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【初級者 編】
ガラーマへ
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米子含むパーティーメンバーはサーパスで馬車を新調し、東へと向かっていた。
馬車などを手配する役目は、いつも力士山が行う。
そう、彼は単なる使い走り。
とりあえず次の目的地を模索する一行。
「えっと。リアルで一時間くらいだから――」
「一〇時間。到着できる範囲はガラーマ……です」
ベニネコの話を待たずしてレイカが答えを導き出す。
「さっすがレイちゃん、はやいねー!」
王都へ向かうには東へ向かわなければならず、一〇時間と言うのは学校へ行くため家を出る時間に合わせてとこと。
現実世界の三名は午前八時には自宅を出なければならないため、ログインできる時間は約一時間ほど。
それを踏まえて、一〇時間で移動出来る範囲をレイカは言った。
これは他のメンバーが学校へ行っている間、米子が単独行動となってしまうからだ。その単独行動となってしまった時、出来る限り街や村などが好ましいとの考えに至った。
「ガラーマの村、ですか。今日は宿屋に泊まれるかな」
「今日は学校終わるの早いし、すぐ戻れるよ! 昼頃にはログイン出来るんじゃないかな?」
本日は二学期の初日。
学校の授業が無いため、早めの帰宅となる。
「間違えてないけど違う。こちらの時間で考えると夜にガラーマをログアウトするから、再びログインする頃には九月三日の一五時前後……です」
レイカはログアウトしてから、再びログイン出来るまでに約四〇時間ほどかかるのではないかと思った。それは現実世界の四時間後とも言える。
「ありゃりゃ? そうなの? なんだか難しいねー」
レイカは『おバカね』と思った。
「そうなんですよね。とりあえずは二日ほどガラーマの村で待機すれば良さそうですけど、皆さんの睡眠時間や通常の授業なら二日どころじゃない……ですよね」
レイカ『そう考えるのが妥当』と思った。
「うっす! マイコはんは自分が護るっす!」
レイカは何も思わなかった。
米子やレイカの考えは然るべきところ。
しかしログイン率の高いコアなプレイヤーでも丸一日ログインしない事もある。
仮に丸一日ログインしなければ、この世界で一〇日となるのだから、それは短期間とは言い難い。
現時点で転送陣が使えない事もあり、再びパーティーを組みたいメンバーがいても、その場で待つしかない。移動は可能だが、待ち合わせ日に戻って来なければならないとも言える。
結果、米子が単独行動で先へ進むのは困難であろう。
プレイヤーは一度ログアウトして時間を経過させれば良いのだが、米子などの住み人は待ちぼうけ状態が続く。
目的地である王都までは約一〇日とは聞いているが、実際に到着するまでの時間は予想以上となる可能性が高い。
ともあれ一路『ガラーマの村』を目指す事となった。
ベニネコは生やしてもいない髭を触るような仕草で、出発を告げた。
「次の目的地までなら街道も通ってるし問題ないでしょー! 皆のもの、目指すはガラーマの村じゃ! カッカッカッ」
「「「はい(です)」」」
「ほんじゃ、ま。力士君、御者ヨロシクー!」
「うっす! 自分は頑張るだけっす!」
力士山へ馬の操縦を任せ、街道を行く。
馬車などを手配する役目は、いつも力士山が行う。
そう、彼は単なる使い走り。
とりあえず次の目的地を模索する一行。
「えっと。リアルで一時間くらいだから――」
「一〇時間。到着できる範囲はガラーマ……です」
ベニネコの話を待たずしてレイカが答えを導き出す。
「さっすがレイちゃん、はやいねー!」
王都へ向かうには東へ向かわなければならず、一〇時間と言うのは学校へ行くため家を出る時間に合わせてとこと。
現実世界の三名は午前八時には自宅を出なければならないため、ログインできる時間は約一時間ほど。
それを踏まえて、一〇時間で移動出来る範囲をレイカは言った。
これは他のメンバーが学校へ行っている間、米子が単独行動となってしまうからだ。その単独行動となってしまった時、出来る限り街や村などが好ましいとの考えに至った。
「ガラーマの村、ですか。今日は宿屋に泊まれるかな」
「今日は学校終わるの早いし、すぐ戻れるよ! 昼頃にはログイン出来るんじゃないかな?」
本日は二学期の初日。
学校の授業が無いため、早めの帰宅となる。
「間違えてないけど違う。こちらの時間で考えると夜にガラーマをログアウトするから、再びログインする頃には九月三日の一五時前後……です」
レイカはログアウトしてから、再びログイン出来るまでに約四〇時間ほどかかるのではないかと思った。それは現実世界の四時間後とも言える。
「ありゃりゃ? そうなの? なんだか難しいねー」
レイカは『おバカね』と思った。
「そうなんですよね。とりあえずは二日ほどガラーマの村で待機すれば良さそうですけど、皆さんの睡眠時間や通常の授業なら二日どころじゃない……ですよね」
レイカ『そう考えるのが妥当』と思った。
「うっす! マイコはんは自分が護るっす!」
レイカは何も思わなかった。
米子やレイカの考えは然るべきところ。
しかしログイン率の高いコアなプレイヤーでも丸一日ログインしない事もある。
仮に丸一日ログインしなければ、この世界で一〇日となるのだから、それは短期間とは言い難い。
現時点で転送陣が使えない事もあり、再びパーティーを組みたいメンバーがいても、その場で待つしかない。移動は可能だが、待ち合わせ日に戻って来なければならないとも言える。
結果、米子が単独行動で先へ進むのは困難であろう。
プレイヤーは一度ログアウトして時間を経過させれば良いのだが、米子などの住み人は待ちぼうけ状態が続く。
目的地である王都までは約一〇日とは聞いているが、実際に到着するまでの時間は予想以上となる可能性が高い。
ともあれ一路『ガラーマの村』を目指す事となった。
ベニネコは生やしてもいない髭を触るような仕草で、出発を告げた。
「次の目的地までなら街道も通ってるし問題ないでしょー! 皆のもの、目指すはガラーマの村じゃ! カッカッカッ」
「「「はい(です)」」」
「ほんじゃ、ま。力士君、御者ヨロシクー!」
「うっす! 自分は頑張るだけっす!」
力士山へ馬の操縦を任せ、街道を行く。
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