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ミコナとかぷせるあにまるず

言葉に込められた想いを

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担任の教師は続けます。

「サンギータさんは、国語については特に文章題が得意で、言葉に込められた想いを読み解く力が優れているようです。それと同時に、作文も素晴らしいです。サンギータさんはご自身で歌を作って披露なさっているそうですが、自分の得意とすることを上手く活かしていらっしゃると思いますね。将来は歌の道に進まれるのでしょうか?」

その問い掛けには、

「正直、今はまだ分かりません。歌でやっていけたらと思ってますけど、さすがにそうそう上手くいくとも思えませんし、甘い世界じゃないですから」

強そうな見た目に拘わらず、サンギータは遠慮がちにそう言います。以前は大人に対して強い反発も見せていた彼女ですけど、今ではそこまでじゃなくなっていました。

けれど、そんな彼女の耳に、

「ギータちゃんは歌を続けた方がいいと思う」

小さいけれど、何とも言えない強さも込められた声が届いてきたのでした。

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