18 / 35
第二幕
クエスト前のムービーみたいな?
しおりを挟む
「随分と小さくなったな」
「実年齢から換算したらしいです」
ということで、反撃の準備である。
『まあ、精霊王となって日が浅いとはいえ、随分と間抜けなことをするものだ』
「アイナに塩を塗るお前も大概だと思うが?」
「ぐすん」
私が泣き真似をしたら、周りの精霊たちがチクチクと精霊様に攻撃していた。
『待て、落ち着け、やめぬか』
「そう言えばフェリーシア様、旦那様の名前を聞いてもよろしいですか? 精霊姫になった事ですし、もう無自覚で縛り付けるような状態ではないと思うんですけど」
そう、精霊の真名を知るということは、鎖で縛るのと似たようなものになってしまう。
素質のある人間に真名を知られるというのは、強制的な契約に近い状態になるのだ。
今はともかく、つい最近まで、素質のある人間だった私が知るわけにはいかなかったのだ。
『オーガスと言う。が、精霊姫と言えどおいそれと呼ばすわけにはいかん』
「オーちゃんよろしく」
「くっ、ふふ、オーちゃん」
珍しくフェリーシア様が吹き出してる。
『おい、待て、なぜフェリは様を付けるのに私がオーちゃんなのだ!』
「オーちゃん様?」
「ふ、ふふ」
我ながらいい案だと思ったのに、オーちゃん様は不服そうである。
そして、フェリーシア様は堪えきれないのか肩を震わせて笑っている。
『何故そうなるのだあああ!』
閑話休題
「はい、という事で戦力把握と行きたいんですけど」
「戦えるのは、アイナのところの聖女とあの4人。それと、私とオーちゃん様と黒姉さんとなるか」
わざと、私の呼び方で呼ぶフェリーシア様である。
黒姉さんはともかく、オーちゃん様はフェリーシア様の頬を両方から引っ張りながら文句を言っている。
やばい、可愛い。
「ひふぁいふぁ」
『お前までオーちゃん様などと呼ぶでない』
とりあえず放置しとこう。
「黒姉さんは戦えると言っても神樹は大丈夫なんですか?」
「安心しな、これは1度出したら勝手に存在し続けるからね、放置でも構わないさ」
さすが、神樹。
「となると、エルフの皆さんは、待機ですね」
「残念だけどそうなるね、契約精霊を失ってないやつらも、仲間のことが心配で離れられないみたいだからね」
戦力はともかく、人数が少なすぎる。
数は私が担当するしかないだろう。
「では、トレントゴーレム使って、向こうの援軍を叩くとしますか、外の状況はどうなってます?」
「あんた、とんでもないもの作れるようになったんだね。外は、あの件の勇者とあんたのとこの精霊王、そして聖龍。後は、あれに賛同している勇者とその仲間たちで、大隊規模だね」
想定を超えては来ていない。
「ミア、あなたは何も考えずに、復讐相手を狙って構わないわ。好きなだけ暴れなさい」
「ご主人様が名前呼んでくれるの初めてね」
そりゃ、今まで必要なかったもの。
でも、盟約があるとはいえ、私から離れていかなかったのだから、決意としては充分伝わる。
「死んだら許さないから、生きて戻ってきて」
「……ご主人様を1人にはしないわ。安心して待ってなさい」
にしても、いつからご主人様って呼ぶようになったのか分からなかったりする。
命じた覚えがないんだけどな。
まいっか。
「で、四人衆」
「名前で呼んで下さらないので?」
仕方ないなー。
「いちにーさーんしー」
「手が滑りました」
ざんねーん、私の髪の毛魔力でコーティングしてるから燃えないし、切れないし、絡まらな、
「痛いんだけど」
「手が滑りました」
どこの世界に本気でぶん殴って手が滑ったと言い張る奴がいるのよ!
いたよ、目の前に!
「冗談はさておき、アンヌは敵陣の後ろに転移させるから、着実に暗殺してくれる?」
「承知しました。捕虜は必要ないので?」
いらないよ、めんどくさい。
「いらないわ。ただ、精霊からの妨害があるだろうから、これを持って行って。私より核の下の精霊じゃ手出し出来なくなるから」
「ご主人様、私のは!」
「もう渡してる、直接加護をつけてるんだから、精霊どころか他の勇者の攻撃ぐらいなら防ぐから安心してください」
まったく、1番危険なんだからそれぐらいしてるって。
「次に、ネイアは正面から戦って欲しいわ。幸い、フェリーシア様やオーちゃん様はそっちに入るから、やることは簡単なはずよ」
「はーい、任せてー」
ついでに武器に加護をつける。
「加護の効果をあてにし過ぎないでね、効果は聖女結界程度なら壊せるぐらい魔法と直接打ち合えるようになるってだけだから。無茶はしないこと」
引き際含めた戦闘時の勘がすごく優れているから、大丈夫だとは思うけど。
「ニーナとジェーンは、後方支援 フェリーシア様達の援護をしてあげて」
「「いいよ」」
この2人には、対処できない攻撃が来た時に自動で防いでくれる御守りを渡した。
さて、残りは黒姉さん。
「黒姉さんは私と一緒にいてください。できれば、私が聖龍とやらと、あのクソ勇者を倒すまで、半身を抑えてくれると助かります」
「ふーん、逆かと思ったけどね」
うん、本来ならそうしたい。
だけど、私まで個人の感情を優先するわけにはいかない。
「現状もっとも確率の高いやり方ですからね、安心してください、すぐに終わらせますから」
あの聖龍は私のことを理解していないだろうから。
では、反撃開始といきましょうか。
「実年齢から換算したらしいです」
ということで、反撃の準備である。
『まあ、精霊王となって日が浅いとはいえ、随分と間抜けなことをするものだ』
「アイナに塩を塗るお前も大概だと思うが?」
「ぐすん」
私が泣き真似をしたら、周りの精霊たちがチクチクと精霊様に攻撃していた。
『待て、落ち着け、やめぬか』
「そう言えばフェリーシア様、旦那様の名前を聞いてもよろしいですか? 精霊姫になった事ですし、もう無自覚で縛り付けるような状態ではないと思うんですけど」
そう、精霊の真名を知るということは、鎖で縛るのと似たようなものになってしまう。
素質のある人間に真名を知られるというのは、強制的な契約に近い状態になるのだ。
今はともかく、つい最近まで、素質のある人間だった私が知るわけにはいかなかったのだ。
『オーガスと言う。が、精霊姫と言えどおいそれと呼ばすわけにはいかん』
「オーちゃんよろしく」
「くっ、ふふ、オーちゃん」
珍しくフェリーシア様が吹き出してる。
『おい、待て、なぜフェリは様を付けるのに私がオーちゃんなのだ!』
「オーちゃん様?」
「ふ、ふふ」
我ながらいい案だと思ったのに、オーちゃん様は不服そうである。
そして、フェリーシア様は堪えきれないのか肩を震わせて笑っている。
『何故そうなるのだあああ!』
閑話休題
「はい、という事で戦力把握と行きたいんですけど」
「戦えるのは、アイナのところの聖女とあの4人。それと、私とオーちゃん様と黒姉さんとなるか」
わざと、私の呼び方で呼ぶフェリーシア様である。
黒姉さんはともかく、オーちゃん様はフェリーシア様の頬を両方から引っ張りながら文句を言っている。
やばい、可愛い。
「ひふぁいふぁ」
『お前までオーちゃん様などと呼ぶでない』
とりあえず放置しとこう。
「黒姉さんは戦えると言っても神樹は大丈夫なんですか?」
「安心しな、これは1度出したら勝手に存在し続けるからね、放置でも構わないさ」
さすが、神樹。
「となると、エルフの皆さんは、待機ですね」
「残念だけどそうなるね、契約精霊を失ってないやつらも、仲間のことが心配で離れられないみたいだからね」
戦力はともかく、人数が少なすぎる。
数は私が担当するしかないだろう。
「では、トレントゴーレム使って、向こうの援軍を叩くとしますか、外の状況はどうなってます?」
「あんた、とんでもないもの作れるようになったんだね。外は、あの件の勇者とあんたのとこの精霊王、そして聖龍。後は、あれに賛同している勇者とその仲間たちで、大隊規模だね」
想定を超えては来ていない。
「ミア、あなたは何も考えずに、復讐相手を狙って構わないわ。好きなだけ暴れなさい」
「ご主人様が名前呼んでくれるの初めてね」
そりゃ、今まで必要なかったもの。
でも、盟約があるとはいえ、私から離れていかなかったのだから、決意としては充分伝わる。
「死んだら許さないから、生きて戻ってきて」
「……ご主人様を1人にはしないわ。安心して待ってなさい」
にしても、いつからご主人様って呼ぶようになったのか分からなかったりする。
命じた覚えがないんだけどな。
まいっか。
「で、四人衆」
「名前で呼んで下さらないので?」
仕方ないなー。
「いちにーさーんしー」
「手が滑りました」
ざんねーん、私の髪の毛魔力でコーティングしてるから燃えないし、切れないし、絡まらな、
「痛いんだけど」
「手が滑りました」
どこの世界に本気でぶん殴って手が滑ったと言い張る奴がいるのよ!
いたよ、目の前に!
「冗談はさておき、アンヌは敵陣の後ろに転移させるから、着実に暗殺してくれる?」
「承知しました。捕虜は必要ないので?」
いらないよ、めんどくさい。
「いらないわ。ただ、精霊からの妨害があるだろうから、これを持って行って。私より核の下の精霊じゃ手出し出来なくなるから」
「ご主人様、私のは!」
「もう渡してる、直接加護をつけてるんだから、精霊どころか他の勇者の攻撃ぐらいなら防ぐから安心してください」
まったく、1番危険なんだからそれぐらいしてるって。
「次に、ネイアは正面から戦って欲しいわ。幸い、フェリーシア様やオーちゃん様はそっちに入るから、やることは簡単なはずよ」
「はーい、任せてー」
ついでに武器に加護をつける。
「加護の効果をあてにし過ぎないでね、効果は聖女結界程度なら壊せるぐらい魔法と直接打ち合えるようになるってだけだから。無茶はしないこと」
引き際含めた戦闘時の勘がすごく優れているから、大丈夫だとは思うけど。
「ニーナとジェーンは、後方支援 フェリーシア様達の援護をしてあげて」
「「いいよ」」
この2人には、対処できない攻撃が来た時に自動で防いでくれる御守りを渡した。
さて、残りは黒姉さん。
「黒姉さんは私と一緒にいてください。できれば、私が聖龍とやらと、あのクソ勇者を倒すまで、半身を抑えてくれると助かります」
「ふーん、逆かと思ったけどね」
うん、本来ならそうしたい。
だけど、私まで個人の感情を優先するわけにはいかない。
「現状もっとも確率の高いやり方ですからね、安心してください、すぐに終わらせますから」
あの聖龍は私のことを理解していないだろうから。
では、反撃開始といきましょうか。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる