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第二部 はじまりは美しい20
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~今までとこれからと~
「おとうと…?」
かすれたような声が、ルエラの口からでてきました。
ルエラは、一人娘です。
ずっとお父様とお母様と三人で暮らしてきたし、これからも
そうだと思っていました。
ぽかんと口を開けていると、軽く扉を叩く音が聞こえました。
「はいるよ」
朗らかな笑顔を浮かべた屋敷の主人と、少し緊張したような
青年が部屋に入ってきました。
ルエラは、青年の顔をじっと眺めます。
突然双子の弟だと言われても、なんの実感も沸きません。
「ノエル…?」
するりでた言葉に、青年が驚きの表情を浮かべました。
「姉さん…」
同じように、ノエルの口からもするりと言葉がでてきました。
互いに、瞳をじっと眺めます。
ルエラは、突然立ち上がり、ノエルのそばに歩み寄りました。
じっとしたまま動かない青年の手をそっととります。
何も言わず青年の手を引いて、空いている椅子へと導いていきました。
「あの…」
ルエラの様子に、青年は不安そうな表情を浮かべます。
青年にとって、ルエラの行動はさっぱり理解できないものでした。
お父様もお母様も屋敷の主人でさえ、呆然としています。
ノエルが椅子に腰掛けるのを見届けてから、くるりと振り返りました。
「まずは、わかるように説明してくれないかしら?」
動くことも忘れてしまったかのような自分以外の人々に、
にっこりと微笑んだのでした。
つづく
「おとうと…?」
かすれたような声が、ルエラの口からでてきました。
ルエラは、一人娘です。
ずっとお父様とお母様と三人で暮らしてきたし、これからも
そうだと思っていました。
ぽかんと口を開けていると、軽く扉を叩く音が聞こえました。
「はいるよ」
朗らかな笑顔を浮かべた屋敷の主人と、少し緊張したような
青年が部屋に入ってきました。
ルエラは、青年の顔をじっと眺めます。
突然双子の弟だと言われても、なんの実感も沸きません。
「ノエル…?」
するりでた言葉に、青年が驚きの表情を浮かべました。
「姉さん…」
同じように、ノエルの口からもするりと言葉がでてきました。
互いに、瞳をじっと眺めます。
ルエラは、突然立ち上がり、ノエルのそばに歩み寄りました。
じっとしたまま動かない青年の手をそっととります。
何も言わず青年の手を引いて、空いている椅子へと導いていきました。
「あの…」
ルエラの様子に、青年は不安そうな表情を浮かべます。
青年にとって、ルエラの行動はさっぱり理解できないものでした。
お父様もお母様も屋敷の主人でさえ、呆然としています。
ノエルが椅子に腰掛けるのを見届けてから、くるりと振り返りました。
「まずは、わかるように説明してくれないかしら?」
動くことも忘れてしまったかのような自分以外の人々に、
にっこりと微笑んだのでした。
つづく
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