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第5話・あゝ無情

【しらけちまうぜ】

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さて、その頃であった。

またところ変わって、大阪泉佐野市《せんしゅうさの》のりんくうタウンにあるワシントンホテルにて…

ホテル内にある大型披露宴場でひとくみのカップルの結婚披露宴がひらかれていた。

結婚披露宴《ひろうえん》の主役は、ゆきさんの一人息子《むすこ》・君波哲人《きみなみてつと》(25歳)と大学にいた時に知り合ったカノジョ(24歳くらい)である。

出席者は、新郎新婦の共通の友人知人たちと新婦側の家の親族たちだけであった。

君波《しんろう》の家の親族たちは、ひとりも出席していなかった。

披露宴は、新婦さんの幼なじみの男性さんの司会で進行された。

披露宴の前半は、とごこおりなく無事に終わった。

話は、ビュッフェスタイルの立食パーティが行われている時であった。

哲人《てつと》のもとに大番頭《おおばんと》はんの妻・ゆりさんたちの母で哲人《てつと》の祖母《ばあば》のいとがやって来た。

いとは、ものすごく怒った表情で哲人《てつと》に言うた。

「哲人《てつと》!!」
「(哲人、おどろいた声で言う)ばあば。」
「これは一体なんなのよ!?」
「だから、大学の時に知り合ったカノジョと結婚するから…」
「哲人《てつと》!!」
「なんだよばあば~」
「お前はどこのどこまで甘えているのよ!!」
「甘えてなんかいないよ~」
「お前は、誰のおかげで京都の大学に行けたと思っているのよ!?」
「誰のおかげって…」
「大学で取り組んでいた研究が世に認められて表彰されたからカノジョと恋愛結婚《けっこん》したと言うけど…ばあばはお前とカノジョの結婚には大反対よ!!」
「だから君波《きみなみ》の家には招待状を送らなかったんだよ…帰れよ!!」

哲人《てつと》から『帰れよ!!』と言われたいとはカチンと来た。

「もう怒ったわよ!!哲人《てつと》!!結婚披露宴《ひろうえん》が終わったあと、すぐに実家《いえ》に来なさい!!」
「結婚披露宴《ひろうえん》が終わったら二次会があるのだよ~」
「ばあばの言う事を聞きなさい!!」
「ふざけるな!!」

哲人《てつと》といとがひどい大ゲンカを繰り広げた。

結婚披露宴《ひろうえん》の後半は、カノジョのみで行われた。

予定されていた二次会は、都合により中止になった。

またところ変わって、大西町九王《おおにしくおう》のビーマックの工場にて…

イワマツグループのA・Bの2班のメンバーたちと三浦工業《みうらのほんしゃ》の担当者さまとビーマックの本社の担当者さまは、1日の予定が終了したので80人乗りの特大バスに乗り込んだところであった。

午後2時半頃に、80人乗りの特大バスがビーマックの工場から出発した。

午後2時55分頃に80人乗りの特大バスがビーマックの本社に到着した。

ビーマックの本社の担当者さまがバスから降りたあと、特大バスが出発した。

ビーマックの本社のみなさまは、大きく手をふりながらバスを見送った。

バスは、国道196号線バイパスと高速道路を経由して松山市内へ向かった。

夕方5時10分頃に、80人乗りの特大バスが三浦工業《みうらのほんしゃ》の敷地に到着した。

担当者がバスから降りたあと、特大バスが出発した。

三浦工業《みうらのほんしゃ》のみなさまは、大きく手をふりながらバスを見送った。

特大バスは、三浦工業《みうらのほんしゃ》を出発したあと松山空港へ向かった。

(ゴーッ…)

時は、夜7時過ぎであった。

A・Bの2班のメンバーたちが乗っている専用機が松山空港から飛び立った。

専用機は、夜8時頃に大阪伊丹国際空港に到着した。

A・Bの2班のメンバーたちは、専用機から降りたあとワインカラーの阪急バスのロゴ入りの80人乗りの特大バスに乗り込んだ。

夜8時半頃であった。

A・Bの2班のメンバーたちが乗り込んだ80人乗りの特大バスが大阪伊丹国際空港から出発した。

バスは、阪神高速道路を通って目的地へ向かった。

時は、夜9時半過ぎであった。

またところ変わって、大阪堺市中三国ケ丘町《さかいなかみくにがおかちょう》にある特大サイズの和風建築の家にて…

100人入ることができる特大広間のテーブルにゆなさんとゆみさんといとと哲人《てつと》とゆきさんの再婚夫《ムコハン》の君波明憲《きみなみあきのり》がいた。

台所には、哲人《てつと》のカノジョがいた。

テーブルの上には、カノジョが作った晩ごはんが並んでいた。

特大広間のテレビの前に、大番頭《おおばんと》はんといとの六女・蔵本《くらもと》ゆらさんが寝っ転がっていた。

この家には、いとと明憲《ムコハン》と明憲《ムコハン》の連れ子・沙都水《さとみ》(31歳・OL)とあかり(20歳くらい・女子大生)と明憲《ムコハン》が愛人《おんな》に産ませた子・拡憲《ひろのり》(小4)のあわせて5人が暮らしていた。

哲人《てつと》は、京都府にあるマンスリーマンションで暮らしていたのでいとたちとは別々に暮らしている。

ゆらさんは、サンコーの商社マンのダンナと結婚したあと実家の近くにある借家に移り住んだけど、ダンナが長期海外出張中《タンシンフニンチュウ》なので、ここで暮らしている。

話は戻って…

哲人《てつと》とカノジョは、披露宴の二次会をやむなく中止にしたあと実家《ここ》へ来た。

いとは、哲人《てつと》とカノジョの恋愛結婚したことに対してより強い不満を抱えていた。

なので、いとはゆきさんと大番頭《おおばんと》はんに対して実家《うち》に帰るように電話した。

ゆなさんとゆみさんは、旅の途中で大阪に立ち寄った。

この時に『実家《いえ》に帰って来て!!』と言われたので仕方なく来た。

テーブルの上には、哲人《てつと》のカノジョが作った晩ごはんが並んでいた。

メニューは、グリーンサラダ・きんぴらごぼう・ひじき・サワラの味噌煮とテーブルの真ん中に置かれている大皿に盛られているたくあん漬けと白ごはんと麦みそのみそ汁である。

ゆらさんは、寝っ転がった状態でテレビを見ながらぼんち揚げを食べていた。

テレビの画面は、読売テレビが映っていた。

この時間は、『エンタの神様』スペシャルが放送されていた。

ゆらさんは、画面に映っている青木さやかさんの一人コントがおもろいので『キャハハハハハ…』と笑い転げていた。

ゆなさんとゆみさんは、しらけた表情でゆらさんを見つめていた。

そこへ、イワマツグループのA・Bの2班のメンバーたちが実家《いえ》に到着した。

大番頭《おおばんと》はんは、いとに声をかけた。

「ただいま~」

いとは、困った表情で大番頭《おおばんと》はんに言うた。

「あなた!!ただいまじゃないでしょ!!」
「いと、なにひとりで目くじら立ててんねん…」
「哲人《てつと》が勝手なことをしたから怒ってるのよ!!」
「哲人《てつと》がどなな悪いことしたんぞ?」
「哲人《てつと》が大学で取り組んでいた研究が世に認められて表彰されたのでカノジョと結婚すると言うたのよ!!」
「せやからどないせえ言うねん?」
「哲人《てつと》とカノジョが恋愛結婚《けっこん》したことが気に入らないから怒ってるのよ!!」

この時、一緒にいたゆきさんがつらそうな声で言うた。

「おかーちゃん、そないにガーガーおらばないでよ~…うちらはしんどいのよ~」

いとは、怒った声でゆきさんに言うた。

「ゆき!!」
「なんやねんおかーちゃん~」
「あんたはそれでも母親なの!?」
「おかーちゃん、なにひとりで怒ってんねん~」
「哲人《てつと》がカノジョと恋愛結婚《けっこん》したことが気に入らないから怒ってるのよ!!」
「せやからどないせえ言うねん~」
「母親だったら、怒りなさい!!…平手打ちで哲人《てつと》をどつくなりして言う事を聞かせなさい!!」

この時であった。

ゆらさんが大きな声で『キャハハハハハハハハ…』と笑っている声が聞こえた。

ゆらさんが大きな声で笑っているのを聞いたゆりさんが思い切りブチ切れた。

「…ったくも!!」

テレビの前に寝転がっているゆらさんは、テレビの画面に映っているネプチューンの漫才がおもろいので『キャハハハハハハハハ…』と笑っていた。

(プツン…)

この時、テレビの画面が切れた。

思い切りブチ切れたゆりさんは、リモコンを使って電源を切ったあとゆらさんに怒った声で言うた。

「ゆら!!」
「なにすんねん…って、ゆりねーちゃん…」
「あんたはノンキでいいわね!!」
「なに怒ってんねん~」
「うちが非常事態におちいっていると言うのに、寝っ転がってテレビを見ながら大きな口をあけてぼんち揚げを食べていたから思い切り怒ってるのよ!!」

この時、ゆみさんが止めに入った。

「ゆりねーちゃん、落ち着いてよ~」
「落ち着いてるわよ!!」
「ゆりねーちゃんは頭に血が昇ったらすぐにカッとなりやすいからやめてよ!!」
「分かってるわよ!!」

ゆみさんは、ゆりさんをなだめたあとゆらさんに言うた。

「ゆら!!あんたもいかんのよ!!」
「なんでうちもいかんねん~」
「ゆらは周りからデリカシーがないと言われている理由がまだ分からないの!?」
「頭がコンランしているから分からないよぅ~」

この時、ゆかさんが『コラー!!』と言うて怒った。

ゆらさんは、ゆかさんに泣きそうな声で言うた。

「なんでゆかねーちゃんも怒るねん~」
「あんたはどこのどこまでノンキにかまえているのよ!!」
「そないにボロクソに言わんでもええやん!!」
「どついたろか!!」

この時、いとが泣きそうな声でゆりさんたちきょうだいに言うた。

「あんたたちやめなさい!!」

いとに怒鳴られたゆりさんたちは、ケンカを止めた。

このあと、A・Bの2班のメンバーたちは、特大広間にあがった。

一行は、ここで夕食を摂ることにした。
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