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序章
はじまりは
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皆様はこんな妄想をしたことは無いだろうか。
学校にテロ組織がやって来てといったものだ。
隠された力が目覚めてバッタバッタと敵をなぎ倒し足り、やれやれ仕方ないなみたいな投げやりで倒したりとかそんな妄想だ。
私は楽しくやってきたことである。
妄想の中でぐらいそんな超人になってみたかったりするものだと思う。
でも、妄想だからそんな展開になるのであって、もし本当に起きたらどうなると思うだろうか?
こうなったよ。
「じゃあな、未来ある子供たち」
クラス全員あっけなく、爆風の中死んだ。
そう、あっけなく。
そして私達はこれまた妄想するような事態に巻き込まれたわけである。
目が覚めた時、私達は変な広場にいた。
なんか勇者様だのなんだの言っているが、そんな事より一大事である。
私女の子になってる!
まじで!
やったね!
─スキル 自在変化─
元々の姿に二度と戻れなくなる代わりに、望んだ姿に変化することが出来る。
望んだ姿を演じることに必要なものであれば自動で取得する。
ただし、その姿をやめた場合、自動取得したスキルは消失する。(正式に取得したスキルはこの限りではない)
制約、女性の姿のみ。
なんか変な制約ついてるけど、私としてはなんの問題もない。
まさか、諦めていた夢が叶うとは!
そう、私、雪野葵は男ではあったが、見た目や仕草、声は女性になりたいという少々倒錯した願望があったのだ。
かと言って男であることを辞めたかった訳ではない。
うん、分かるぞ、お前は何言っているんだと思ったんだろう?
大丈夫、本人が1番困ってたから。
セクシャルマイノリティなんてものは言葉として知られているが、そんな中でも特殊な枠に入ってたのが私だ。
詳しく説明すると馬鹿みたいに長くなるので、割愛する。
ようは、理解されがたい特殊な人間だったわけだ。
そんな私の夢が、このスキルのおかげで叶うわけだ。
問題は、このままだと間違いなくみんな集められて魔王退治とやらに巻き込まれる。
勘弁して欲しいので、早速全力でスキル発動。
求める姿は誰も気にとめない少女。
発動はしたみたいなので、素知らぬ顔して立ち去る。
ことはせずに近くで耳をすませる。
聞こえてくるのは、誰それがいない、それは召喚に耐えうるだけの魂ではなかった、俺勇者だってよ!
入り乱れていて分からなかったけど、少なくとも、私がいないことは誰も気にしてなかった。
うん、いてもいなくても別にどうでもいいのが私だったからね、てことで誰も悲しんでないし立ち去ることにする。
こういう世界には冒険者みたいな仕事があるはずなのだ、きっと偽名で登録できるに違いない。
夢は叶ったし、思いついたことやっていこう。
そもそも1回死んだんだし、また必死に生きても仕方ない。
そうして私は、1人だけエンジョイ勢としてその場を離れたのだった。
学校にテロ組織がやって来てといったものだ。
隠された力が目覚めてバッタバッタと敵をなぎ倒し足り、やれやれ仕方ないなみたいな投げやりで倒したりとかそんな妄想だ。
私は楽しくやってきたことである。
妄想の中でぐらいそんな超人になってみたかったりするものだと思う。
でも、妄想だからそんな展開になるのであって、もし本当に起きたらどうなると思うだろうか?
こうなったよ。
「じゃあな、未来ある子供たち」
クラス全員あっけなく、爆風の中死んだ。
そう、あっけなく。
そして私達はこれまた妄想するような事態に巻き込まれたわけである。
目が覚めた時、私達は変な広場にいた。
なんか勇者様だのなんだの言っているが、そんな事より一大事である。
私女の子になってる!
まじで!
やったね!
─スキル 自在変化─
元々の姿に二度と戻れなくなる代わりに、望んだ姿に変化することが出来る。
望んだ姿を演じることに必要なものであれば自動で取得する。
ただし、その姿をやめた場合、自動取得したスキルは消失する。(正式に取得したスキルはこの限りではない)
制約、女性の姿のみ。
なんか変な制約ついてるけど、私としてはなんの問題もない。
まさか、諦めていた夢が叶うとは!
そう、私、雪野葵は男ではあったが、見た目や仕草、声は女性になりたいという少々倒錯した願望があったのだ。
かと言って男であることを辞めたかった訳ではない。
うん、分かるぞ、お前は何言っているんだと思ったんだろう?
大丈夫、本人が1番困ってたから。
セクシャルマイノリティなんてものは言葉として知られているが、そんな中でも特殊な枠に入ってたのが私だ。
詳しく説明すると馬鹿みたいに長くなるので、割愛する。
ようは、理解されがたい特殊な人間だったわけだ。
そんな私の夢が、このスキルのおかげで叶うわけだ。
問題は、このままだと間違いなくみんな集められて魔王退治とやらに巻き込まれる。
勘弁して欲しいので、早速全力でスキル発動。
求める姿は誰も気にとめない少女。
発動はしたみたいなので、素知らぬ顔して立ち去る。
ことはせずに近くで耳をすませる。
聞こえてくるのは、誰それがいない、それは召喚に耐えうるだけの魂ではなかった、俺勇者だってよ!
入り乱れていて分からなかったけど、少なくとも、私がいないことは誰も気にしてなかった。
うん、いてもいなくても別にどうでもいいのが私だったからね、てことで誰も悲しんでないし立ち去ることにする。
こういう世界には冒険者みたいな仕事があるはずなのだ、きっと偽名で登録できるに違いない。
夢は叶ったし、思いついたことやっていこう。
そもそも1回死んだんだし、また必死に生きても仕方ない。
そうして私は、1人だけエンジョイ勢としてその場を離れたのだった。
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