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第五幕 やんちゃな子猫は空を舞う
一難去らずにまた一難
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余三郎が合流したのでなんとなく緊張感をなくしている猫柳家の面々とは違い、青太郎はまだ緊張の糸が切れていなかった。
雷蔵が戻っていないことも心配の種だし、なんとなくあの猿顔の刺客が再び追いついて来そうな予感がしたのだ。
「すまぬな狐屋殿。わしを含めてウチの者たちはけっこう楽天家なんだ。普段からギリギリの生活をしている反動か、歳のわりに妙に腹の据わった性格になってしまってなぁ」
余三郎が申し訳なさそうに頭を掻くと、青太郎は慌てて手を振った。
「あ、いや、別に私ぁあんたたちを悪く言ったつもりはないんだよ。ただね、うまく言葉にできないんだけどさ……。なんだか嫌な感じがするんだ。虫の知らせって言うのかい? 悪い事が起きる前は尻の穴がムズムズしてくるるんだよ」
「それ、きっとお腹に虫がいるだけ、なの」
「帰ったら虫下しを飲むことをお勧めするでござる」
「ちょ、本当に容赦のない子らだね。言っておくけど、私の勘はよく中るんだからね」
「わかった。狐屋殿の不安が現実のものにならないよう気を緩めずに警戒するとしよう」
余三郎と青太郎は先ほど初めて顔を合わせたばかり。
片や貧乏旗本家の当主で、片や裕福な商家の主人という肩書をもっているものの、どちらも中身は同じ十六歳の少年同士ということでお互いになんとなく遠慮がちになっている。というか、それぞれにどう接すればいいのかを互いに測っている状態だった。
余三郎と青太郎のぎこちない会話を側で聞いていた愛姫が「むむ?」と眉を寄せながら話に入ってきた。
「なんじゃおぬしら、話に微妙な距離が感じられて聞いていてなんともムズ痒いんじゃが?」
「顔を合わせたばかりだと普通はこういう感じになるんですよ。姫のようにいきなり相手の懐に飛び込んで仲良くなれるほうが稀有なのです」
「そうなのか? まどろっこしい事じゃの」
「姫様が心配せずとも時が経てば自然と仲良くなって些細なきっかけでお互いを名前呼びするようにもなるんですよ、きっと。少なくともわしはそう思っています」
「ふむ、叔父上の友達の作り方とはそういう感じなのか。それで――」
おぬしのほうはどうなのだ? と愛姫に話を振られた青太郎はきょとんと目を瞬かせた。
「え? ということは猫柳殿も私の友達になってくれるって事なのかな?」
「もちろんだ。個性、というかアクの強いわしの家臣たちがこれだけ懐いているのだ。それだけで狐屋殿は気の良い男だということは分かる。わしとも長くお付き合いをして頂きたい」
今まで同年代の友人がいなかった青太郎が余三郎に対して少々気後れしている感じなので、余三郎は出来るだけ表情を柔らかくして微笑んでみせた。しかし――、
「殿の判断は正しい、なの。金の卵を産む鳥はしっかり捕まえておくべき、なの」
「霧殿、そういうことは青太郎殿に聞こえないようにこっそり言うでござるよ」
二人の家臣が余計な事を言っているせいで余三郎の微笑みがピシリと強張った。
「……本当に申し訳ない。後でちゃんと言い聞かせておくので気を悪くしないで下され」
「あ、うん、大丈夫。この子らにこういう扱いされるのもだいぶ慣れてきたよ。それよりも……」
恐縮する余三郎に苦笑いを見せながら青太郎はまた背後の暗闇を気にしてチラチラと視線をやっている。
「いい加減心配し過ぎでござるよ青太郎殿。あの刺客はこの斜面をすぽーんと落ちて行ったのでござるよ? 生きておるはずがないし、よしんば生きておったとしても再び拙者らに襲いかかってくるほど傷が浅いとも思えぬでござる」
「で、でもさ、世の中には万が一ということもあるんじゃないかい? 予想外の厄介事が起きるなんてよくある話だし。な?」
「ほぉ、例えばどのようにでござるか?」
からかうように訊いた百合丸の問いに答えたのは青太郎ではなく、先頭を歩いていた霧だった。
「例えば、このような状況、なの」
「え?」
「道が無くなってる、なの」
霧はそう言いながら後続の皆にも見えるように体を横にずらした。
余三郎たちが上っている坂道は巨大な岩山の表面を螺旋状に削って上に向かっている。ところが霧が立ち止まっている位置からおよそ十歩ほど前方で道がぷっつりと消失していた。削り出して作った道をさらに一手間かけて削り落としたようで、きっちりとした直線を描いて道が途切れている。
「あ、なんじゃ、向こうに跳ね橋があるではないか。あれを下ろして渡れば良いではないか」
洞窟内が薄暗いせいで見えにくかったが、愛姫が指摘したように途切れた道は幅三畳ほどの間を空けて続いており、向こう側にはここを渡るための小さな跳ね橋が用意されていた。
「跳ね橋があるのは向こう。橋を下ろす仕掛けも向こう、なの」
「へ? なぜこちら側に橋を下ろす仕掛けが無いでござる。これでは向こうに渡れぬでござるよ。欠陥工事でござる!」
「欠陥工事ではないぞ百合丸。そもそもこの路は城の『中から外へ』と逃げるために作られた秘密の通路。招かれざる客が勝手に『外から中へ』入って来られないよう仕掛けがしてあるのは当然と言えば当然だ」
「そういえば伝試練寺の枯れ井戸に見せかけた出口も梯子を引き出す装置は井戸の底にあったでござるな。井戸の上側に梯子を引き出す装置はなかったでござる」
百合丸は目の前に餌をぶら下げられた犬のように恨めしそうな目で跳ね橋を睨みつけた。
「なぁに、これくらいの幅なら跳べないことはない。わしが向こうに跳んで仕掛けを動かしてくるとしよう」
崖の幅が跳び越せる程度の距離しかないのを見て余三郎は気軽に提案したのだが――、
「叔父上、それはよしたほうがいいのじゃ。ここは権現様が直々に作らせた『秘密の抜け路』じゃぞ。武力と知力を命懸けで競って生きていた時代の者が作った抜け路じゃ。見た目通りに簡単に跳び越せるようなものではないと用心したほうが良いのじゃ」
「姫様の言う通り。見て、なの」
霧がしゃがみ込んで向こう側を見ていた。
何事かと思って余三郎もそれに倣って膝を着いて目線を下ろすと――、
「ぬっ!? こうして見ると向こう側とこちら側じゃけっこう高低差があるな。よほど気合を入れて跳ばぬと向こう側には届きそうにない、か……」
「霧、背が低いから気付けた、なの。向こうは崖の端がちょっとだけ高くなってる。見ている位置が高いと気づきにくい。あと、向こう側の道がこちら側より微妙に広い。距離が近く見えるように目の錯覚利用してる、なの。簡単に跳べそうに見せている。そういう罠、なの」
「高さと距離、二重に目の錯覚を利用した罠か……なんとも狡猾な仕掛けじゃな」
「はわわわ、私ぁ背筋がぞっとしたよ。何なんだいこれ? 確実に殺しにきてるじゃないか」
「流石は戦国時代を生き延びた歴戦の武将というところでござるな。侵入者を殺す事に躊躇いが無いでござる」
「これは……ちと無理じゃな。刺客は再起不能になったことじゃし、ここは大人しく来た道を引き返したほうが良いかもしれぬ。しかし残念じゃ、距離的にはここさえ越えてしまえば出口は目と鼻の先だろうに……」
ここに着くまでの長い道程をもう一度歩かなければならないと分かると、今までに溜まっていた疲労がよけいに重くのしかかってきたような気がした。それでも仕方がないと諦めて道を戻ろうとしたら――、
「ダメ。戻るの無理、なの」
霧にしては珍しく少しだけ怯えた様子で道の端から崖下を見下ろしていた。
「ん? どうしたでござるか霧殿」
「あそこ……」
霧は崖下を指差した。
霧に促されて崖下を見ると今まで登ってきた道がうっすらと見える。
大岩の表面を螺旋状に削られた坂道の一段下。提灯の光がかろうじて届いている場所に……奴がいた。
余三郎に体当たりをかまされて崖下へ落ちたはずの猿顔の刺客が、憤怒に燃えた血まみれの顔でこちらを睨み上げていた。
雷蔵が戻っていないことも心配の種だし、なんとなくあの猿顔の刺客が再び追いついて来そうな予感がしたのだ。
「すまぬな狐屋殿。わしを含めてウチの者たちはけっこう楽天家なんだ。普段からギリギリの生活をしている反動か、歳のわりに妙に腹の据わった性格になってしまってなぁ」
余三郎が申し訳なさそうに頭を掻くと、青太郎は慌てて手を振った。
「あ、いや、別に私ぁあんたたちを悪く言ったつもりはないんだよ。ただね、うまく言葉にできないんだけどさ……。なんだか嫌な感じがするんだ。虫の知らせって言うのかい? 悪い事が起きる前は尻の穴がムズムズしてくるるんだよ」
「それ、きっとお腹に虫がいるだけ、なの」
「帰ったら虫下しを飲むことをお勧めするでござる」
「ちょ、本当に容赦のない子らだね。言っておくけど、私の勘はよく中るんだからね」
「わかった。狐屋殿の不安が現実のものにならないよう気を緩めずに警戒するとしよう」
余三郎と青太郎は先ほど初めて顔を合わせたばかり。
片や貧乏旗本家の当主で、片や裕福な商家の主人という肩書をもっているものの、どちらも中身は同じ十六歳の少年同士ということでお互いになんとなく遠慮がちになっている。というか、それぞれにどう接すればいいのかを互いに測っている状態だった。
余三郎と青太郎のぎこちない会話を側で聞いていた愛姫が「むむ?」と眉を寄せながら話に入ってきた。
「なんじゃおぬしら、話に微妙な距離が感じられて聞いていてなんともムズ痒いんじゃが?」
「顔を合わせたばかりだと普通はこういう感じになるんですよ。姫のようにいきなり相手の懐に飛び込んで仲良くなれるほうが稀有なのです」
「そうなのか? まどろっこしい事じゃの」
「姫様が心配せずとも時が経てば自然と仲良くなって些細なきっかけでお互いを名前呼びするようにもなるんですよ、きっと。少なくともわしはそう思っています」
「ふむ、叔父上の友達の作り方とはそういう感じなのか。それで――」
おぬしのほうはどうなのだ? と愛姫に話を振られた青太郎はきょとんと目を瞬かせた。
「え? ということは猫柳殿も私の友達になってくれるって事なのかな?」
「もちろんだ。個性、というかアクの強いわしの家臣たちがこれだけ懐いているのだ。それだけで狐屋殿は気の良い男だということは分かる。わしとも長くお付き合いをして頂きたい」
今まで同年代の友人がいなかった青太郎が余三郎に対して少々気後れしている感じなので、余三郎は出来るだけ表情を柔らかくして微笑んでみせた。しかし――、
「殿の判断は正しい、なの。金の卵を産む鳥はしっかり捕まえておくべき、なの」
「霧殿、そういうことは青太郎殿に聞こえないようにこっそり言うでござるよ」
二人の家臣が余計な事を言っているせいで余三郎の微笑みがピシリと強張った。
「……本当に申し訳ない。後でちゃんと言い聞かせておくので気を悪くしないで下され」
「あ、うん、大丈夫。この子らにこういう扱いされるのもだいぶ慣れてきたよ。それよりも……」
恐縮する余三郎に苦笑いを見せながら青太郎はまた背後の暗闇を気にしてチラチラと視線をやっている。
「いい加減心配し過ぎでござるよ青太郎殿。あの刺客はこの斜面をすぽーんと落ちて行ったのでござるよ? 生きておるはずがないし、よしんば生きておったとしても再び拙者らに襲いかかってくるほど傷が浅いとも思えぬでござる」
「で、でもさ、世の中には万が一ということもあるんじゃないかい? 予想外の厄介事が起きるなんてよくある話だし。な?」
「ほぉ、例えばどのようにでござるか?」
からかうように訊いた百合丸の問いに答えたのは青太郎ではなく、先頭を歩いていた霧だった。
「例えば、このような状況、なの」
「え?」
「道が無くなってる、なの」
霧はそう言いながら後続の皆にも見えるように体を横にずらした。
余三郎たちが上っている坂道は巨大な岩山の表面を螺旋状に削って上に向かっている。ところが霧が立ち止まっている位置からおよそ十歩ほど前方で道がぷっつりと消失していた。削り出して作った道をさらに一手間かけて削り落としたようで、きっちりとした直線を描いて道が途切れている。
「あ、なんじゃ、向こうに跳ね橋があるではないか。あれを下ろして渡れば良いではないか」
洞窟内が薄暗いせいで見えにくかったが、愛姫が指摘したように途切れた道は幅三畳ほどの間を空けて続いており、向こう側にはここを渡るための小さな跳ね橋が用意されていた。
「跳ね橋があるのは向こう。橋を下ろす仕掛けも向こう、なの」
「へ? なぜこちら側に橋を下ろす仕掛けが無いでござる。これでは向こうに渡れぬでござるよ。欠陥工事でござる!」
「欠陥工事ではないぞ百合丸。そもそもこの路は城の『中から外へ』と逃げるために作られた秘密の通路。招かれざる客が勝手に『外から中へ』入って来られないよう仕掛けがしてあるのは当然と言えば当然だ」
「そういえば伝試練寺の枯れ井戸に見せかけた出口も梯子を引き出す装置は井戸の底にあったでござるな。井戸の上側に梯子を引き出す装置はなかったでござる」
百合丸は目の前に餌をぶら下げられた犬のように恨めしそうな目で跳ね橋を睨みつけた。
「なぁに、これくらいの幅なら跳べないことはない。わしが向こうに跳んで仕掛けを動かしてくるとしよう」
崖の幅が跳び越せる程度の距離しかないのを見て余三郎は気軽に提案したのだが――、
「叔父上、それはよしたほうがいいのじゃ。ここは権現様が直々に作らせた『秘密の抜け路』じゃぞ。武力と知力を命懸けで競って生きていた時代の者が作った抜け路じゃ。見た目通りに簡単に跳び越せるようなものではないと用心したほうが良いのじゃ」
「姫様の言う通り。見て、なの」
霧がしゃがみ込んで向こう側を見ていた。
何事かと思って余三郎もそれに倣って膝を着いて目線を下ろすと――、
「ぬっ!? こうして見ると向こう側とこちら側じゃけっこう高低差があるな。よほど気合を入れて跳ばぬと向こう側には届きそうにない、か……」
「霧、背が低いから気付けた、なの。向こうは崖の端がちょっとだけ高くなってる。見ている位置が高いと気づきにくい。あと、向こう側の道がこちら側より微妙に広い。距離が近く見えるように目の錯覚利用してる、なの。簡単に跳べそうに見せている。そういう罠、なの」
「高さと距離、二重に目の錯覚を利用した罠か……なんとも狡猾な仕掛けじゃな」
「はわわわ、私ぁ背筋がぞっとしたよ。何なんだいこれ? 確実に殺しにきてるじゃないか」
「流石は戦国時代を生き延びた歴戦の武将というところでござるな。侵入者を殺す事に躊躇いが無いでござる」
「これは……ちと無理じゃな。刺客は再起不能になったことじゃし、ここは大人しく来た道を引き返したほうが良いかもしれぬ。しかし残念じゃ、距離的にはここさえ越えてしまえば出口は目と鼻の先だろうに……」
ここに着くまでの長い道程をもう一度歩かなければならないと分かると、今までに溜まっていた疲労がよけいに重くのしかかってきたような気がした。それでも仕方がないと諦めて道を戻ろうとしたら――、
「ダメ。戻るの無理、なの」
霧にしては珍しく少しだけ怯えた様子で道の端から崖下を見下ろしていた。
「ん? どうしたでござるか霧殿」
「あそこ……」
霧は崖下を指差した。
霧に促されて崖下を見ると今まで登ってきた道がうっすらと見える。
大岩の表面を螺旋状に削られた坂道の一段下。提灯の光がかろうじて届いている場所に……奴がいた。
余三郎に体当たりをかまされて崖下へ落ちたはずの猿顔の刺客が、憤怒に燃えた血まみれの顔でこちらを睨み上げていた。
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