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第22話
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「オラオドレ出てこい三河島!!」
「わしらからよおけ(たくさん)ゼニ借りといて逃げる気でいるのか!!」
「ゼニ返せ!!」
7月26日頃のことであった。
多香子とあきひことふさこが暮らしていた公団住宅の部屋の前に、サングラスをかけて、リーゼントのだらしない服装をしている男4人前後が押し掛けて来て、あきひこが抱えている借金を返せと言うて怒鳴り散らしていた。
この時、あきひこがヤミ金から大量に借金をしていたことが発覚した。
キンリンの住民のみなさまは、ヒソヒソと話をしていた。
あきひこは、職場で高給取りで金回りがいいことが原因で上の人から若い従業員さんたちの晩ごはんのお世話をしてほしいと頼まれてばかりいたので、金策に困り果ててしまったあげくにヤミ金に手を出していた。
多香子は、遠くからやくざの男たちが大声で叫んでいる様子を冷めた目付きで見つめていた。
今の多香子は、あきひことやり直すと余力は残っていなかった。
なんなのかしらねあきひこは…
人から頼まれたことを次々と引き受けてばかりいたから…
肝心なところにおカネが回らなくなってしまったのでしょ…
多香子は、この後あきひこが勤めていた職場へ行って、退職願いを出すことした。
ところ変わって、あきひこが勤務していた工場の配送の事務所にて…
多香子は、主任の男性にあきひこは職場放棄をして行方をくらませたのでクビにしてほしいと言うた。
これに対して、主任の男性はものすごく困った表情で多香子に言うた。
「奧さま…三河島さんのサイフをあてにし続けて若い従業員さんたちに晩ごはんのお世話をお願いしていたことにつきましては、悪いことをしたと思っています…奧さま…ホンマにすんまへんでした。」
「アタシにあやまったから許してもらえると想っていたら大きな間違いだわ!!どうして人の家のおカネをアテにし続けていたのかしらね!!なんとか言いなさいよボロ主任!!」
「わかってはります…奧さまにあやまったからこらえてもらえるなんて想ってまへんねん…」
「なんなのかしらあんたは!!それではあんたに聞くけれども、若い従業員さんたちが料理をすることができんと言うことはどー言うわけなのかしらね!!」
「奧さま…若い従業員さんたちはホンマに料理がでけんのだよ…親御さんから『男子チュウボウに入るべからずと言われてはるので、ホンマに料理がでけんのだよ…」
「アホみたい…なーにが『男子チュウボウに入るべからずだから料理がでけんのだよ…』かしらね…それだったら料理教室にでも行かせなさいよ!!」
「料理教室行かせたいのですが…料理をしているときにやけどやケガをしてしまったらどないすんねんな…そなな危ないことをさせることでけんのだよぉ…」
「だからダンナのお給料をアテにしていると言うわけなのかしら!!」
「すんまへん…若い従業員さんたちをこらえてやってーな…若い従業員さんたちはホンマに生活が苦しいのだよ…お給料が上がらへん…結婚したくても、お給料が極力安い…」
「ますますはがいたらしいわね!!若い従業員さんたちをここへ呼びなさいよ!!人の家のおカネをアテにし続けていたら、将来ダメになってしまうわよと怒るから!!」
「奧さま…分かりました…若い従業員さんたちをこらえてーな…冷めているお弁当がイヤだと言っているので、電子レンジを買います…温かいお茶を入れるポットも買いますから…ホンマにこらえてください…この通りでおますがな…」
多香子は、主任の男性を冷めた目付きで見つめながらこう想っていた。
サイテーね…
人の家のおカネをアテにし続けてばかりいておいて…
自分は悪いことをしたと言う気持ちがゼンゼンないみたいねぇ…
何が『男子チュウボウに入るべからず』なのよ…
何が『料理を作ることができん』のよ…
ダンナがいる職場は…
若い従業員さんたちを甘やかすだけ甘やかしているから…
自力で生きて行くと言うことができなくなってしまったと言うことに気がつきなさいよ!!
多香子は、怒って職場を飛び出した後、あきひことふさこと一緒に暮らしていた部屋に一度戻って、金目の物を根こそぎ強奪した。
多香子は、強奪した金品がぎっしりと詰まっている紙袋を持って、公団住宅を飛び出した。
なんなのかしらもう…
ダンナがいる職場の経営者は、自分たちの会社を守って行こうと言う意志がゼンゼンないみたいねぇ…
もうダメ!!
あきひこのことは絶対に許さないわ!!
多香子は、この日を境にして下妻から足が遠のいた。
「わしらからよおけ(たくさん)ゼニ借りといて逃げる気でいるのか!!」
「ゼニ返せ!!」
7月26日頃のことであった。
多香子とあきひことふさこが暮らしていた公団住宅の部屋の前に、サングラスをかけて、リーゼントのだらしない服装をしている男4人前後が押し掛けて来て、あきひこが抱えている借金を返せと言うて怒鳴り散らしていた。
この時、あきひこがヤミ金から大量に借金をしていたことが発覚した。
キンリンの住民のみなさまは、ヒソヒソと話をしていた。
あきひこは、職場で高給取りで金回りがいいことが原因で上の人から若い従業員さんたちの晩ごはんのお世話をしてほしいと頼まれてばかりいたので、金策に困り果ててしまったあげくにヤミ金に手を出していた。
多香子は、遠くからやくざの男たちが大声で叫んでいる様子を冷めた目付きで見つめていた。
今の多香子は、あきひことやり直すと余力は残っていなかった。
なんなのかしらねあきひこは…
人から頼まれたことを次々と引き受けてばかりいたから…
肝心なところにおカネが回らなくなってしまったのでしょ…
多香子は、この後あきひこが勤めていた職場へ行って、退職願いを出すことした。
ところ変わって、あきひこが勤務していた工場の配送の事務所にて…
多香子は、主任の男性にあきひこは職場放棄をして行方をくらませたのでクビにしてほしいと言うた。
これに対して、主任の男性はものすごく困った表情で多香子に言うた。
「奧さま…三河島さんのサイフをあてにし続けて若い従業員さんたちに晩ごはんのお世話をお願いしていたことにつきましては、悪いことをしたと思っています…奧さま…ホンマにすんまへんでした。」
「アタシにあやまったから許してもらえると想っていたら大きな間違いだわ!!どうして人の家のおカネをアテにし続けていたのかしらね!!なんとか言いなさいよボロ主任!!」
「わかってはります…奧さまにあやまったからこらえてもらえるなんて想ってまへんねん…」
「なんなのかしらあんたは!!それではあんたに聞くけれども、若い従業員さんたちが料理をすることができんと言うことはどー言うわけなのかしらね!!」
「奧さま…若い従業員さんたちはホンマに料理がでけんのだよ…親御さんから『男子チュウボウに入るべからずと言われてはるので、ホンマに料理がでけんのだよ…」
「アホみたい…なーにが『男子チュウボウに入るべからずだから料理がでけんのだよ…』かしらね…それだったら料理教室にでも行かせなさいよ!!」
「料理教室行かせたいのですが…料理をしているときにやけどやケガをしてしまったらどないすんねんな…そなな危ないことをさせることでけんのだよぉ…」
「だからダンナのお給料をアテにしていると言うわけなのかしら!!」
「すんまへん…若い従業員さんたちをこらえてやってーな…若い従業員さんたちはホンマに生活が苦しいのだよ…お給料が上がらへん…結婚したくても、お給料が極力安い…」
「ますますはがいたらしいわね!!若い従業員さんたちをここへ呼びなさいよ!!人の家のおカネをアテにし続けていたら、将来ダメになってしまうわよと怒るから!!」
「奧さま…分かりました…若い従業員さんたちをこらえてーな…冷めているお弁当がイヤだと言っているので、電子レンジを買います…温かいお茶を入れるポットも買いますから…ホンマにこらえてください…この通りでおますがな…」
多香子は、主任の男性を冷めた目付きで見つめながらこう想っていた。
サイテーね…
人の家のおカネをアテにし続けてばかりいておいて…
自分は悪いことをしたと言う気持ちがゼンゼンないみたいねぇ…
何が『男子チュウボウに入るべからず』なのよ…
何が『料理を作ることができん』のよ…
ダンナがいる職場は…
若い従業員さんたちを甘やかすだけ甘やかしているから…
自力で生きて行くと言うことができなくなってしまったと言うことに気がつきなさいよ!!
多香子は、怒って職場を飛び出した後、あきひことふさこと一緒に暮らしていた部屋に一度戻って、金目の物を根こそぎ強奪した。
多香子は、強奪した金品がぎっしりと詰まっている紙袋を持って、公団住宅を飛び出した。
なんなのかしらもう…
ダンナがいる職場の経営者は、自分たちの会社を守って行こうと言う意志がゼンゼンないみたいねぇ…
もうダメ!!
あきひこのことは絶対に許さないわ!!
多香子は、この日を境にして下妻から足が遠のいた。
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