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はじまり46
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~役割~
シキはキールとクローディアの顔を交互に見て、
そばに立っているソウに視線を向けました。
「私は、クローディアの腹違いの兄で、ソウと申します」
素性を明かすことができなかったこと、お詫び申し上げます。
深々と頭を下げるソウを見て、あたりを見渡し、それから
納得したように大きく息を吐きました。
「やっと、謎がとけました」
微笑むシキに、キールが少し首を傾けます。
「あまり、驚かないんだな」
「時計に興味をもったのは、二人が初めてだったから」
あまりにも品が良すぎたと、楽しそうに笑います。
シキのくだけた様子に、キールがふっと息を吐きました。
「どうやら、ソウ王子の感は正しいようだ」
「感とは?」
「靴屋の主人にしては、あまりにも豪胆すぎるとね」
シキは困ったような顔をして、キールを眺めます。
「どこまで、ご存知なのですか?」
「大体、あなたが思い描いているとおりだと思うよ」
キールやクローディアの素性を聞いて、なおかつ
揺らがない態度に、キールは確信を持ちました。
この国の王族は、はるか昔に、王宮に住む一族と野に下り、
市井と交わりながら王族の役目を果たす種族とに別れていました。
それは、古書にしか載っていないような古い昔の物語です。
いつのまにか、王宮に住むものが王族と呼ばれ、
野に下ったものは、単なる人とされてしまいました。
金の鳥がこの国のシンボルであった頃の話です。
つづく
シキはキールとクローディアの顔を交互に見て、
そばに立っているソウに視線を向けました。
「私は、クローディアの腹違いの兄で、ソウと申します」
素性を明かすことができなかったこと、お詫び申し上げます。
深々と頭を下げるソウを見て、あたりを見渡し、それから
納得したように大きく息を吐きました。
「やっと、謎がとけました」
微笑むシキに、キールが少し首を傾けます。
「あまり、驚かないんだな」
「時計に興味をもったのは、二人が初めてだったから」
あまりにも品が良すぎたと、楽しそうに笑います。
シキのくだけた様子に、キールがふっと息を吐きました。
「どうやら、ソウ王子の感は正しいようだ」
「感とは?」
「靴屋の主人にしては、あまりにも豪胆すぎるとね」
シキは困ったような顔をして、キールを眺めます。
「どこまで、ご存知なのですか?」
「大体、あなたが思い描いているとおりだと思うよ」
キールやクローディアの素性を聞いて、なおかつ
揺らがない態度に、キールは確信を持ちました。
この国の王族は、はるか昔に、王宮に住む一族と野に下り、
市井と交わりながら王族の役目を果たす種族とに別れていました。
それは、古書にしか載っていないような古い昔の物語です。
いつのまにか、王宮に住むものが王族と呼ばれ、
野に下ったものは、単なる人とされてしまいました。
金の鳥がこの国のシンボルであった頃の話です。
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