8 / 200
第1話・どこへ帰る
【冬の花】
しおりを挟む
時は戻って…
私が生まれてくる2日前の1971年11月28日頃であった。
ところ変わって、カナダ・プリンスエドワード島のキャベンディッシュにあるゲストハウス内にあるレストランにて…
レストランの座席に、大きな胎《からだ》を抱えている実母とマァマたちと大番頭《おおばんと》はんと事務長《じむちょう》はんと宮出さんとケントさん夫妻が座っていた。
午後1時頃に、番頭《ばんと》はんがレストランに入った。
番頭《ばんと》はんは、大番頭《おおばんと》はんたちに会議を始めることを伝えた。
「たいへんながらくお待たせしやした。」
「ほな、ぼちぼち始めまひょか?」
大番頭《おおばんと》はんは、事務長《じむちょう》はんに『例のアレを…』と伝えた。
例のアレとは、公正証書《こうせいしょうしょ》に書き換えたセヴァスチャンじいさんの遺言書《ゆいごんしょ》である。
セヴァスチャンじいさんは、遺言書《ゆいごんしょ》を破棄してイワマツの全財産《すべて》を実母の胎内《なか》にいる私に所有権を移すと訣《き》めた。
このあと、事務長《じむちょう》はんが公正証書《こうせいしょうしょ》が入っている封筒をはさみでゆっくりと開封したあと、中身を取り出した。
その後、事務長《じむちょう》はんは実母の胎内《なか》にいる私に向けて公正証書を読み上げた。
まず、事務長《じむちょう》はんは、本籍地をここ(キャベンディッシュ)に移したことを実母と胎内《なか》にいる私に伝えた。
「その前に、コリントイワマツヨシタカグラマシーの本籍地をここ(キャベンディッシュ)ヘ移したいきさつについて申し上げる…実の父親・ラクシュイワマツヨリイエスルタンときょうこは、1971年1月に両方の戸籍抄本《こせきしょうほん》を愛媛県周桑郡東予町《えひめけんしゅうそうぐんとうよちょう》(今の西条市)の役場に移したあと、婚姻届を提出した…保証人の第三者は東予町内《ちょうない》で暮らしているヨリイエの知人の両親である…両親は模範的《もはんてき》で社会の信頼が厚《あつ》いと言うことで、保証人と認定した…戸籍抄本をここ(キャベンディッシュ)に移したいきさつは、1971年7月頃に夫婦関係が急激に冷えたので、きょうこの胎内《なか》にいるコリントイワマツヨシタカグラマシーを保護する目的で移した…保証人のご夫婦のご協力などを経て、1971年8月3日にここ(キャベンディッシュ)ヘ移した…これにより、コリントイワマツヨシタカグラマシーの出生届はここ(キャベンディッシュの役場)で提出できるようになった…よって、コリントイワマツヨシタカグラマシーの出生地ならびに本籍地はカナダ・プリンスエドワード島・キャベンディッシュ・フレンチリバー…である…と言うことを最初に伝えておく!!」
事務長《じむちょう》はんは、長い前置きを述べたあとイワマツの全財産《すべて》を実母の胎内《なか》にいる私に所有権を全部移すことと生まれて来たあとの人生設計《ライフプラン》について読み上げた。
「ひとつ…イワマツグループとイワマツ家の財産書に記載されている全財産《すべて》を、コリントイワマツヨシタカグラマシーに名義変更する…ただし、1989年11月29日までの間は、連帯立会人《れんたいたちあいにん》の管理下に置かれるので、所有権の効力は生じない…満18歳の誕生日を迎える1989年11月30日以降より仮の所有権が生じるが、引き続き連帯立会人《れんたいたちあいにん》の管理下に置かれる…正式な所有権は、法的な手続きをへて生じる…なお、コリントイワマツヨシタカグラマシーに不測の事態が発生した場合に備えるために正式な手続きを行った日から必要に応じてイワマツの全財産《すべて》を連帯立会人のもとで管理する…また、不測の事態でプロジェクトが停止した場合は、連帯立会人《れんたいたちあいにん》はイワマツの独立と安全を完全に確保することに務めること…」
ひと間隔あけて、事務長《じむちょう》はんは強い口調で言うた。
「イワマツの全財産《すべて》の所有権はコリントイワマツヨシタカグラマシーに訣定《けってい》した…つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計《ライフプラン》を発表する。」
つづいて、私の人生設計《ライフプラン》が読み上げられた。
満18歳になったらイワマツの全財産《すべて》がもらえる…
ただし、そのためには法的な手続きを取らなければならない…
私に不測の事態が生じた時は、引き続き大番頭《おおばんと》はんたちの管理下に置かれる…
…などの条件が課されていた。
そしてまた、私の人生設計《ライフプラン》はより過酷な内容が記《しる》されていた。
事務長《じむちょう》はんは、実母の胎内《なか》にいる私に対して、より厳しい条件を突きつけた。
「つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計《ライフプラン》を発表する…心して聞くがよい…ひとつ・『教育』…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本の国の小学校・中学校・全日制の高等学校へ通うことを厳禁《げんきん》とする!!」
事務長《じむちょう》はんは、実母の胎内《なか》にいる私に『日本の小学校・中学校・(公立私立問わずに)全日制《ぜんにちせい》の高等学校ヘ行くな!!』と厳命《げんめい》した。
それを聞いた施設の女性スタッフさんふたりが、おどろいた声で言うた。
「えー、そんなー!!」
「あんまりだわ!!」
事務長《じむちょう》はんは女性スタッフさんふたりに『静かにせえ!!』と怒鳴りつけたあと、日本の学校へ行くなと言う理由を説明した。
「理由はある…学校は楽しい時間を過ごす場所ではない!!…行事ごとがたくさんある、土曜日半休《バンドン》、夏休み冬休み春休み…休みがたくさんあるからと言う…全くけしからん!!…休みと友だちの家に遊びに行くことしか知らないヤカラどもがいる小学校・中学校・全日制高校《コーコー》に行ったら…コリントイワマツヨシタカグラマシーは100パーセントダメになる!!…大学も大学だ…サークル・合コン・合宿…そして、革命を起こす…目的で大学に行くやつらばかりがいるからますますけしからん!!…そなな大学に行ったら、コリントイワマツヨシタカグラマシーは100パーセントダメになる!!…よって…日本の学校へ行くことは厳禁《げんきん》だ!!…楽しい時間を過ごすことも厳禁《げんきん》だ!!」
事務長《じむちょう》はんは、ケンカ越しの口調で言うた。
女性スタッフさんふたりは、事務長《じむちょう》はんに対して異議《いぎ》を唱えた。
「異議《いぎ》あり!!」
「うちも異議《いぎ》あり!!」
事務長《じむちょう》はんの端にいた大番頭《おおばんと》はんが女性スタッフさんふたりを怒鳴りつけた。
「あんさんら!!だまって聞きなはれ!!」
「なんでジジイが横から入って来るのよ!!」
「そうよそうよ!!」
「やめなさい!!…すみませんでした…」
この時、ヨリイさんが大番頭《おおばんと》はんに対してペコペコと頭を下げてわびた。
その後、ヨリイさんは女性スタッフさんふたりを必死になだめた。
このあと、事務長《じむちょう》はんは私の『教育』に関する事項をすべて読みあげた。
つづいて、『恋愛・結婚』に関する事項が発表された。
「つづいて、『恋愛・結婚』の項目について読み上げる…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本の国で『恋愛』『お見合い』『結婚』をすることを厳禁《げんきん》とする…たとえ相手の女性が幼なじみであっても、『恋愛結婚』は一切認めない!!…コリントイワマツヨシタカグラマシーの恋愛は厳禁《げんきん》!!…とする!!」
事務長《じむちょう》はんは、よりし烈な言葉で胎内《じつぼのなか》にいる私に『恋愛厳禁《れんあいげんきん》!!』とボロクソに言うた。
それを聞いた女性スタッフさんふたりが、また事務長《じむちょう》はんに対して異議《いぎ》を唱えた。
「なんやねん一体もう!!」
「そうよ!!撤回してよ!!」
「やめなさい!!」
ヨリイさんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
事務長《じむちょう》はんは、その間に書面に記載されている項目をすべて読み上げた。
約6枚に渡ってつづられた書面を事務長《じむちょう》はんが読み上げたあと、イワマツの全財産《すべて》を私に生前贈与をするために必要な手続きを取る作業に入った。
それから30分後に、法的な手続きを取る作業が完了した。
これをもって、セヴァスチャンじいさんが書いた遺言書は完全に破棄された。
それと同時に、私の人生設計《ライフプラン》を変更することができなくなった。
人生設計《ライフプラン》を変更する場合は、大番頭《おおばんと》はんたちのグループ全員の承認をもらうこと…
…で完全に固定された。
そして…
1971年11月30日…
「オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー…」
私・コリントイワマツヨシタカグラマシーは、プリンスエドワード島のフレンチリバーの広大な土地の中にある切妻屋根の家で多民族多国籍の男性としてこの世に生まれた。
日本人の名前であるけど、日本国籍がない…
それと同時に、私はセヴァスチャンじいさんと大番頭《おおばんと》はんたちが訣《き》めた人生を歩むことになった。
それから23年後…
私は、路頭に迷っていた。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
再び、夜行快速ムーンライトの車内にて…
私は、ウォークマンで歌を聴きながら考え事をしていた。
イヤホンから、鮎川いずみさんの歌で『冬の花』が流れていた。
私は…
もしかしたら…
だまされた…と思う。
大番頭《おおばんと》はんたちは…
どこにいるのだろうか?
仕事に必要な資格9999億9999万9999種類と合計9999億9999万9999号の修士号・博士号とアメリカ合衆国の小学校・中学校・高等学校とマサチューセッツ工科大学の卒業証書は、イワマツの財産書《もくろく》と一緒に大番頭《おおばんと》はんたちのもとで管理されている…
あれがないと、イワマツを作るお仕事ができなくなる…
一刻も早くなんとかしないと…
私が生まれてくる2日前の1971年11月28日頃であった。
ところ変わって、カナダ・プリンスエドワード島のキャベンディッシュにあるゲストハウス内にあるレストランにて…
レストランの座席に、大きな胎《からだ》を抱えている実母とマァマたちと大番頭《おおばんと》はんと事務長《じむちょう》はんと宮出さんとケントさん夫妻が座っていた。
午後1時頃に、番頭《ばんと》はんがレストランに入った。
番頭《ばんと》はんは、大番頭《おおばんと》はんたちに会議を始めることを伝えた。
「たいへんながらくお待たせしやした。」
「ほな、ぼちぼち始めまひょか?」
大番頭《おおばんと》はんは、事務長《じむちょう》はんに『例のアレを…』と伝えた。
例のアレとは、公正証書《こうせいしょうしょ》に書き換えたセヴァスチャンじいさんの遺言書《ゆいごんしょ》である。
セヴァスチャンじいさんは、遺言書《ゆいごんしょ》を破棄してイワマツの全財産《すべて》を実母の胎内《なか》にいる私に所有権を移すと訣《き》めた。
このあと、事務長《じむちょう》はんが公正証書《こうせいしょうしょ》が入っている封筒をはさみでゆっくりと開封したあと、中身を取り出した。
その後、事務長《じむちょう》はんは実母の胎内《なか》にいる私に向けて公正証書を読み上げた。
まず、事務長《じむちょう》はんは、本籍地をここ(キャベンディッシュ)に移したことを実母と胎内《なか》にいる私に伝えた。
「その前に、コリントイワマツヨシタカグラマシーの本籍地をここ(キャベンディッシュ)ヘ移したいきさつについて申し上げる…実の父親・ラクシュイワマツヨリイエスルタンときょうこは、1971年1月に両方の戸籍抄本《こせきしょうほん》を愛媛県周桑郡東予町《えひめけんしゅうそうぐんとうよちょう》(今の西条市)の役場に移したあと、婚姻届を提出した…保証人の第三者は東予町内《ちょうない》で暮らしているヨリイエの知人の両親である…両親は模範的《もはんてき》で社会の信頼が厚《あつ》いと言うことで、保証人と認定した…戸籍抄本をここ(キャベンディッシュ)に移したいきさつは、1971年7月頃に夫婦関係が急激に冷えたので、きょうこの胎内《なか》にいるコリントイワマツヨシタカグラマシーを保護する目的で移した…保証人のご夫婦のご協力などを経て、1971年8月3日にここ(キャベンディッシュ)ヘ移した…これにより、コリントイワマツヨシタカグラマシーの出生届はここ(キャベンディッシュの役場)で提出できるようになった…よって、コリントイワマツヨシタカグラマシーの出生地ならびに本籍地はカナダ・プリンスエドワード島・キャベンディッシュ・フレンチリバー…である…と言うことを最初に伝えておく!!」
事務長《じむちょう》はんは、長い前置きを述べたあとイワマツの全財産《すべて》を実母の胎内《なか》にいる私に所有権を全部移すことと生まれて来たあとの人生設計《ライフプラン》について読み上げた。
「ひとつ…イワマツグループとイワマツ家の財産書に記載されている全財産《すべて》を、コリントイワマツヨシタカグラマシーに名義変更する…ただし、1989年11月29日までの間は、連帯立会人《れんたいたちあいにん》の管理下に置かれるので、所有権の効力は生じない…満18歳の誕生日を迎える1989年11月30日以降より仮の所有権が生じるが、引き続き連帯立会人《れんたいたちあいにん》の管理下に置かれる…正式な所有権は、法的な手続きをへて生じる…なお、コリントイワマツヨシタカグラマシーに不測の事態が発生した場合に備えるために正式な手続きを行った日から必要に応じてイワマツの全財産《すべて》を連帯立会人のもとで管理する…また、不測の事態でプロジェクトが停止した場合は、連帯立会人《れんたいたちあいにん》はイワマツの独立と安全を完全に確保することに務めること…」
ひと間隔あけて、事務長《じむちょう》はんは強い口調で言うた。
「イワマツの全財産《すべて》の所有権はコリントイワマツヨシタカグラマシーに訣定《けってい》した…つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計《ライフプラン》を発表する。」
つづいて、私の人生設計《ライフプラン》が読み上げられた。
満18歳になったらイワマツの全財産《すべて》がもらえる…
ただし、そのためには法的な手続きを取らなければならない…
私に不測の事態が生じた時は、引き続き大番頭《おおばんと》はんたちの管理下に置かれる…
…などの条件が課されていた。
そしてまた、私の人生設計《ライフプラン》はより過酷な内容が記《しる》されていた。
事務長《じむちょう》はんは、実母の胎内《なか》にいる私に対して、より厳しい条件を突きつけた。
「つづいて、コリントイワマツヨシタカグラマシーの人生設計《ライフプラン》を発表する…心して聞くがよい…ひとつ・『教育』…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本の国の小学校・中学校・全日制の高等学校へ通うことを厳禁《げんきん》とする!!」
事務長《じむちょう》はんは、実母の胎内《なか》にいる私に『日本の小学校・中学校・(公立私立問わずに)全日制《ぜんにちせい》の高等学校ヘ行くな!!』と厳命《げんめい》した。
それを聞いた施設の女性スタッフさんふたりが、おどろいた声で言うた。
「えー、そんなー!!」
「あんまりだわ!!」
事務長《じむちょう》はんは女性スタッフさんふたりに『静かにせえ!!』と怒鳴りつけたあと、日本の学校へ行くなと言う理由を説明した。
「理由はある…学校は楽しい時間を過ごす場所ではない!!…行事ごとがたくさんある、土曜日半休《バンドン》、夏休み冬休み春休み…休みがたくさんあるからと言う…全くけしからん!!…休みと友だちの家に遊びに行くことしか知らないヤカラどもがいる小学校・中学校・全日制高校《コーコー》に行ったら…コリントイワマツヨシタカグラマシーは100パーセントダメになる!!…大学も大学だ…サークル・合コン・合宿…そして、革命を起こす…目的で大学に行くやつらばかりがいるからますますけしからん!!…そなな大学に行ったら、コリントイワマツヨシタカグラマシーは100パーセントダメになる!!…よって…日本の学校へ行くことは厳禁《げんきん》だ!!…楽しい時間を過ごすことも厳禁《げんきん》だ!!」
事務長《じむちょう》はんは、ケンカ越しの口調で言うた。
女性スタッフさんふたりは、事務長《じむちょう》はんに対して異議《いぎ》を唱えた。
「異議《いぎ》あり!!」
「うちも異議《いぎ》あり!!」
事務長《じむちょう》はんの端にいた大番頭《おおばんと》はんが女性スタッフさんふたりを怒鳴りつけた。
「あんさんら!!だまって聞きなはれ!!」
「なんでジジイが横から入って来るのよ!!」
「そうよそうよ!!」
「やめなさい!!…すみませんでした…」
この時、ヨリイさんが大番頭《おおばんと》はんに対してペコペコと頭を下げてわびた。
その後、ヨリイさんは女性スタッフさんふたりを必死になだめた。
このあと、事務長《じむちょう》はんは私の『教育』に関する事項をすべて読みあげた。
つづいて、『恋愛・結婚』に関する事項が発表された。
「つづいて、『恋愛・結婚』の項目について読み上げる…コリントイワマツヨシタカグラマシーは、日本の国で『恋愛』『お見合い』『結婚』をすることを厳禁《げんきん》とする…たとえ相手の女性が幼なじみであっても、『恋愛結婚』は一切認めない!!…コリントイワマツヨシタカグラマシーの恋愛は厳禁《げんきん》!!…とする!!」
事務長《じむちょう》はんは、よりし烈な言葉で胎内《じつぼのなか》にいる私に『恋愛厳禁《れんあいげんきん》!!』とボロクソに言うた。
それを聞いた女性スタッフさんふたりが、また事務長《じむちょう》はんに対して異議《いぎ》を唱えた。
「なんやねん一体もう!!」
「そうよ!!撤回してよ!!」
「やめなさい!!」
ヨリイさんは、必死になって女性スタッフさんふたりをなだめた。
事務長《じむちょう》はんは、その間に書面に記載されている項目をすべて読み上げた。
約6枚に渡ってつづられた書面を事務長《じむちょう》はんが読み上げたあと、イワマツの全財産《すべて》を私に生前贈与をするために必要な手続きを取る作業に入った。
それから30分後に、法的な手続きを取る作業が完了した。
これをもって、セヴァスチャンじいさんが書いた遺言書は完全に破棄された。
それと同時に、私の人生設計《ライフプラン》を変更することができなくなった。
人生設計《ライフプラン》を変更する場合は、大番頭《おおばんと》はんたちのグループ全員の承認をもらうこと…
…で完全に固定された。
そして…
1971年11月30日…
「オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー、オギャー…」
私・コリントイワマツヨシタカグラマシーは、プリンスエドワード島のフレンチリバーの広大な土地の中にある切妻屋根の家で多民族多国籍の男性としてこの世に生まれた。
日本人の名前であるけど、日本国籍がない…
それと同時に、私はセヴァスチャンじいさんと大番頭《おおばんと》はんたちが訣《き》めた人生を歩むことになった。
それから23年後…
私は、路頭に迷っていた。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
再び、夜行快速ムーンライトの車内にて…
私は、ウォークマンで歌を聴きながら考え事をしていた。
イヤホンから、鮎川いずみさんの歌で『冬の花』が流れていた。
私は…
もしかしたら…
だまされた…と思う。
大番頭《おおばんと》はんたちは…
どこにいるのだろうか?
仕事に必要な資格9999億9999万9999種類と合計9999億9999万9999号の修士号・博士号とアメリカ合衆国の小学校・中学校・高等学校とマサチューセッツ工科大学の卒業証書は、イワマツの財産書《もくろく》と一緒に大番頭《おおばんと》はんたちのもとで管理されている…
あれがないと、イワマツを作るお仕事ができなくなる…
一刻も早くなんとかしないと…
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
天穹は青く
梅林 冬実
現代文学
母親の無理解と叔父の存在に翻弄され、ある日とうとう限界を迎えてしまう。
気付けば傍に幼い男の子がいて、その子は尋ねる。「どうしたの?」と。
普通に生きたい。それだけだった。頼れる人なんて、誰もいなくて。
不意に訪れた現実に戸惑いつつも、自分を見つめ返す。その先に見えるものとは。
生きてたまるか
黒白さん
現代文学
20××年4月×日、人類は消え、世界は終わった。
滅びのその日に、東京の真ん中で、ただひとり生き残っていた僕がしたことは、デパートで高級食材を漁り、食べ続けただけ。それだけ。
好きなことをやりたい放題。誰にも怒られない。何をしてもいい。何もしなくてもいい。
初めて明日がちょっとだけ待ち遠しくなっていた。
でも、死にたい……。
DEAD ENDにはさせない
ふかゆきすのう
現代文学
昔から正義感が強く、子供の時からの夢だった警察官になった歩は、地元で交番勤務をしていた。その仕事にやり甲斐も感じていたが、彼の写真がネットに流出し、“イケメンすぎる警察官”として本人の知らないところで騒がれてしまった。それをきっかけにスカウトされて芸能界入りした歩は、タレント、俳優、モデルを熟し、経験を積み重ね、わずか数年で国民的な人気俳優にまで上り詰めた。その彼がある日突然この世を去った。日本中が悲しみに包まれる中、その死に納得できない女性ファンの一人が、現実を変えたくてある物語を執筆する。
“彼のいる現実”を描いた――
『DEAD ENDにはさせない』という物語を…
虚飾ねずみとお人好し聖女
Rachel
恋愛
ドンと誰かがぶつかったとき、リーズは首が少し引っ張られた気がした。いけない……物取りだわ!
市場の人混みの中、リーズは形見の首飾りを少年にすられそうになるが、すかさず相手の手首を掴む。
「お願いよ、返して! それは亡くなったお母様の肖像画なの!」
必死の懇願に、少年は立ち止まると舌打ちしながらも首飾りを返してくれて……。
路上で生きてきた青年ルカと、彼に恋をする商家の娘リーズの物語。
※「聖女」「ねずみ」は比喩のため本物は出てきません。
【完結】『ながらスマホで56歳のおっさん霊を憑依させざるを得なくなった23歳の女劇団員「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」の物語』
M‐赤井翼
現代文学
赤井です。
突然ですが、いきなり書き下ろしの新連載です。
7月13日に「赤井先生、「JK心亜ちゃん」の興行が好評だったんで、既に発注してる「OL心亜ちゃん」の前にもう一本「霊もの」書いてほしいねんけど!別の脚本家の「本」がボツ喰らっちゃったみたいで監督さんから急に8月興行ネタを頼まれてしもたんよ。今回も製本配布するんで公開スタートは19日、稿了は8月9日で200ページね!連載はお盆前後で完結でよろひこー!」ってな感じで、突如、制作スタート!
毎度のことながらゴーストライターに「拒否権」はナッシング(笑)。
今作は、納品先の新エースの「OL心亜ちゃん」役の女の子に合わせての設定で23歳の新人脚本家の「音玄万沙《ねくろ・まんさ》」ちゃん!
変な名前でしょ?「ネクロマンサー」っていうのは「死者や霊をを用いた術(ネクロマンシー)を使う人」で「屍術師」なんて言われ方もしますね。
赤井の大好きな名作アニメ「ゾンビランドサガ」1stシーズンの主題歌「徒花ネクロマンシー」の「ネクロマンシー」ですね。
まあ、万沙ちゃんはゾンビを蘇らせて「佐賀を救う」わけでもないし、降霊術を使って「世直し」するようなキャラじゃない(笑)。
そんな仰々しい物じゃなく、普通の23歳の女の子です。
自らのながらスマホの自転車事故で死ぬ予定だったんだけど、ひょんなことで巻き込まれた無関係の56歳のおっちゃんが代わりに死んじゃいます。その場で万沙ちゃんは「死神」から「現世」での「懲役務」として、死んだおっちゃんと1年半の「肉体一時使用貸借契約」することになっちゃうんですねー!
元「よろずコンサルタント」の「副島大《そえじま・ひろし》」の霊を憑依させての生活が始まります。
まあ、クライアントさんの納品先が「社会派」の監督さんなんで、「ながらスマホ」、「ホストにはまる女子高生」、「ブラック企業の新卒」、「連帯保証人債務」、「賃貸住宅物件の原状回復」、「いろんな金融業者」等々、社会問題について書けるとこまで書いてみたいと思いますので「ゆるーく」お付き合いください。
今回も書き上げ前の連載になりますので「目次」無しでスタートです(笑)。
では、7月19日からよろひこー!(⋈◍>◡<◍)。✧💓
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる