄板を買って、必要そうな食材と一緒に帰ってきたらしい。やはり彼も自由人だった。


 色々ツッコミどころがある話な気もしたが、アリスは長男の行動に関しては幼いながらに「まあ、こういう人だもんな.....」という感想以外は考えないようにした。


 そして兄が帰ってきた次の日、たこ焼きパーティーが開かれた。ウチの家族は貴族ではあるが、まあ家の中では割とはっちゃけている。相変わらず「貴族たるもの.....__」云々を言うタイプではない両親や兄たちはノリノリで、屋敷に仕える者たちも巻き込んでたこ焼きパーティーをした。


 前世でたこ焼きパーティーなんてしたことがなかったので、アリスは少々感動した。アリスが嬉しそうにしているのを喜んだ家族はそれから何回もこのひっそりとした身内だけのパーティーを開いてくれる。


 ウチの家の者たちはたこ焼きが大好きである。今では中にチーズだのウィンナーだのと何でもかんでも入れてするようになった。最早たこ焼きと呼んでいいのかは分からないが、それでも楽しいと思う。




 ◇◆




「お嬢様、買ってきましたよー!」
「ライラ、呼び方が戻っているわ」
「あら、申し訳ありません!」


 ライラがたこ焼きの入った袋を片手に戻ってくる。リタが苦笑混じりにそう指摘すれば、ライラはハッとしてから「アリスさん」と言い直した。頬に朱がさしているのが、可愛くてリタと2人でくすくす笑えば、彼女もふっと笑った。


「.....では座って食べられる場所を探しましょう」
「ひとつ向こうの噴水広場に行きませんか?ベンチもあるし、噴水も素敵ですよ?」
「そうなの?行ってみましょう」


 王都の地理が分かるリタがそう言った。アリスとライラはその言葉に頷いて、彼女の後についていく。


(令嬢が街に来るなりたこ焼きを食べるってなんか不思議だわ.....)


 アリスの前世の記憶の中での令嬢たちは、たこ焼きがあったとして全然食べそうなイメージはない。まあこの世界は何回も言うが色々なところが緩いし、ズレている。それに伴ってやはり常識とか流行りも前世とは違うようだ。


 街の女の子たちの流行に未だにたこ焼きは存在し続けている。最近は変わり種が色々増えたため、スイーツぽいものから見た目を可愛くしたものまで様々だ。


(まあ美味しいし、いいか)


 __結局美味しければ良い。見た目も良ければ嬉しいし、珍しい変わり種も面白いし。


 と、アリスがそんなことを考えているうちには噴水広場に辿り着いた。広場の中心には大きくて美しい細工の施された噴水が見えた。ここの噴水は魔法陣が施されていて、時間で水の出方が変わるらしい。アリスは訪れたことがないため、話しか知らないがとても見事なものだと思った。


「アリスさん、あそこに座りましょう!丁度空いていますよ」
「本当ね。そうしましょうか」


 ライラが指を指す方を見れば、確かにベンチが空いている。3人でそこに向かい、アリスを真ん中にして座った。この後、元々カフェに行くつもりなので、たこ焼きは6個入りのものを1パック買ったらしい。


 たこ焼きを入れてあった袋からライラが薄い大きな布を引っ張り出す。そしてそれをアリスのスカートの上に広げた。この布には魔法が施してあり、食べかすやタレなどが落ちても服を汚さないようするだけでなく、食べ終わった後にこの布でパックなどのゴミを包み、印字された魔法陣に数秒手を置けば、そのまま布ごとゴミなどを集めている施設に送られ、勝手に分別してくれる優れものである。


(正直こういうのが前世にもあったらゴミ問題は割と解決しそうだわ)


 なんて思うが、あの世界には魔法がないので仕方ない。ちなみにこの布のようにゴミ袋も同じシステムで袋の口をしっかりと結んでから魔法陣に数秒手を置けば勝手に施設に転移する。


 このシステムは2年ほど前から構築され、王都ではこれが主流になりつつある。しかも、使い方によっては物流などが劇的に変わると、今では他にも色々なことに応用するための研究がされているのだ。



「ごちそうさまでした」


 3人であっという間にたこ焼きを食べ終えて、魔法の布にゴミを包んでそっと魔法陣に手を置けば、ふっとそれは消え去った。


「何回やっても不思議ね、これ」
「そうですね。まあ、何というか流石テイト様らしいというか.....」
「あの方は面倒臭がりですからね」


 __そう、このシステムを考案したのはアリスの2番目の兄であるテイトだ。

 現在は魔法の研究を行っていて、その片手間でこのシステムを考案したらしい。何でも魔法の研究には、要らない紙や使用済みの魔石など沢山のゴミが出る。ゴミが出るのは良いがそれを指定の場所に持っていくのは重いし、面倒である。しかし、誰かに持って行って貰うにしても研究室に入られるのはあまり好きじゃない。


 __よし、転移の魔法陣を良い感じに応用してゴミの収集場所に分別して送れるようにしよう。


 と、兄は自分の研究の空いた時間を利用し、僅か1週間ほどで作ってしまったのだ。


 ちなみに口を結んだり、包んだりしただけでは送らないようにするため、手を数秒魔法陣に置かないと転送できないようになっている。研究を中断している時には口を結んで隅に放置しているので、中途半端な量で飛ばさないようにするためだ。


 そしてこのシステムを作ったことが研究仲間に知られ、「テイト!これは使えるじゃないか!」と様々な改良やら実験の末、2年ほど前から王都を中心に使われるようになった。ちなみに間違えてゴミではないものを送った場合、1週間は消されないので申請すれば魔法で綺麗にされて帰ってくるらしい。


(考案したテイト兄様自身は凄いことしてる自覚があまりないのよね)


 ちなみに彼が簡単に構築し直した転移の魔法陣は元々誰でも使えるものではなかった。それを誰もが使えるようにしてしまったのは本当に凄い偉業なのだが、本人からは「え?アレは何か弄ったらできたし...」という反応しか返ってこなかった。天才というのはよく分からない。


 また、犯罪に応用されたり別目的で使用したりできないように、魔法陣のコピー防止、印字されている用途以外での使用不可、また、危険物を捨てようとした場合には場所や魔法陣に魔力を送った人間の特定ができるようになっている。他にも様々あるらしいが、普通に使う分には関係ないので、アリスは詳しくは知らない。




 テイトの話が終わると、3人はゆっくり街を散策する。雑貨や服、装飾を見たり、カフェによってお昼を食べたりなどそれなりに満喫していた。


「アリスさん、少し休憩しましょうか」
「ええ、そうね」


 ライラとリタはアリスの体調をみながら、定期的に休憩を挟むようにしていた。アリスはライラの言葉に頷いて、それから周りを見回す。すぐそこに空いているベンチがあったのでそこに座ることにした。


「..._っあ、ごめんなさい!」
「こっちこそごめんなさい」


 ベンチへ向かってアリスが歩き出そうとしたとき、男の人に軽くぶつかってしまった。丁度死角から来たので気づけなかったのだ。


「怪我はないかい?」
「はい、大丈夫です。.....ん?」
「どうかした?」


(あれ?この声どこかで.....。あとこの発音の仕方と魔力の感じ、知っている気がする。.....って、あっ!)


「お、王たい...、じゃなくて、クロード様!?」
「え、ちょ、なんでバレて.....!?」
「.........えっと...、それは.....」


 アリスは思わず言いかけた言葉をグッと飲み込み、そしてそう名前を呼んだ。明らかにアリスの知っている人物とは見た目は違うのだが、アリスの無駄に凄い人間観察能力が発揮されたせいでその正体が簡単に解ってしまった。


(何で王太子殿下であるクロード・オーリアノッド様がこんな所に、そんないかにも街の人です!みたいな格好していらっしゃるの!?)


 クロードはアリスから出た自分の名前にギョッとしている。アリスはその様子を見ながら心の中で絶叫した。アリスの後ろに控えるライラもリタもアリスの言動から何となく誰か察したのかポカンとしていた。


「.....えっと、すまないがこんな街中で正体は明かせないんだ。今日は内密で視察に来ているからね」
「わ、分かりました。しかし、見事な変装ですわね」
「.......そうなのか?.....君にたった今、瞬時に見破られたんだが.....」
「.....」


(.....確かに)


 明らかに落ち込み始めた王太子を見つめて、アリスはただ苦笑することしかできなかった。
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