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本編

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「君がグレンシュフォンティエルを選んだのは8歳の時だ。そして散々蔑ろにされてきたことも知ってる。気持は変わらないの?」

そもそもその気持が私には分かりません!元アンジェリカさん色んな爪痕残してくれてさんきゅー!ありがとおおお!もうこっからは私目線で語らせてもらいます!

「幼い頃のことです、正直あまり覚えていません。でも」

私シアさんの目を真っ直ぐ見た。

「グレンシュフォンティエル殿下の事は嫌いではありませんし、彼となら結婚してもいいと思ってます」

好きとか嫌いとかそういう気持ちはこの際置いておいて、これは正直な気持ちだ。
桜木杏梨ごと受け入れてくれたグレンと結婚する――私の懸案事項ガンガン塗りつぶしていくし、今のところ相手としては最良って認めざるを得ないんだよね。
でも何かこうイマイチ素直になれないっていうか、認めるのが癪な感じしちゃうんだけどさ。出会い方が悪過ぎたんかな?

まあそれでも前ほどグレンのことはイヤじゃないし、むしろ(不本意ながらも)一番安心できる存在って気付いちゃったもんね。

なら私は元アンジェリカみたいにグレン大好きモード全開にしてた方が王太子サイド諦めさせるのには都合いいんじゃない?
そうと決まれば私の取るべき行動も決まった。

「そう……でも人の気持ちは変わるものだからね。アンジェリカ、気が変わったらいつでもおいで」

シアさんは意味深に笑って私の頬っぺたスリって撫でるとデコチューしおった!

「アンリ!」

え!?振り返るとなんとグレンが居た!

「兄上、彼女は私の婚約者です。戯れはお止め下さい」

グレンは私の手を引くと思いっきり抱き締めた。く、苦しいギブギブ!!

「散々蔑ろにしてきた婚約者だろ?今更気でも変わったのか?」

な、なんかシアさんの空気が変わった。ほわんとした綺麗なおね…お兄さんって感じだったけど、今は背中に氷点下の冷気を感じます。顔は怖くて見れません!

「俺が愚かだったのです。彼女の素晴らしさに気付かず散々傷付けた。これからは誰よりも大事にしていきます」

う……方便ってわかってるんだけどさ、ヤバいこれジーンてくるね。元アンジェリカに聞かせてあげたかったな……グレンがここまでしてくれたんだ、私も一肌脱ぎましょう!ぎゅっとなけなしの女子力総動員してグレンに抱き付いた。

「グレンありがとう……私もあなたを誰より大切にします」

「アンリ……!」

グレン更に強く抱くというより締め、締まってます!痛ででで!でも今は我慢!

「そんな茶番で見せつけてるつもり?あーあ興が削がれちゃった。今日のところは帰るよ、またねアンジェリカ」
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