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【初級者 編】
無限ループ
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「あ、カリソメのネカマ君か! ヨッ、お久しぶりブリって感じ?」
身も震えるようなタケシのアホさに、周りの目がタケシに集中し立ち止まる。
これを好機と思うベニネコとレイカは、小声でバリュートへ伝えてきた。
(”お兄さん……わたしたち二人の間まで来て。ゆっくりとだよ?”)
すかさず小声で言葉を返すバリュート。
(”えーと、僕が君たちふたりの間に立てばいいのかい?”)
(”……です”)コクリ
バリュートは周りに気付かれないよう、ゆっくりと慎重に移動を開始。
(”チキンが戦闘を始めたら目を瞑らないと、ダメだからね?”)
(”――え? わ、わかった。言う通りにするよ”)
バリュートはベニネコの言葉を聞くと、ゴクリと唾を飲み込み小さく頷く。
ベニネコの背中と、レイカの背中に挟まれるようにして立ち止まるバリュート。
いったい、今から何が起きるというのだろう――
そんなことを考え、バリュートの緊張感は急上昇。それに護衛を頼んだとは言え、この人数で勝ち目があるのかとも……。
「俺様が相手してやんよ。全員同時にかかってきな!」
チキンは抜剣し、お得意の中段に構える。
「オマエなんか、俺のパーティーだけで十分なんだよ! 消えとけ!」
こう言った後、タケシの合図と同時にタケシパーティーはチキンへ、他はバリュートへと襲いかかった。
「お兄さん、来る! 目を閉じてえ!」
「なぜに!?」
「デスッ!!」
危険、ダメ、ゼッタイ。
レイカは、そんな目をしている。
「レイカちゃん、顔こわっ! 閉じる! 閉じさせて頂きますとも!」
そして”当然”ながら、チキンが叫んだのはあの固有スキルであった。
「ヒャッハー いくぜ! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」
チキンの剣から毎度毎度、失明しそうなほどの眩しい閃光が解き放たれる。何度でも言おう、光るだけで弱い。
「「「「「――ッ!? め……目ぐぁああああああっ!!」」」」」
その眩しさゆえ、まるで天空に浮かぶ城で暮らす気満々だった、ロ〇コン紳士のような叫びを上げ立ち止まるプレイヤーたち。たとえ七三眼鏡でも、一三歳以下へ交際を迫る行為は手を出さずとも強制わいせつ罪となるのでやめておこう。
そのチキンのスキルが発動するのを、見計らいベニネコとレイカも魔法を詠唱、そして攻撃。
チキンが敵の動きを止めて、他の者が攻撃。
これがいつもの必勝パターン。というより、お決まり。
「んー これでいいかー。ファイアーボール」
と、ダルそうに詠唱するベニネコ。
「アイスランス……です」
と、変わらず無表情なレイカ。
相手は中級者程度の者ばかり。
ベニネコのテンションが上がることはなく、いつしか洩らした中二病のような前台詞など聞けるはずも無い。
結果、簡易な低級魔法で事足りてしまう。
低級魔法でも、ベニネコとレイカの魔力を持ってすれば、それなりの攻撃力になってしまうのだ。
「な、なんなのよ……今の光――!?」
あまりの眩しさに我をも失う女性プレイヤー。
その刹那――目を閉じ頭部を抱えたバリュートの耳へ聞こえてきたのは、人の声だけでは到底かき消すことが不可能であろう轟音であった。
この時、バリュートは思う。
まるで激しい雷雨の中へ身を投げ出されたようだ、と。
その轟音となった攻撃魔法は総勢一七名へ次々と命中、プレイヤーたちは悲鳴を上げ光の粒となり消えて逝く。
そして女性プレイヤーひとりのみ攻撃を与えず残したのは、今後このような所業を行わないように『見せしめ』として生かせた。
案の定、女性プレイヤーは恐れ戦き、猛ダッシュで逃げ去ってゆく。
「お、覚えておきなさい!」
こう、ありがちな台詞を残し必死に走り去る女性プレイヤーには、戦う前から敗北フラグが立っていたと言えよう。
「き、君たち。本当に強いんだね……驚いたな」
暫く目を閉じていてたこともあり、誰が誰を倒したかを知り得てはいないバリュートは、待たずして殲滅したことに驚愕。彼は、チキン含む三人の力と勘違いしているようだ。
……――しかし。
じつは、その攻撃に耐えていた者がひとり。地に片膝をつき、目を閉じ、両手を組む。祈りを捧げるような仕草で、そこに居たのはタケシであった。
そのネカマ、まさにナァン(ヌ)。
美しき女性エルフの容姿と相重なって、より一層『純粋且つ清楚』な、お姿。
タケシが男でなければ……と、悔やむチキンとバリュートは、血も滴るほどに下唇を噛みしめた。
そしてベニネコとレイカは、こう思う。
――チキン、タケシに後悔させられてるじゃん(です)。
「ふっ……ふはははっ! どうだ、見たか! オレの固有スキル『偽乙女の祈り』を!」
「なにいっ!? 偽乙女の祈りだとっ! なんと、仕留め切れなかったか!」
いつも敵が眩しがっている間に他の者たちが殲滅してくれるため、己のみの力で倒しているとチキンは思っている。
「ありゃりゃ? タケシ君(?)だっけ。 なかなか、やるねー」
「……です?」
タケシの固有スキル『偽乙女の祈り』とは、文字通りネカマのみ超回復するスキル。
その回復性能は高いと言えよう――だが。
つまるところ、群がっていた一八人の中でネカマはタケシしかおらず、結局使用者しか回復出来ない自己中心的スキル。
そう、彼の名はタケシ。
座右の銘:俺の物はオレの物、お前の物もオレの物。
全ては己の為にあり、その考えから生み出された固有スキルであった。
「ならば、何度でも! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」カッ!
「偽乙女の祈りっ!」テロリン、パァア……
「なんのっ! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」カッ!
「偽乙女の祈りぃいいっ!」テロテロリン、パァア……
「くっ、やるな! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!!」カッ!!
「偽乙女の祈りぃいいいいっ!!」テロリンプァアア……ァ
――――――――――――――
――――――――ォオウ!
――――ぃいい!
「「「…………」」」
チキンのスキルではタケシの体力を一撃で削り去ることは出来ない。
更に、ふたりのリキャストタイムは同じである。
攻撃、回復、攻撃、回復、攻撃、回復……ふたりのスキルポイントが尽きるまで、この小競り合いが終わることはないだろう。
ベニネコとレイカは、攻撃もしてこないタケシを全員で痛めつける行為は控えたいところであり、スポーツ(ネカ)マンのような”お熱い”汗を流す二人に水をさすべきではないとの考えに至る。
従って、ふたりはこのまま放置との判決を下す。
この後、ベニネコ、レイカ、バリュートは一息ついてティータイムを取ることに。そして残されたチキンとタケシは、精魂尽きるまでの約一時間、攻撃、回復の無限ループを繰り返す。
「ハァ、ハァ。タケちゃんよう……おめェ、結構やるじゃねーか」
「フシュー、シュゴー。チキン……いいや、ゴメンナサイ氏。あんたにはオレと同類のカホリを感じたZE?」
こうして、ふたりは現実世界をも超える堅い絆で結ばれた戦友となった。
身も震えるようなタケシのアホさに、周りの目がタケシに集中し立ち止まる。
これを好機と思うベニネコとレイカは、小声でバリュートへ伝えてきた。
(”お兄さん……わたしたち二人の間まで来て。ゆっくりとだよ?”)
すかさず小声で言葉を返すバリュート。
(”えーと、僕が君たちふたりの間に立てばいいのかい?”)
(”……です”)コクリ
バリュートは周りに気付かれないよう、ゆっくりと慎重に移動を開始。
(”チキンが戦闘を始めたら目を瞑らないと、ダメだからね?”)
(”――え? わ、わかった。言う通りにするよ”)
バリュートはベニネコの言葉を聞くと、ゴクリと唾を飲み込み小さく頷く。
ベニネコの背中と、レイカの背中に挟まれるようにして立ち止まるバリュート。
いったい、今から何が起きるというのだろう――
そんなことを考え、バリュートの緊張感は急上昇。それに護衛を頼んだとは言え、この人数で勝ち目があるのかとも……。
「俺様が相手してやんよ。全員同時にかかってきな!」
チキンは抜剣し、お得意の中段に構える。
「オマエなんか、俺のパーティーだけで十分なんだよ! 消えとけ!」
こう言った後、タケシの合図と同時にタケシパーティーはチキンへ、他はバリュートへと襲いかかった。
「お兄さん、来る! 目を閉じてえ!」
「なぜに!?」
「デスッ!!」
危険、ダメ、ゼッタイ。
レイカは、そんな目をしている。
「レイカちゃん、顔こわっ! 閉じる! 閉じさせて頂きますとも!」
そして”当然”ながら、チキンが叫んだのはあの固有スキルであった。
「ヒャッハー いくぜ! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」
チキンの剣から毎度毎度、失明しそうなほどの眩しい閃光が解き放たれる。何度でも言おう、光るだけで弱い。
「「「「「――ッ!? め……目ぐぁああああああっ!!」」」」」
その眩しさゆえ、まるで天空に浮かぶ城で暮らす気満々だった、ロ〇コン紳士のような叫びを上げ立ち止まるプレイヤーたち。たとえ七三眼鏡でも、一三歳以下へ交際を迫る行為は手を出さずとも強制わいせつ罪となるのでやめておこう。
そのチキンのスキルが発動するのを、見計らいベニネコとレイカも魔法を詠唱、そして攻撃。
チキンが敵の動きを止めて、他の者が攻撃。
これがいつもの必勝パターン。というより、お決まり。
「んー これでいいかー。ファイアーボール」
と、ダルそうに詠唱するベニネコ。
「アイスランス……です」
と、変わらず無表情なレイカ。
相手は中級者程度の者ばかり。
ベニネコのテンションが上がることはなく、いつしか洩らした中二病のような前台詞など聞けるはずも無い。
結果、簡易な低級魔法で事足りてしまう。
低級魔法でも、ベニネコとレイカの魔力を持ってすれば、それなりの攻撃力になってしまうのだ。
「な、なんなのよ……今の光――!?」
あまりの眩しさに我をも失う女性プレイヤー。
その刹那――目を閉じ頭部を抱えたバリュートの耳へ聞こえてきたのは、人の声だけでは到底かき消すことが不可能であろう轟音であった。
この時、バリュートは思う。
まるで激しい雷雨の中へ身を投げ出されたようだ、と。
その轟音となった攻撃魔法は総勢一七名へ次々と命中、プレイヤーたちは悲鳴を上げ光の粒となり消えて逝く。
そして女性プレイヤーひとりのみ攻撃を与えず残したのは、今後このような所業を行わないように『見せしめ』として生かせた。
案の定、女性プレイヤーは恐れ戦き、猛ダッシュで逃げ去ってゆく。
「お、覚えておきなさい!」
こう、ありがちな台詞を残し必死に走り去る女性プレイヤーには、戦う前から敗北フラグが立っていたと言えよう。
「き、君たち。本当に強いんだね……驚いたな」
暫く目を閉じていてたこともあり、誰が誰を倒したかを知り得てはいないバリュートは、待たずして殲滅したことに驚愕。彼は、チキン含む三人の力と勘違いしているようだ。
……――しかし。
じつは、その攻撃に耐えていた者がひとり。地に片膝をつき、目を閉じ、両手を組む。祈りを捧げるような仕草で、そこに居たのはタケシであった。
そのネカマ、まさにナァン(ヌ)。
美しき女性エルフの容姿と相重なって、より一層『純粋且つ清楚』な、お姿。
タケシが男でなければ……と、悔やむチキンとバリュートは、血も滴るほどに下唇を噛みしめた。
そしてベニネコとレイカは、こう思う。
――チキン、タケシに後悔させられてるじゃん(です)。
「ふっ……ふはははっ! どうだ、見たか! オレの固有スキル『偽乙女の祈り』を!」
「なにいっ!? 偽乙女の祈りだとっ! なんと、仕留め切れなかったか!」
いつも敵が眩しがっている間に他の者たちが殲滅してくれるため、己のみの力で倒しているとチキンは思っている。
「ありゃりゃ? タケシ君(?)だっけ。 なかなか、やるねー」
「……です?」
タケシの固有スキル『偽乙女の祈り』とは、文字通りネカマのみ超回復するスキル。
その回復性能は高いと言えよう――だが。
つまるところ、群がっていた一八人の中でネカマはタケシしかおらず、結局使用者しか回復出来ない自己中心的スキル。
そう、彼の名はタケシ。
座右の銘:俺の物はオレの物、お前の物もオレの物。
全ては己の為にあり、その考えから生み出された固有スキルであった。
「ならば、何度でも! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」カッ!
「偽乙女の祈りっ!」テロリン、パァア……
「なんのっ! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!」カッ!
「偽乙女の祈りぃいいっ!」テロテロリン、パァア……
「くっ、やるな! シャイニング・スォウ……ドゥォオオウ!!」カッ!!
「偽乙女の祈りぃいいいいっ!!」テロリンプァアア……ァ
――――――――――――――
――――――――ォオウ!
――――ぃいい!
「「「…………」」」
チキンのスキルではタケシの体力を一撃で削り去ることは出来ない。
更に、ふたりのリキャストタイムは同じである。
攻撃、回復、攻撃、回復、攻撃、回復……ふたりのスキルポイントが尽きるまで、この小競り合いが終わることはないだろう。
ベニネコとレイカは、攻撃もしてこないタケシを全員で痛めつける行為は控えたいところであり、スポーツ(ネカ)マンのような”お熱い”汗を流す二人に水をさすべきではないとの考えに至る。
従って、ふたりはこのまま放置との判決を下す。
この後、ベニネコ、レイカ、バリュートは一息ついてティータイムを取ることに。そして残されたチキンとタケシは、精魂尽きるまでの約一時間、攻撃、回復の無限ループを繰り返す。
「ハァ、ハァ。タケちゃんよう……おめェ、結構やるじゃねーか」
「フシュー、シュゴー。チキン……いいや、ゴメンナサイ氏。あんたにはオレと同類のカホリを感じたZE?」
こうして、ふたりは現実世界をも超える堅い絆で結ばれた戦友となった。
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