37 / 77
本編
35
しおりを挟む
「君がグレンシュフォンティエルを選んだのは8歳の時だ。そして散々蔑ろにされてきたことも知ってる。気持は変わらないの?」
そもそもその気持が私には分かりません!元アンジェリカさん色んな爪痕残してくれてさんきゅー!ありがとおおお!もうこっからは私目線で語らせてもらいます!
「幼い頃のことです、正直あまり覚えていません。でも」
私シアさんの目を真っ直ぐ見た。
「グレンシュフォンティエル殿下の事は嫌いではありませんし、彼となら結婚してもいいと思ってます」
好きとか嫌いとかそういう気持ちはこの際置いておいて、これは正直な気持ちだ。
桜木杏梨ごと受け入れてくれたグレンと結婚する――私の懸案事項ガンガン塗りつぶしていくし、今のところ相手としては最良って認めざるを得ないんだよね。
でも何かこうイマイチ素直になれないっていうか、認めるのが癪な感じしちゃうんだけどさ。出会い方が悪過ぎたんかな?
まあそれでも前ほどグレンのことはイヤじゃないし、むしろ(不本意ながらも)一番安心できる存在って気付いちゃったもんね。
なら私は元アンジェリカみたいにグレン大好きモード全開にしてた方が王太子サイド諦めさせるのには都合いいんじゃない?
そうと決まれば私の取るべき行動も決まった。
「そう……でも人の気持ちは変わるものだからね。アンジェリカ、気が変わったらいつでもおいで」
シアさんは意味深に笑って私の頬っぺたスリって撫でるとデコチューしおった!
「アンリ!」
え!?振り返るとなんとグレンが居た!
「兄上、彼女は私の婚約者です。戯れはお止め下さい」
グレンは私の手を引くと思いっきり抱き締めた。く、苦しいギブギブ!!
「散々蔑ろにしてきた婚約者だろ?今更気でも変わったのか?」
な、なんかシアさんの空気が変わった。ほわんとした綺麗なおね…お兄さんって感じだったけど、今は背中に氷点下の冷気を感じます。顔は怖くて見れません!
「俺が愚かだったのです。彼女の素晴らしさに気付かず散々傷付けた。これからは誰よりも大事にしていきます」
う……方便ってわかってるんだけどさ、ヤバいこれジーンてくるね。元アンジェリカに聞かせてあげたかったな……グレンがここまでしてくれたんだ、私も一肌脱ぎましょう!ぎゅっとなけなしの女子力総動員してグレンに抱き付いた。
「グレンありがとう……私もあなたを誰より大切にします」
「アンリ……!」
グレン更に強く抱くというより締め、締まってます!痛ででで!でも今は我慢!
「そんな茶番で見せつけてるつもり?あーあ興が削がれちゃった。今日のところは帰るよ、またねアンジェリカ」
そもそもその気持が私には分かりません!元アンジェリカさん色んな爪痕残してくれてさんきゅー!ありがとおおお!もうこっからは私目線で語らせてもらいます!
「幼い頃のことです、正直あまり覚えていません。でも」
私シアさんの目を真っ直ぐ見た。
「グレンシュフォンティエル殿下の事は嫌いではありませんし、彼となら結婚してもいいと思ってます」
好きとか嫌いとかそういう気持ちはこの際置いておいて、これは正直な気持ちだ。
桜木杏梨ごと受け入れてくれたグレンと結婚する――私の懸案事項ガンガン塗りつぶしていくし、今のところ相手としては最良って認めざるを得ないんだよね。
でも何かこうイマイチ素直になれないっていうか、認めるのが癪な感じしちゃうんだけどさ。出会い方が悪過ぎたんかな?
まあそれでも前ほどグレンのことはイヤじゃないし、むしろ(不本意ながらも)一番安心できる存在って気付いちゃったもんね。
なら私は元アンジェリカみたいにグレン大好きモード全開にしてた方が王太子サイド諦めさせるのには都合いいんじゃない?
そうと決まれば私の取るべき行動も決まった。
「そう……でも人の気持ちは変わるものだからね。アンジェリカ、気が変わったらいつでもおいで」
シアさんは意味深に笑って私の頬っぺたスリって撫でるとデコチューしおった!
「アンリ!」
え!?振り返るとなんとグレンが居た!
「兄上、彼女は私の婚約者です。戯れはお止め下さい」
グレンは私の手を引くと思いっきり抱き締めた。く、苦しいギブギブ!!
「散々蔑ろにしてきた婚約者だろ?今更気でも変わったのか?」
な、なんかシアさんの空気が変わった。ほわんとした綺麗なおね…お兄さんって感じだったけど、今は背中に氷点下の冷気を感じます。顔は怖くて見れません!
「俺が愚かだったのです。彼女の素晴らしさに気付かず散々傷付けた。これからは誰よりも大事にしていきます」
う……方便ってわかってるんだけどさ、ヤバいこれジーンてくるね。元アンジェリカに聞かせてあげたかったな……グレンがここまでしてくれたんだ、私も一肌脱ぎましょう!ぎゅっとなけなしの女子力総動員してグレンに抱き付いた。
「グレンありがとう……私もあなたを誰より大切にします」
「アンリ……!」
グレン更に強く抱くというより締め、締まってます!痛ででで!でも今は我慢!
「そんな茶番で見せつけてるつもり?あーあ興が削がれちゃった。今日のところは帰るよ、またねアンジェリカ」
0
お気に入りに追加
2,153
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ヒロインではないので婚約解消を求めたら、逆に追われ監禁されました。
曼珠沙華
恋愛
「運命の人?そんなの君以外に誰がいるというの?」
きっかけは幼い頃の出来事だった。
ある豪雨の夜、窓の外を眺めていると目の前に雷が落ちた。
その光と音の刺激のせいなのか、ふと前世の記憶が蘇った。
あ、ここは前世の私がはまっていた乙女ゲームの世界。
そしてローズという自分の名前。
よりにもよって悪役令嬢に転生していた。
攻略対象たちと恋をできないのは残念だけど仕方がない。
婚約者であるウィリアムに婚約破棄される前に、自ら婚約解消を願い出た。
するとウィリアムだけでなく、護衛騎士ライリー、義弟ニコルまで様子がおかしくなり……?
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです
古里@10/25シーモア発売『王子に婚約
恋愛
「お前との婚約を破棄する」
クラウディアはイケメンの男から婚約破棄されてしまった……
クラウディアはその瞬間ハッとして目を覚ました。
ええええ! 何なのこの夢は? 正夢?
でも、クラウディアは属国のしがない男爵令嬢なのよ。婚約破棄ってそれ以前にあんな凛々しいイケメンが婚約者なわけないじゃない! それ以前に、クラウディアは継母とその妹によって男爵家の中では虐められていて、メイドのような雑用をさせられていたのだ。こんな婚約者がいるわけない。 しかし、そのクラウディアの前に宗主国の帝国から貴族の子弟が通う学園に通うようにと指示が来てクラウディアの運命は大きく変わっていくのだ。果たして白馬の皇子様との断罪を阻止できるのか?
ぜひともお楽しみ下さい。
天才と呼ばれた彼女は無理矢理入れられた後宮で、怠惰な生活を極めようとする
カエデネコ
恋愛
※カクヨムの方にも載せてあります。サブストーリーなども書いていますので、よかったら、お越しくださいm(_ _)m
リアンは有名私塾に通い、天才と名高い少女であった。しかしある日突然、陛下の花嫁探しに白羽の矢が立ち、有無を言わさず後宮へ入れられてしまう。
王妃候補なんてなりたくない。やる気ゼロの彼女は後宮の部屋へ引きこもり、怠惰に暮らすためにその能力を使うことにした。
運命の歯車が壊れるとき
和泉鷹央
恋愛
戦争に行くから、君とは結婚できない。
恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。
他の投稿サイトでも掲載しております。
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
姫金魚乙女の溺愛生活 〜「君を愛することはない」と言ったイケメン腹黒冷酷公爵様がなぜか私を溺愛してきます。〜
水垣するめ
恋愛
「あなたを愛することはありません」
──私の婚約者であるノエル・ネイジュ公爵は婚約を結んだ途端そう言った。
リナリア・マリヤックは伯爵家に生まれた。
しかしリナリアが10歳の頃母が亡くなり、父のドニールが愛人のカトリーヌとその子供のローラを屋敷に迎えてからリナリアは冷遇されるようになった。
リナリアは屋敷でまるで奴隷のように働かされることとなった。
屋敷からは追い出され、屋敷の外に建っているボロボロの小屋で生活をさせられ、食事は1日に1度だけだった。
しかしリナリアはそれに耐え続け、7年が経った。
ある日マリヤック家に対して婚約の打診が来た。
それはネイジュ公爵家からのものだった。
しかしネイジュ公爵家には一番最初に婚約した女性を必ず婚約破棄する、という習慣があり一番最初の婚約者は『生贄』と呼ばれていた。
当然ローラは嫌がり、リナリアを代わりに婚約させる。
そしてリナリアは見た目だけは美しい公爵の元へと行くことになる。
名前はノエル・ネイジュ。金髪碧眼の美しい青年だった。
公爵は「あなたのことを愛することはありません」と宣言するのだが、リナリアと接しているうちに徐々に溺愛されるようになり……?
※「小説家になろう」でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる