上 下
111 / 131
第三章

第26話 世界を救う作戦

しおりを挟む


※ラルアー大陸図 第三章版

 以前、魔王城と化したカートライア邸で経験した通り、目に見えない魔法の結界はバジェル伯爵邸を覆っている。
 そしてフェリエラのいう事が本当であれば、今、その外側の世界は12年の時が経った状態のはずである。

「つまり、今は聖女が生まれてから13年後、という事になる訳だな」
「はい、恐らくは」

 俺とミューは、それぞれの愛馬を連れて魔王城であるバジェル伯爵邸を出た。

 いや、当然忘れてなかったよ。
 魔王が時を飛ばす前に、外に繋いであった俺の愛馬フラッシュミューの愛馬グラスを回収したのだ。

「よし、これより作戦開始だ!」
「はい!」
『おうよ!』
『ああ』

 俺の声にミューと、そしてバルガレウスとドーディアが応えた。


 ――少し前。


 結界内部の時間を飛ばしてから、俺たちは改めて聖女討伐作戦を立てた。

 ……聖女討伐作戦、か。
 まさか魔王と手を組んで、この世界の救世主たる聖女を討伐する時が来ようとはな。
 一瞬、そんな感慨にふけったが、ひとまずどうでも良いのでおいておこう。

 時を飛ばす前ではなく、時を飛ばした後に作戦を立てたのには理由があった。


『ヴァルクリスよ。時間を無駄にしないためには、その作戦とやらを今立てて、それから時を飛ばした方が良いのではないのか? 飛ばすとは言っても、この中の時間の流れを結界の外よりも遅くするに過ぎん。さすがの我でも、時間を戻すことは出来んぞ』
「いや、飛ばした後で構わない。そうじゃないと作戦も立てられないからな」
『なに?』

 時間を飛ばす前に俺に確認してきたフェリエラに、俺はそう返した。


 まず第一に、俺たちに必要なのはまず聖女パーティーの情報だ。
 つまり、魔法使いの情報である。

 今回生まれた魔法使いは何人で、一体何の能力を保有しているのか。
 これは正直作戦立案の要になってくる。

 聖女の力は大体把握している……というか、本性を隠しているという事を考えると、その力は無制限だ。この際考えても仕方ない。
 しかし、魔法使いは別だ。前世で目の当たりにしたように、その力と能力には制限がある。であれば彼らの戦力を把握することは可能である。

『ふむう、しかし、きゃつらは攻撃できぬのだろう? 魔法使いなどモノの数ではないと思うがな』
「確かにそうかもしれない。しかし、実際エミュ……前回の防御特化の魔法使いは、魔王の破滅の暗黒カタストロフィックダークネスを防いだ。これだけでも、防御の魔法使いがいるかいないかで差が出てくるだろう?」
『なるほど、確かに。これまで、聖女の取り巻きの力などの事を考えたことは無かったが、事前に調べられるならばそれに越したことは無いな』

 納得してくれたようで良かった。
 今回は絶対に失敗できない戦いなのだ。聖女に気づかれ、敗北し、この世界のシステムをいじられれば、それで終わりなのだ。

 例えば「この世界以外の魂が入り込めないようにする」とか。

 どんな情報でも、かき集めておくことに越したことは無い。

「坊ちゃま、ひょっとすると坊ちゃまの中で、存在されてはまずい魔法使いがいるのではないでしょうか?」

 少し考え込んだ俺の表情を見て、ミューが疑問を呈した。
 本当に鋭いな、この子は。

 いや、相手が俺だから、なのか?

 勝手にそんな事を思い、勝手に照れてしまった。
 相変わらず、俺の恋愛偏差値はFラン以下である。

「さすがだね、ミュー、その通りだよ。良く分かったね」
「はい。私は坊ちゃまの専属メイドですから」
『なんと! ミューはヴァルクリスの使用人であったのか? てっきり嫁だとばかり思っていたが』

 やはり、この赤鬼くんバルガレウスは空気が読めない。
 確かに過去に指輪を渡して、妻に迎えたい、とは言ったけどさ、面と向かって改めて「好きです」とか「結婚してください」とかそういう表明はまだしてないのよ。いや、死んだり転生したりでごたごたしてたしさ。
 だから、そんな爆弾を放り込まないでもらえます?

「ンくんぁ……」

 ほらみろ。ミューが、声優さんのアドリブ芝居みたいな声を出して真っ赤になってるじゃないか。

「ああ、バルガレウス。その認識で間違いない。まあ、未来の話だがな」
『おお、やはりそうであったか。はっはっは』

 まあ、こういうのは正直に言っておいた方が良いだろう。後々コイツにからかわれても面倒だし。

『で? いつ嫁に向かえるのだ?』

 おい、まだこの話題続けるのか?
 マジで「赤鬼くんは空気が読めない」ってタイトルのラノベ執筆したろか?

 見るとミューが、無言で俺の横に来て、顔を真っ赤にして俯いたまま、俺のシャツの裾をつまんでいた。
 きっと感情のやり場が無かったのだろう。

『仲睦まじいのは結構だがな、そろそろ話を進めてくれ』

 ため息交じりにドーディアが話をぶった切ってくれた。
 ありがとうドーディア。お陰で「不愛想な魔物くんは空気が読める」にタイトルを変更できそうだ。

 俺はわざとらしく一つ咳ばらいをすると、「そうだな」とクールに言って、話を戻した。

「魔法使いの種類のなかでも、『回復』、『防御』、『魔素増減』。この三つは直に見ているから知っている。それ以外に過去の文献で調べた限りでは『飛行、跳躍』、『速度向上』、『幻惑』がある。これらは見ていないから詳しくは知らないのだが、過去に戦って印象に残っている者はいるかい?」

 俺の質問を聞いて、ここぞとばかりにドーディアが前に出た。

『〔飛行、跳躍〕はそこまで問題ないだろう。壁や城壁を超えたり偵察したりするには有用だが、戦闘には不向きな魔法だ。最も、ゲージャはあれのせいでかなり苦戦したようだったがな』

 確かに、巨体を生かして戦うゲージャにとっては、相性は悪そうだ。
 俺は、ゲージャの周りを飛び回るアイシャ達を想像してそう思った。

『〔幻惑〕だが、こちらもそんなに気にしなくていい。聖女の姿をした魔法使いが、偽の聖女の魔法を使ってくるので乱戦時は厄介だが、決戦場所がここになる以上、本物が姿を隠して不意打ちすることも出来まい』

 なるほど、さすがは人に姿を変えて人里に紛れ込めるドーディアである。
 聖女パーティーのチェックはバッチリのようだ。

 しかし、そこでドーディアが難しい顔をした。
 という事は、残る「速度」の魔法使いは、なかなかに厄介という事だろうか。

「ドーディア、『速度向上』の魔法使いは?」
『ああ、こいつは厄介だ。正直、今回はいないことを祈りたいな』

 やはりか。どのような効果なのだろう?

『そいつの魔法をかけられた人間は、一定時間動きが早くなるのだが、恐らく、その魔法の持続時間と速さは反比例している。長い時間早く動く分にはせいぜい二倍程度の速度が限界だろうが、持続時間を短くすればその速さは目にもとまらなくなる。
 今回のように、狭い所で戦う場合には、厄介な相手となるだろう』
『う、うむ。確かに、我も一度、いつの間にか目の前に瞬間移動してきた聖女に、真っ二つにされた覚えがあるな』

 ドーディアの言葉に、バルガレウスが同意した。
 うーん、確かにそれはめんどくさそうだな。
 戦闘中に、いきなり「一秒間、速度十倍」みたいな動いをされたら、斬り合いでは勝ち目はない。俺が聖女だったら、戦闘開始直後に、バルガレウスを瞬殺するだろう。

「有益な情報をありがとう、ドーディア。さて、残る魔法使いだが、俺の見立てでは『回復』、『防御』、この二つに関しては正直あまり脅威では無い。回復魔法にそれほど即効性はないし、防御魔法も消耗が激しい。雑魚相手では重宝されるそれらも、聖女対魔王戦ともなれば、出番は少ないだろう」
『しかし、〔回復の魔法使い〕は魔素も回復出来るのだろう? それは脅威にはならぬのか?』
「いや、先ほども言ったように、聖女は自身の記憶や能力に制限があるかのように演技してはいるが、それは嘘だ。記憶も全部持っていて、最終魔法の回数も無限。当然、魔素の量も無限に違いない。となれば、聖女にとって回復は一番必要ない、と言ってもいい」
『……ううむ』

 俺の返答に、フェリエラは言葉を詰まらせた。確かに聖女の魔素の量の所の話が抜けていたので、この確認は正直助かった。
 それにしても、聖女として目覚める際の演出といい、魔素切れの際の息切れといい、聖女だったヤツは相当演技が上手いようだ。おかげで俺も前世ではすっかり騙された。

「坊ちゃま、という事は……」

 そしてミューが当然のように俺の見立てを予想してくる。まあ、そうだよね。

「……ああ、『魔素増減』。この魔法使いがいると正直厄介だ」

 俺は前世でのスヴァーグの事を思い出しつつもそう言った。
 こちらの脅威になりうるのは聖女の魔法のみである。

 恐らく魔王を倒せるのは、あの『聖剣エクスカリバー』だけだろう。
 逆に言えば、あれ以外はそれほど問題ではない。
 という事は、更に逆に言えば、あの『聖剣エクスカリバー』の威力に直接作用できる魔法は非常に厄介なのだ。

 想像もつかない。
 『魔素増幅マジックブースト』が掛けられた状況で『聖剣エクスカリバー』が放たれてしまったら、どうなるのか。
 それこそ、黄昏よりも暗き者のような魔法の如く、山一つ吹き飛んでしまうのではないか。

 それだけはなんとしても避けねばならない。


『……で? ヴァルクリスよ。これまでの話と、時間を飛ばしてから作戦を立てる事に、どんな関係があるのだ?』


 あ、そういえば。そんな話でしたね、もともとは。すんません。

「目下、俺たちの目標は、聖女の仲間の魔法使いが『何の』魔法使いであるかを調べる事だ。『防御・跳躍・回復』みたいな組み合わせであればこちらとしてはくみし易い。しかし『速度・防御・魔素増減』みたいな組み合わせだった場合、非常に厄介だ。
 で、だ。俺たちはまず時間を渡った後、準備期間の間にどこの領地が滅びたかを調べる。滅びた領地は必然的に聖女パーティーの侵攻ルートとなるからだ」
『なるほどな、確かに、それは時間経過後でないと意味は無いな』

 ドーディアの言葉に、フェリエラが頷いている。納得してくれたようで良かった。

「ああ、時間経過後に、俺とミューが二手に分かれて大陸を一周し、滅びた領地を調べる。それだけなら数か月もあれば足りるだろう。みんなには待機しててもらって、戻り次第、作戦を練り直そう」

 まあ、こればかりは面倒だが仕方ない。
 また長旅になってしまうが、手をこまねいているわけにはいかないのだ。

 しかし、そんな俺の考えとは裏腹に、フェリエラはニヤリと微笑んで、こちらに進言した。

『なに、その必要は無いぞ、ヴァルクリスよ。我には、我が同胞たちのおおよその位置を把握できる。つまり、時を飛ばした直後の勢力情勢なぞ、我には丸わかりじゃ』
「え……マジ?」

 いやあ、さすがは魔王様である。
 こんな言い方もう押し分けないけど……。

 超便利!!

「そ、それは助かる! であれば、直ぐにでも作戦を立てられるよ」



 ……とまあ、そんなかんじで。

 一瞬で12年の時を経た俺たちは、体感的には丸一日。実質は十二年ぶりにバジェル伯爵邸を出たのだった。

 今聖女は13歳。
 確実に力は目覚めている……いやさ、目覚めさせた演技をしているだろう。
 王都に向かう時も近いはずだ。

 さて、じゃあ始めようか。
 俺たちの世界を救う作戦を。

「よし、これより作戦開始だ!」
「はい!」
『おうよ!』
『ああ』


 こうして、役割ごとにメンバーを二手に分け、俺たちは行動を開始するのだった。


(第27話 『ヴァルクリスチームの暗躍 その1』へつづく)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~

Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。 他作品の詳細はこちら: 『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】 『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】 『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

クロユキ
恋愛
「俺と離婚して欲しい、君の妹が俺の子を身籠った」 パルリス侯爵家に嫁いだソフィア・ルモア伯爵令嬢は結婚生活一年目でソフィアの夫、アレック・パルリス侯爵に離婚を告げられた。結婚をして一度も寝床を共にした事がないソフィアは白いまま離婚を言われた。 夫の良き妻として尽くして来たと思っていたソフィアは悲しみのあまり自害をする事になる…… 誤字、脱字があります。不定期ですがよろしくお願いします。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

幼馴染み達が寝取られたが,別にどうでもいい。

みっちゃん
ファンタジー
私達は勇者様と結婚するわ! そう言われたのが1年後に再会した幼馴染みと義姉と義妹だった。 「.....そうか,じゃあ婚約破棄は俺から両親達にいってくるよ。」 そう言って俺は彼女達と別れた。 しかし彼女達は知らない自分達が魅了にかかっていることを、主人公がそれに気づいていることも,そして,最初っから主人公は自分達をあまり好いていないことも。

処理中です...