はじまり

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はじまり


　～王国～


むかしむかしあるところに、ひとつの国がありました。
その国は、代々１人の王様が治めていました。

決して豊かとはいえませんでしたが、大地と木々と光と水、
豊かな自然に恵まれた国でした。

優しく、時には荒々しく自然は国に生きる人々と常に共に在りました。

逃れられぬ自然とのやり取りのなかで、それでも人は自然を敬い、
共に手をとりあって生きてきました。

この国では、太陽を特に敬い大切にしてきました。

東よりのぼる太陽が、水平線から顔をのぞかせる時。
金に輝く大きな鳥が、まるで翼を広げているようにみえました。

『鳥は太陽からの遣い』

いつしかそんな風に人々の間でささやかれ、大きな鳥はこの国の国鳥であり、
シンボルとなりました。

町のいたるところに、鳥の彫刻やシンボルが彫られました。
そして、この国を治める王族が身につける装飾品には、必ず金色の鳥のマークが
描かれていました。

つづく