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本編
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王太子との2度目の接触から1週間、隣女子の目線はたまに怖いし、好奇の目にはまだまだ晒されてたけど、私は平穏無事に過ごしてた。
今日は久々セレスちゃんからランチのお誘いで、うっきうきで約束の中庭に向かったんだ。早速木陰のベンチに座るセレスちゃん発見!
「セレスちゃんお待たせ~!」
手振りながら駆け寄ったんだけど、セレスちゃん何かに気を取られてるみたいで私に気付かず……何見てるんだろ?
セレスちゃんの目線を辿ってみる。人目に付かない建物の影で一人の女生徒が数人の女生徒に取り囲まれてた。
「イジメ?」
「あ!アンジェリカ様!気付かずごめんなさい!」
「今きたとこだから大丈夫!それより彼女知り合い?」
セレスちゃん困ったみたいに眉ハの字にした。
「いえ、直接は……ただ社交界で有名な方ですので」
へえ有名人で難癖でもつけられてるのかな?私じっくり取り囲まれてる女子を眺めた。あ、あれ!?あれって誰だっけな、メリーじゃなくてえーと……サリーちゃんだ!
「確か有力貴族(♂)達と仲良しなんだっけ?」
「はい。婚約者の方が居ようがお構いなしに、その……なので大変女性の恨みを買っているようです」
不思議なんだよね、あの素朴そうな所が男性に受けてるのかなぁ?取り囲んでる女性陣達の方が着飾ってて華やかに見えるし。
だから余計に「なんでこんな女に!?」ってマウンティング魂を煽っちゃうのかな。まあそれが全て計算だとしたら……いやいやまさかね。
え?助けに行かないのかって?アンジェリカの過去がそんなこと許しません!もう立ち位置的にアンジェリカって悪役よ!いじめっ子達責めるようなことしたら全部ブーメランだから!は?お前が今更何言ってんの?プークスクスってなるから!(号泣)
「アンジェリカ様、私って嫌な女なんです」
「え!?セレスちゃんが!?」
私からみたらマジ天使なのにな。
「私がメレディスを好きだと気付いたきっかけの女性がヒートン男爵令嬢だったんです」
確か嫉妬で恋心に気付いたんだったよね。ってことはメレディスさんもサリーちゃんにちょっかいかけられてたのか。アーサーもそうみたいだし、ちょっと男側の話聞いてみたいな。
「彼女があんな風に責め立てられていたとしても……私……」
「セレスちゃん……過去の私もああやって令嬢イビリしてたんでしょ?」
イビってたのは元アンジェリカさんですけどね!
「あ、ええとその……そうらしい、ですね」
うんうん、本人目の前に言いづらいよねー。
「そんな私に誰も責める権利はない!だからセレスちゃん、思う存分愚痴っていいからね!」
ドヤ顔で胸ぽんって叩いたら、セレスちゃんおっきな目まん丸くして笑い出した。
「ふふ、あはは!アンジェリカ様ったら!ありがとうございます」
うんうん、いい笑顔。大好きな友達には笑ってて欲しいよね。
「少し心が軽くなった気がします。アンジェリカ様、私今は正直になりますね。ヒートン男爵令嬢を助けには行きたくありません」
「うんうん、私もいかないしサリーちゃんもあの位覚悟の上でしょ。それだけヘイト集めまくってるんだからさ」
サリーちゃんに関しては前に一回会ったきりだけど何だろな、噂とか抜きにしてもお近付きになりたい、とか肩入れしたいとかそういう気持ちが全然湧かない。むしろあんまり近寄りたくないんだ。女の子は基本好きなんだけどね、不思議。
まぁ直接的な暴力でもあったら止めに行ったかもだけど、特にそういうのもなさそうだったから放っておいた。
そしてセレスちゃんとおしゃべり楽しんでるうちに、サリーちゃん達もいつの間にか居なくなってた。
サリーちゃんの実家は商いやってるし、積極的に有力貴族と繋がるのは何かと都合良いのは分かる。ただこんなに同性のヘイト集めるやり方は不味いよねぇ。いつか大事にならなきゃいいけどな……
今日は久々セレスちゃんからランチのお誘いで、うっきうきで約束の中庭に向かったんだ。早速木陰のベンチに座るセレスちゃん発見!
「セレスちゃんお待たせ~!」
手振りながら駆け寄ったんだけど、セレスちゃん何かに気を取られてるみたいで私に気付かず……何見てるんだろ?
セレスちゃんの目線を辿ってみる。人目に付かない建物の影で一人の女生徒が数人の女生徒に取り囲まれてた。
「イジメ?」
「あ!アンジェリカ様!気付かずごめんなさい!」
「今きたとこだから大丈夫!それより彼女知り合い?」
セレスちゃん困ったみたいに眉ハの字にした。
「いえ、直接は……ただ社交界で有名な方ですので」
へえ有名人で難癖でもつけられてるのかな?私じっくり取り囲まれてる女子を眺めた。あ、あれ!?あれって誰だっけな、メリーじゃなくてえーと……サリーちゃんだ!
「確か有力貴族(♂)達と仲良しなんだっけ?」
「はい。婚約者の方が居ようがお構いなしに、その……なので大変女性の恨みを買っているようです」
不思議なんだよね、あの素朴そうな所が男性に受けてるのかなぁ?取り囲んでる女性陣達の方が着飾ってて華やかに見えるし。
だから余計に「なんでこんな女に!?」ってマウンティング魂を煽っちゃうのかな。まあそれが全て計算だとしたら……いやいやまさかね。
え?助けに行かないのかって?アンジェリカの過去がそんなこと許しません!もう立ち位置的にアンジェリカって悪役よ!いじめっ子達責めるようなことしたら全部ブーメランだから!は?お前が今更何言ってんの?プークスクスってなるから!(号泣)
「アンジェリカ様、私って嫌な女なんです」
「え!?セレスちゃんが!?」
私からみたらマジ天使なのにな。
「私がメレディスを好きだと気付いたきっかけの女性がヒートン男爵令嬢だったんです」
確か嫉妬で恋心に気付いたんだったよね。ってことはメレディスさんもサリーちゃんにちょっかいかけられてたのか。アーサーもそうみたいだし、ちょっと男側の話聞いてみたいな。
「彼女があんな風に責め立てられていたとしても……私……」
「セレスちゃん……過去の私もああやって令嬢イビリしてたんでしょ?」
イビってたのは元アンジェリカさんですけどね!
「あ、ええとその……そうらしい、ですね」
うんうん、本人目の前に言いづらいよねー。
「そんな私に誰も責める権利はない!だからセレスちゃん、思う存分愚痴っていいからね!」
ドヤ顔で胸ぽんって叩いたら、セレスちゃんおっきな目まん丸くして笑い出した。
「ふふ、あはは!アンジェリカ様ったら!ありがとうございます」
うんうん、いい笑顔。大好きな友達には笑ってて欲しいよね。
「少し心が軽くなった気がします。アンジェリカ様、私今は正直になりますね。ヒートン男爵令嬢を助けには行きたくありません」
「うんうん、私もいかないしサリーちゃんもあの位覚悟の上でしょ。それだけヘイト集めまくってるんだからさ」
サリーちゃんに関しては前に一回会ったきりだけど何だろな、噂とか抜きにしてもお近付きになりたい、とか肩入れしたいとかそういう気持ちが全然湧かない。むしろあんまり近寄りたくないんだ。女の子は基本好きなんだけどね、不思議。
まぁ直接的な暴力でもあったら止めに行ったかもだけど、特にそういうのもなさそうだったから放っておいた。
そしてセレスちゃんとおしゃべり楽しんでるうちに、サリーちゃん達もいつの間にか居なくなってた。
サリーちゃんの実家は商いやってるし、積極的に有力貴族と繋がるのは何かと都合良いのは分かる。ただこんなに同性のヘイト集めるやり方は不味いよねぇ。いつか大事にならなきゃいいけどな……
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