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第一章

世界樹の街

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「リジェ、何あれ」
「世界樹、葉っぱが病に効くとか、警備隊長が言ってたので、収入源になるでしょう。伐採は無理ですし、さっそく精霊が宿ったようなので、独占もしないことでしょう。暴れたことはこれでチャラですね」
叩かれました。

「さて、ではこの街に残る理由もありませんし、次に行きましょう」
「どこよ」
「ステラさんはどこがいいです?」
「ふぇ、私ですか?」

ステラさんは、ギルドの受付を辞めております。
まぁ、正確には、クビ。 
これが、理不尽な理由というものであれば、ギルドも壊滅させるつもりでしたが、ステラさんを思ってのことなので許してあげます。
なんでも、自発的に辞める場合、その理由を明確に述べねばならないようです。
ギルドの機密事項をこれでもかという量を持っているので、しっかりとした理由と、その裏付けが取れない限り、自発的に辞めることはできないそうです。
つまり、根掘り葉掘り聞かれるし、調べられるわけです。
そうなれば、私と全面戦争ですね。

「私は、魔道公国に行きたいです」
「なるほど、魔王を倒しに行きたいと、分かりました準備しましょう」
「そっちじゃないわよ!」

”まどうこうこく”とは、魔王が支配する国の事ですが、もう1つ、同じ呼び方をされる国があります。
それが、魔の道と記す、魔法が盛んな国です。
ひたすら地面に、凸凹を作る魔法などを開発して遊んでいる国です。
もちろん、ちゃんとしたものも発明されておりますが、魔法であれば、どんな研究をしても許される国ですね。
周辺一帯を焦土にする魔法も、花弁が舞うだけの魔法も、かの国では同等の偉業となるのです。
ハイエルフである私は、嫌われている国ですけどね。
魔法に対しての種族適性が高いというのは、研鑽をしないと思われているようですから。
短くて済むだけなんですけどね?
人間というのは、自分ができないことに嫉妬し、嫌悪を抱き、憎悪までもする。
変な生き物です。
そして、努力とは、途方もない時間をかけねばならないものと決めつけています。
努力が実を結ぶまでの時間など、個体差があってしかるべきなんですが、人間はなぜ、苦しい思いをせねば努力と認めないのか謎です。
まぁ、それよりも気になるのは、ステラさんですかね。
私に対して憎悪を感じます。
殺しにくるのかなと、放置してますが、行動してこないんですよね。

まぁいいです。
魔道公国に行けば、分かることでしょう。
彼女からしたら正当な復讐、受けて立つことにします。
泣かせてあげましょう。
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