220 / 240
第22話・砂の十字架
【岡山は女の泣くところ】
しおりを挟む
時は、夜8時頃であった。
ところ変わって、岡山城・後楽園(日本三大庭園)のすぐ近くにある石山公園にて…
公園のテーブルの上にジャスコで購入した缶ビール2本と肉ぎょうざが置かれていた。
私は、ライトアップされている岡山城《おしろ》をめでながら缶ビールをのみながらつぶやいた。
きれいだな…
カクテル光線に染められている岡山城《おしろ》がとてもきれいだな…
ひとりでのむのはさみしいな…
やっぱり…
好きなカノジョと一緒に…
カクテル光線にそまった岡山城《おしろ》を見つめながら…
ビールをのみたいな…
それから1時間50分後であった。
私は、しめの大盛りソース焼きそばと3種のサラダで夕食を摂った。
公園には、夜10時半頃まで滞在した。
日付けが変わって、10月8日の深夜0時40分頃であった。
私は、ショルダーバッグを持って柳町通りを歩いていた。
通りにナイトクラブや風俗店などが立ち並んでいた。
若いカップルさんたちやなじみ客とドーハンで出勤するホステスさんや女子大生のグループたちが通りをおうらいしていた。
通りのスピーカーから内田よしハルさんの歌で『岡山は女の泣くところ』が流れていた。
店の前に立っている客引《ポンび》きのニイチャンたちが道行く人たちに対して『お安くしときますよ~』とか『サービスしますよ~』などと言うていた。
私は、店で遊ぶゆとりは全くないのだよ…
客がほしいのであれば、他の客をとれよ…
…とつぶやきながら歩いた。
それからまた20分後であった。
この時、私はあちらこちらをやみくもに歩き回ったことが原因で道に迷った。
それが原因で、えげつない現場に遭遇《そうぐう》した。
私はこの時、田町にあるお寺さんの近くを歩いていた。
この時、お寺のケイダイからなさけない男の声とヤクザの怒った声が聞こえた。
お寺に誰がいるのか?
不審に思った私は、門の手前で足を止めたあと門の影に隠れた。
そこから私は、ケイダイの様子を見た。
あれは、陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》にいたジョーネンジの御曹司《クソガキ》と番頭《ばんと》はんだ…
なんでこんなところで話し合いをしているのだ…
ジョーネンジの御曹司《クソガキ》は、番頭《ばんと》はんに対してなさけない声で言うた。
「こらえてくれよ~…今のオレはまっとうなカタギなんだよ~…仕事も順調で、恋愛結婚で結ばれた嫁さんとラブラブで…イチヒメニタロウサンサンシで幸せいっぱいなんだよ…あんたはふざけとんか!?オドレクソチンピラ!!なんとか言え!!」
やきそばヘアでももけた腹巻き姿の番頭《ばんと》はんは、怒りを込めながら御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!そう言うオドレも陸自少年工科学校《りくじのコーコー》で悪いことばかりしていたやないかぇ!!おい御曹司《クソガキ》!!オドレは田嶋組《うちのくみ》にいちゃもんつけておいて逃げる気か!?」
「いちゃもんつけたのはあんただ!!」
「なんやワレ!!オドレは田嶋《うち》に焚きつける気か!?」
「焚きつけて来たのはあんただ!!オドレよくもじいちゃんの名誉を傷つけたな!!じいちゃんはキゾクインを六期務めたんだぞ!!神奈川県イチえらい人なんだよ!!」
「なにがえらい人だか…キゾクインってなんや?…オドレのジジイがマロだと言うことがまだ分かんねえのかよ?」
「マロ…じいちゃんはヘーアンキゾクじゃないのだよ~」
「違わねーよ…どないにいうてもオドレのジジイはマロなんだよ!!…そなな話はどうでもええ!!…おい御曹司《クソガキ》!!オドレは誰のおかげで助かったと思とんや!?」
「なんのことだよ?」
「オドレはもう忘れたのか!?今から30年前にオドレが陸自少年工科学校《りくじのコーコー》から脱走した事件を犯したことを忘れたのか!?」
「もうとっくに忘れたよ~」
「なんやワレ!!オドレがサツにパクられた時を思い出せ!!誰のおかげで助かったと思ってるのだ!?」
「しらねーよ~」
「オドレはワシをグロウしとんか!?」
「グロウしたのはあんただよバカ!!」
「なにィ!!バカとはなんや!?」
「バカをバカと言うたらいかんのか虫けら!!」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ関東者《よそもん》!!」
「なんだとこの野郎!!ミミズ!!ゲジゲジ!!ブイブイ!?」
御曹司《アホンダラ》からボロクソに言われた番頭《ばんと》はんは、ブチ切れ一歩手前におちいった。
「なんやオドレ!!言いたいことはそれだけか!?」
「ああそうだよクソバカ!!くるくるパーのやきそば頭のボロい服を着たホイト!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で言うた。
「オドレ御曹司《クソガキ》!!言いたいことはそれだけか!?…ほんなら、あの時の恩をアダで返すと言うことだな…ああ!!」
「なんだよ!!逆ギレ野郎!!」
「オドレはあの時『身元引受人がおらん~』と言うてビービービービービービービービービービー泣きよった!!ビービービービー泣きよるオドレに助けの手を差し伸べたのは誰かわかっとんか!?」
「忘れたよ~」
「この野郎…あの時ビービービービー泣きよったオドレに助けの手を差し伸べたのは、風早連合の飯豊会長《かいちょうはん》や!!…飯豊会長《かいちょうはん》が知人の弁護士にオドレの身元引受人を頼んだのだぞ!!…オドレが脱走事件を犯したことで実家の親御《おや》からカンドーされた…帰る家をなくしたオドレのためにあれこれと動いてくださった飯豊会長《かいちょうはん》の気持ちが分からんのか!?…『帰る家がない~』『ジエータイはイヤだ!!』『センジョーに行きたくない!!』『人殺しをしたくない!!』…とさんざん言うたからわしはオドレを引き取った…ほんでオドレは二岡総裁《おやっさん》と盃《さかずき》をかわした!!…オドレはその時『わいの命を二岡総裁《おやっさん》にささげるとちかった…オドレはどこのどこまでうそつきだ!?」
「うそつきはオドレだろ…」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「バカをバカと言うたらいかんのかクソチンピラ!!」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんやオドレ!!」
「オドレがそこまでボロクソに言うのであれば、ワシにも考えがあるぞ!!」
「どうする気だ!?家族に手出しする気か!?」
「おい御曹司《クソガキ》!!オドレは盃《さかずき》をかわした総裁《おや》の思いをわやにして逃げる気か!?…オドレは今から20年前に上納金《くみのカネ》5000万を持って逃げた…上納金《くみのカネ》はどこへやった!?」
「しらねーよ!!…オレはあんたのところから逃げたあと、知人のアニキのところへ逃げ込んだ…今のオレの用心棒《ケツモチ》は誰かわかっとんか!?…オレの用心棒《ケツモチ》は具同会だぞ!!具同会の四村総裁《おやっさん》だぞ!!どうだ!!なんとか言えよ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《アホンダラ》に言うた。
「御曹司《クソガキ》が言いたいことはよく分かったわ!!オドレが田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を盗んで逃げたあと、具同会《ぐどうかい》に寝返った…と言う話を聞いたので…生きて返すわけには行かんぞ…オドレが12年前に今治の市街地を爆破した事件についても知ってるのだぞ!!」
「しらねーよ~」
「ふざけるな!!あの事件の実行を指示したやつは誰や!?…やっぱり四村総裁《よむら》か!?」
「違う!!おれたちで実行した!!…イワマツがにくいかったから…」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんだよ!!」
「オドレは誰に頼まれて市街地《まち》を爆破した!?」
「オレ一人でした!!ジエータイの弾薬庫から盗んだ弾薬を使った!!」
「他には!?」
「他にはねえよ!!」
「よくわかった…ほんなら、カネ出せ!!」
「カネ…カネってなんだよ?」
「田嶋《うち》の上納金《ゼニ》や!!」
「あれは、いるおカネなんだよ!!妻が出産する時に必要なおカネなんだよ!!」
「そうか…ほんなら返さないと言うことだな…」
「ふざけるなよ!!今から四村総裁《おやっさん》にチクるからな!!」
「ほー、オドレええドキョーしてまんな…それならそれなりの覚悟はできてると言うことだな!!」
「ああ、できてるさ…テメェに払うカネなんか1円もねえんだよボケ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!きょうはこのくらいにしといたらぁ…けど…わしは田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を返してもらうまではなんどもサイソクするからな…カクゴしとけ!!ああ!!」
番頭《ばんと》はんは、御曹司《クソガキ》をイカクしたあとその場から立ち去った。
門の影に隠れていた私は、ゆっくりと現場から立ち去った。
こわい…
こわい…
どうしよう…
どうしたらいいのだ…
(ブロロロロ…)
時は、深夜3時50分頃であった。
私は、国道2号線と30号線がクロスする青江交差点《こうさてん》の付近にあるコンビニへ逃げたあとヒッチハイクした長距離トラックに乗って旅に出た。
トラックは、国道2号線を通って神戸・大阪方面へ向かった。
車内にある仮眠ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情でつぶやいた。
御曹司《あのヤロー》…
番頭《ばんと》はんにたきつけて行ったらどうなるのか…
…と言うことが分かってないみたいや…
もっと分からないのは、ヤクザを利用するだけ利用したら自分が利用されると言うことに気がついてない…
御曹司《あのヤロー》は、なんで陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》に来たのか?
御曹司《あのヤロー》は、なんで親御《おや》にカンドーされたのかと言うことが全く分かってない…
もうダメだな…
だけど…
私は、くだらないもめ事に付き合っているヒマはない…
一刻も早く大番頭《おおばんと》はんたちを見つけないと…
急げ…
もう時間がない!!
ところ変わって、岡山城・後楽園(日本三大庭園)のすぐ近くにある石山公園にて…
公園のテーブルの上にジャスコで購入した缶ビール2本と肉ぎょうざが置かれていた。
私は、ライトアップされている岡山城《おしろ》をめでながら缶ビールをのみながらつぶやいた。
きれいだな…
カクテル光線に染められている岡山城《おしろ》がとてもきれいだな…
ひとりでのむのはさみしいな…
やっぱり…
好きなカノジョと一緒に…
カクテル光線にそまった岡山城《おしろ》を見つめながら…
ビールをのみたいな…
それから1時間50分後であった。
私は、しめの大盛りソース焼きそばと3種のサラダで夕食を摂った。
公園には、夜10時半頃まで滞在した。
日付けが変わって、10月8日の深夜0時40分頃であった。
私は、ショルダーバッグを持って柳町通りを歩いていた。
通りにナイトクラブや風俗店などが立ち並んでいた。
若いカップルさんたちやなじみ客とドーハンで出勤するホステスさんや女子大生のグループたちが通りをおうらいしていた。
通りのスピーカーから内田よしハルさんの歌で『岡山は女の泣くところ』が流れていた。
店の前に立っている客引《ポンび》きのニイチャンたちが道行く人たちに対して『お安くしときますよ~』とか『サービスしますよ~』などと言うていた。
私は、店で遊ぶゆとりは全くないのだよ…
客がほしいのであれば、他の客をとれよ…
…とつぶやきながら歩いた。
それからまた20分後であった。
この時、私はあちらこちらをやみくもに歩き回ったことが原因で道に迷った。
それが原因で、えげつない現場に遭遇《そうぐう》した。
私はこの時、田町にあるお寺さんの近くを歩いていた。
この時、お寺のケイダイからなさけない男の声とヤクザの怒った声が聞こえた。
お寺に誰がいるのか?
不審に思った私は、門の手前で足を止めたあと門の影に隠れた。
そこから私は、ケイダイの様子を見た。
あれは、陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》にいたジョーネンジの御曹司《クソガキ》と番頭《ばんと》はんだ…
なんでこんなところで話し合いをしているのだ…
ジョーネンジの御曹司《クソガキ》は、番頭《ばんと》はんに対してなさけない声で言うた。
「こらえてくれよ~…今のオレはまっとうなカタギなんだよ~…仕事も順調で、恋愛結婚で結ばれた嫁さんとラブラブで…イチヒメニタロウサンサンシで幸せいっぱいなんだよ…あんたはふざけとんか!?オドレクソチンピラ!!なんとか言え!!」
やきそばヘアでももけた腹巻き姿の番頭《ばんと》はんは、怒りを込めながら御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!そう言うオドレも陸自少年工科学校《りくじのコーコー》で悪いことばかりしていたやないかぇ!!おい御曹司《クソガキ》!!オドレは田嶋組《うちのくみ》にいちゃもんつけておいて逃げる気か!?」
「いちゃもんつけたのはあんただ!!」
「なんやワレ!!オドレは田嶋《うち》に焚きつける気か!?」
「焚きつけて来たのはあんただ!!オドレよくもじいちゃんの名誉を傷つけたな!!じいちゃんはキゾクインを六期務めたんだぞ!!神奈川県イチえらい人なんだよ!!」
「なにがえらい人だか…キゾクインってなんや?…オドレのジジイがマロだと言うことがまだ分かんねえのかよ?」
「マロ…じいちゃんはヘーアンキゾクじゃないのだよ~」
「違わねーよ…どないにいうてもオドレのジジイはマロなんだよ!!…そなな話はどうでもええ!!…おい御曹司《クソガキ》!!オドレは誰のおかげで助かったと思とんや!?」
「なんのことだよ?」
「オドレはもう忘れたのか!?今から30年前にオドレが陸自少年工科学校《りくじのコーコー》から脱走した事件を犯したことを忘れたのか!?」
「もうとっくに忘れたよ~」
「なんやワレ!!オドレがサツにパクられた時を思い出せ!!誰のおかげで助かったと思ってるのだ!?」
「しらねーよ~」
「オドレはワシをグロウしとんか!?」
「グロウしたのはあんただよバカ!!」
「なにィ!!バカとはなんや!?」
「バカをバカと言うたらいかんのか虫けら!!」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ関東者《よそもん》!!」
「なんだとこの野郎!!ミミズ!!ゲジゲジ!!ブイブイ!?」
御曹司《アホンダラ》からボロクソに言われた番頭《ばんと》はんは、ブチ切れ一歩手前におちいった。
「なんやオドレ!!言いたいことはそれだけか!?」
「ああそうだよクソバカ!!くるくるパーのやきそば頭のボロい服を着たホイト!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で言うた。
「オドレ御曹司《クソガキ》!!言いたいことはそれだけか!?…ほんなら、あの時の恩をアダで返すと言うことだな…ああ!!」
「なんだよ!!逆ギレ野郎!!」
「オドレはあの時『身元引受人がおらん~』と言うてビービービービービービービービービービー泣きよった!!ビービービービー泣きよるオドレに助けの手を差し伸べたのは誰かわかっとんか!?」
「忘れたよ~」
「この野郎…あの時ビービービービー泣きよったオドレに助けの手を差し伸べたのは、風早連合の飯豊会長《かいちょうはん》や!!…飯豊会長《かいちょうはん》が知人の弁護士にオドレの身元引受人を頼んだのだぞ!!…オドレが脱走事件を犯したことで実家の親御《おや》からカンドーされた…帰る家をなくしたオドレのためにあれこれと動いてくださった飯豊会長《かいちょうはん》の気持ちが分からんのか!?…『帰る家がない~』『ジエータイはイヤだ!!』『センジョーに行きたくない!!』『人殺しをしたくない!!』…とさんざん言うたからわしはオドレを引き取った…ほんでオドレは二岡総裁《おやっさん》と盃《さかずき》をかわした!!…オドレはその時『わいの命を二岡総裁《おやっさん》にささげるとちかった…オドレはどこのどこまでうそつきだ!?」
「うそつきはオドレだろ…」
「なんや!!もういっぺん言うてみろ!!」
「ふざけるなクソバカ!!」
「バカとはなんや!!」
「バカをバカと言うたらいかんのかクソチンピラ!!」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんやオドレ!!」
「オドレがそこまでボロクソに言うのであれば、ワシにも考えがあるぞ!!」
「どうする気だ!?家族に手出しする気か!?」
「おい御曹司《クソガキ》!!オドレは盃《さかずき》をかわした総裁《おや》の思いをわやにして逃げる気か!?…オドレは今から20年前に上納金《くみのカネ》5000万を持って逃げた…上納金《くみのカネ》はどこへやった!?」
「しらねーよ!!…オレはあんたのところから逃げたあと、知人のアニキのところへ逃げ込んだ…今のオレの用心棒《ケツモチ》は誰かわかっとんか!?…オレの用心棒《ケツモチ》は具同会だぞ!!具同会の四村総裁《おやっさん》だぞ!!どうだ!!なんとか言えよ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《アホンダラ》に言うた。
「御曹司《クソガキ》が言いたいことはよく分かったわ!!オドレが田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を盗んで逃げたあと、具同会《ぐどうかい》に寝返った…と言う話を聞いたので…生きて返すわけには行かんぞ…オドレが12年前に今治の市街地を爆破した事件についても知ってるのだぞ!!」
「しらねーよ~」
「ふざけるな!!あの事件の実行を指示したやつは誰や!?…やっぱり四村総裁《よむら》か!?」
「違う!!おれたちで実行した!!…イワマツがにくいかったから…」
「おい御曹司《クソガキ》!!」
「なんだよ!!」
「オドレは誰に頼まれて市街地《まち》を爆破した!?」
「オレ一人でした!!ジエータイの弾薬庫から盗んだ弾薬を使った!!」
「他には!?」
「他にはねえよ!!」
「よくわかった…ほんなら、カネ出せ!!」
「カネ…カネってなんだよ?」
「田嶋《うち》の上納金《ゼニ》や!!」
「あれは、いるおカネなんだよ!!妻が出産する時に必要なおカネなんだよ!!」
「そうか…ほんなら返さないと言うことだな…」
「ふざけるなよ!!今から四村総裁《おやっさん》にチクるからな!!」
「ほー、オドレええドキョーしてまんな…それならそれなりの覚悟はできてると言うことだな!!」
「ああ、できてるさ…テメェに払うカネなんか1円もねえんだよボケ!!」
番頭《ばんと》はんは、ものすごく怒った声で御曹司《クソガキ》に言うた。
「おい御曹司《クソガキ》!!きょうはこのくらいにしといたらぁ…けど…わしは田嶋《うち》の上納金《ゼニ》を返してもらうまではなんどもサイソクするからな…カクゴしとけ!!ああ!!」
番頭《ばんと》はんは、御曹司《クソガキ》をイカクしたあとその場から立ち去った。
門の影に隠れていた私は、ゆっくりと現場から立ち去った。
こわい…
こわい…
どうしよう…
どうしたらいいのだ…
(ブロロロロ…)
時は、深夜3時50分頃であった。
私は、国道2号線と30号線がクロスする青江交差点《こうさてん》の付近にあるコンビニへ逃げたあとヒッチハイクした長距離トラックに乗って旅に出た。
トラックは、国道2号線を通って神戸・大阪方面へ向かった。
車内にある仮眠ベットに寝ている私は、ぼんやりとした表情でつぶやいた。
御曹司《あのヤロー》…
番頭《ばんと》はんにたきつけて行ったらどうなるのか…
…と言うことが分かってないみたいや…
もっと分からないのは、ヤクザを利用するだけ利用したら自分が利用されると言うことに気がついてない…
御曹司《あのヤロー》は、なんで陸自少年工科学校《りくじのダンシコー》に来たのか?
御曹司《あのヤロー》は、なんで親御《おや》にカンドーされたのかと言うことが全く分かってない…
もうダメだな…
だけど…
私は、くだらないもめ事に付き合っているヒマはない…
一刻も早く大番頭《おおばんと》はんたちを見つけないと…
急げ…
もう時間がない!!
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【新作】読切超短編集 1分で読める!!!
Grisly
現代文学
⭐︎登録お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐︎登録忘れずに!コメントお待ちしております。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる