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第三章

魔王のなりそこないという雑魚

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「どんな種族であれ、女はダメだな。すぐに壊れる。まぁ、少しは役に立っただけ良しとするしかあるまい」
あれが、魔王のなり損ないですか。
ふむ、雑魚ですね。
神人形の魔法をどうやって手にしたのかと興味があったのですが、あれなら必要ないですね。
イリスは、まぁ、私と同じ目にあったのでしょう。
後で、慰めてあげます。
それより、あの気色の悪いゴブリンはなんでしょうね。
精液を撒き散らしながら動いておりますが、特異個体でしょうか。
もしかしたら、既存の種族を改良する魔法でもあるのかもしれませんね。
詳しく調べて見ましょう。
あれだけ心がどこかに行っているような状態なら、少々時間をかけても誤差の範囲でしょう。
そもそも、私からの加護しか受けてないのですから、いつかは起こり得たことです。
まぁ、あの雑魚は当然消し炭にしますし、魂すら消滅させますけれど。


どうやら大したことはなさそうですね。
待機している大物は、条件を満たさないと動かないようですし、なんなら話しかけましたし大丈夫です。
それにしても、引きこもっていれば負けることは無いと思っている時点で、魔王になんてなれるわけがないです。
相手する価値がないから生きてこれたようですけど、魔法を封じる結界の中に引きこもるだけとは信じられませんね。
解析して突破してくださいと言っているようなものです。
もう終わりましたけど。
さて、一撃で決めましょう。





「主よ、契約により告げる。死が確定したぞ」
「どういう意味だ」
察しが悪いねぇ。
契約によりって言ってんだから分かれよ。
お前がそうやって契約したんだろう?
実験材料を毎回消し飛ばされても困るとか言って、命の危険が迫った時だけ敵を排除するかを聞きに来いって謎な契約を。
だから、契約の通り教えに来たぞ?
外のハイエルフの嬢ちゃんの魔法の発動を検知したからな。
まぁ、あの嬢ちゃんもまさか、普通に俺に話しかけてくるとは驚いたが。
肝が座りすぎだぜ。

「珍しいこともあるようだ、排除しておけ」
「いや、どうせ死ぬんだから意味ないぜ? 意味無いことはしねぇってのが条件だって言ったろ。契約通りにここに来ただけありがたく思えよな」
お前の死は確定なんだよ。

「さて、最後だから説明してやる。あんたが襲ったその悪魔の怖い怖い保護者が外から結界を解除し、因果律を決定づける魔法で攻撃を発動した。これにより、あんたの死が確定した。俺の契約は、あんたが死にそうな時や死ぬ時にその回避のために全力を尽くしてやるって話だったろ? だから、外で準備してる時は条件の範囲外だ。確定しねぇと手出しできねぇが、確定したら手出しする理由が無くなるんでな。魔法の腕なら、あっちのが上だ。あんたの力じゃ因果律を上書きできねぇし、仮に俺が手伝っても無理だぞ? まっ、手ぇ出した相手がやばかったってことで諦めな」
さって、帰るか。

「あっ、待ちなさい。そこな原初もどき」
「原初もどきたぁ、なかなか的を射た呼び方だな。んで、どした?」
あー、なるほどな。
神人形の魔法が会得したいと。
残念だが、嬢ちゃんじゃあ対価にならんな。

「出来上がってる神人形を弄る魔法ならくれてやってもいいぞ。対価はあんたからの加護と、あんたの髪だ」
「いくらでもくれてあげますので、よこしなさい」
うん。
目がキラキラしてるな。
こっちと先に出会ってたならもっと楽しかったろうに。
まっ、いつか呼んでくれそうだしいいか。

「じゃ、対価は充分だからな。不完全とは言え、究極魔法の一つだ、好きなように使え」
「言われなくても使います。ふふふ、楽しい贈り物にはもっと対価を払いませんと、受け取りなさいな。ハイエルフの身体の一部は良き触媒になるのでしょう?」
いや、目の前で美少女が片目くり抜いてたら怖いんだが?

「貰っておくが、治らんのは困るな。あんたとは長い付き合いになりそうなんでな」
永久的にではなく、これ一個で充分っつうことで一つ。
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